皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ 本格/新本格 ] 鬼のすべて |
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鯨統一郎 | 出版月: 2001年09月 | 平均: 5.00点 | 書評数: 1件 |
文藝春秋 2001年09月 |
光文社 2008年04月 |
No.1 | 5点 | 空 | 2012/06/19 20:23 |
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読み始めてすぐ、警察官たちの描き方にうんざりさせられました。ほとんどの捜査官によい印象を持てなかったのです。セクハラおやじっぽい植田刑事が一番まともに見えるなんて、どうなっているんだか…マンガ風な書き方と言えそうですが、デフォルメされた絵による表現のない小説では、不自然さを感じるだけです。犯人逮捕場面のための伏線も、あまりに適当。
事件自体は、からくり時計の中から被害者の首が出てくるところから始まり、犯行声明、第2の殺人へと、乱歩の通俗長編なみの派手さです。しかし最後には大げさな犯行の理由もきっちり説明してくれます。途中で何回か挿入される犯人視点の部分で、犯人が子どもの頃いじめられたことが明かされますが、最後に明かされるその理由は意外でしたし、説得力もあります。 動機と関連する「鬼」のテーマを生かすためには、もっと重厚で現実味ある作風の方いいと思えました。 |