皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
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メルカトルさん |
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| 平均点: 6.04点 | 書評数: 2006件 |
| No.1786 | 8点 | 「本当の自分」殺人事件- 水木三甫 | 2024/06/15 22:23 |
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| 次々と報道される殺人事件の被害者は、同じ名前の人物ばかり。
恐怖におびえる全国の「山本和義」は、SNSを通じて繋がっていく。 犯人の真の目的とは――。(「本当の自分」殺人事件) 表題作ほか、「のぞみの結末」「時間にまつわる物語」「雲を描く男」 「不運な殺人者」「未来から来た男」6編の短編ミステリー小説集 Amazon内容紹介より。 文庫で176ページで税込み880円とはまたボッタクリじゃないかと思いますよね。随分強気な商売するな、これじゃ売れないだろうとなりますね。しかし、私にはこの法外な値段設定も気にならない程楽しめました。勿論、適正価格で売って欲しいとは思いますけど。それにしても、最初の作品を読んだ時、この人の頭の中はどないなってんねんってなりました。 『のぞみの結末』 よくある痴情の縺れなのかと思いきや、とんでもない展開に雪崩れ込んでいきます。8点 『時間にまつわる物語』 時間を拾って患者に与える看護師の物語。7点 『雲を描く男』 幼少時から雲を描くのが大好きで、絵心のある主人公が選んだ意外な道とは。オチが見事に決まってます。8点 『不運な殺人者』 「5月7日に私は殺されます」という奇妙な予告状を受け取った主人公の行動。7点 『未来から来た男』 新興宗教の教祖に瓜二つの男が未来からやって来て。7点 『「本当の自分」殺人事件』 全国各地で山本和義が殺される。怯える同名の主人公が取った行動とは。8点 全体的に多視点から描かれているのが特徴だと思います。総じて作者の目指す奇妙な味の話や不条理劇が多く佳作以上揃いで、どれも面白く読みました。文章も読みやすいしお薦めです。しかし、ちょっと甘目な採点となっているかも知れませんので、高い買い物だったと苦情を申されても責任は負いかねますが。 |
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| No.1785 | 7点 | 煙の殺意- 泡坂妻夫 | 2024/06/13 22:16 |
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| 捜査そっちのけの警部と美女の死体に張り切る鑑識官コンビの殺人現場リポート「煙の殺意」を表題に、知る人ぞ知る愛すべき傑作「紳士の園」や、往復書簡で綴る地中海のシンデレラストーリー「閏の花嫁」など、問答無用に面白い八編を収める。
Amazon内容紹介より。 全編本格かと問われると、ちょっと考えてしまいます。逆に言えばそれだけバラエティに富んだ作品集だという事。つまり、作者の抽斗の多さに思わず納得してしまう次第です。訳あって最初の『赤の追憶』を読んでからかなり時間が経っており、今再読しているところです。ラストが印象的で粋なオチが付いていたのは記憶にありますし、凄く面白かったのは憶えています。ただ内容がうろ覚えで、己の記憶力の無さに嫌気が差しています。読み終えたら追記します。 (追記)初読の際の新鮮さは流石にありませんでした。段々思い出して来ますし、オチも分かってますからね。それでも本作が『煙の殺意』の次に出来が良かったと思います。男女の絡みと心理描写と呆気に取られる恋の動機。先の読めない展開に喝采。 その他ではやはり表題作が一番ですね。無駄にスケールの大きい、意外過ぎる動機が私好みでいかにも泡坂らしい一作だと思います。バラバラ死体ものや風情のある『椛山訪雪図』(これは名作との呼び声が高いですが、個人的にはそれ程でもなかった)など様々な作風に挑戦している姿勢自体、泡坂ワールドと言って良いでしょうね。何となく人を喰った作品が多い様にも感じました。 |
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| No.1784 | 7点 | シャーロック+アカデミー Logic.1 犯罪王の孫、名探偵を論破する- 紙城境介 | 2024/06/11 22:24 |
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| 増加する凶悪犯罪に対抗し、探偵という職業の必要性が飛躍的に高まった現代。
日本で唯一「国家探偵資格」を取得できる超難関校・真理峰探偵学園に今年、とある少年と少女が入学する。 一人はかつて〈犯罪王〉と称された男の孫・不実崎未咲。 もう一人は〈探偵王〉の養女・詩亜・E・ヘーゼルダイン。 宿敵同士の末裔二人が、ここに邂逅したのだ! そして始まる学園の日々。早速入学式から模擬事件が発生!? Amazon内容紹介より。 ハーレム状態の恋愛要素が程良い塩梅で盛り込まれたラノベながら、確りとした本格ミステリとして成立しています。入園早々模擬事件で二人の主人公がいきなり激突します。ここで既に読者のハートを鷲掴みしているのでは?特にミステリ寄りの読者には堪らない趣向でワクワクが止まりません。うーむ、なかなかやるなと思わせるに十分な出だしで、まさに「最高峰の知的興奮」も誇大広告ではない様です。 当然ではありますがキャラは十分すぎる程立っています。〈犯罪王〉の孫と〈探偵王〉の養女以外にも同じ一年生の探偵の卵の少女達や上級生らそれぞれ重要な役割を与えられています。 後に起こる本件では意外なほどのロジックが展開され、二転三転怒涛の推理合戦が繰り広げられます。そして最後に明かされる驚愕の事実、ですが、これは流石に無理筋かと思われますね。でも良いじゃないですか、それも含めて小説なんですから。伏線も張ってあるし。 |
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| No.1783 | 6点 | 永劫館超連続殺人事件 魔女はXと死ぬことにした- 南海遊 | 2024/06/09 22:21 |
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| 母の危篤を知った没落貴族ブラッドベリ家の長男・ヒースクリフは、3年ぶりに生家・永劫館(えいごうかん)に急ぎ帰るが母の死に目には会えず、葬儀と遺言状の公開を取り仕切ることとなった。
葬儀の参加者は11名。ヒースクリフ、最愛の妹、叔父、従兄弟、執事長、料理人、メイド、牧師、母の親友、名探偵、そして魔女。 大嵐により陸の孤島(クローズド・サークル)と化した永劫館で起こる、最愛の妹の密室殺人と魔女の連続殺人。そして魔女の『死に戻り』で繰り返されるこの超連続殺人事件の謎と真犯人を、ヒースクリフは解き明かすことができるのかーー 『館』x『密室』x『タイムループ』の三重奏(トリプル)本格ミステリ。 Amazon内容紹介より。 うーん、面白くなかったとは言えないですけどね。この特殊設定は前例がありますし、パクリと呼んでも差し支えないレベルです。そこに多少の条件をプラスした程度で新味が感じられません。あくまで個人の意見ですので、参考にはしないで下さい。読書メーターを見ても面白かった、傑作との声が殆どで私にしてみればマジですかって感じです。個人の感想です、何度も言いますが。 第一の密室はまあ許容範囲としても、第二の密室は問題ありだと思います。そのトリックを使えば現場はもっと違ったものになっていたはずではないですか。何度も書きますがあくまで個人の感想です。何と言うかトリックも謎解きも、美しくないです。犯人は意外でしたが、他に意外性がありません。正直どこがこんなに世間にウケるのか俄かには分かりません。再読しても多分それは変わらないんじゃないかと思います。ただエンディングはなかなかいい味出していたのは否定出来ません。 しかし、圧倒的なマイノリティのこんな私に本格ミステリを読む資格があるのでしょうか。年末のランキングに入るのか、入れば一層自己不信に陥りそうです。 |
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| No.1782 | 7点 | 犯罪- フェルディナント・フォン・シーラッハ | 2024/06/05 22:17 |
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| 【本屋大賞翻訳小説部門第1位】一生愛しつづけると誓った妻を殺めた老医師。兄を救うため法廷中を騙そうとする犯罪者一家の末っ子。エチオピアの寒村を豊かにした、心やさしき銀行強盗。──魔に魅入られ、世界の不条理に翻弄される犯罪者たち。弁護士の著者が現実の事件に材を得て、異様な罪を犯した人間たちの真実を鮮やかに描き上げた珠玉の連作短篇集。2012年本屋大賞「翻訳小説部門」第1位に輝いた傑作!
Amazon内容紹介より。 最初の一篇から既に惹き込まれました。なんか面白い、ちょっと説明し難いのですが、兎に角翻訳物とは思えない位読み易いです。今までに読んだ事のない新しい世界を味わえました。著者は弁護士でこれはノンフィクション、或いは事実を基に書かれたものではないかと思いましたが、弁護士には被告人の守秘義務があるのでそうではないらしいです。つまりフィクションとの事。それにしては余りにリアリティがあり過ぎます。こう云うのを異才と言うんでしょうねえ。勿論弁護士と言う職業からの経験を生かした視点で描かれているとは思いますが。 文庫版の表紙画は何だろうと長年思っていました。これはもしかして二つに割ったりんごでしょうか。最後のタイトル?を見てそうじゃないかと想像しました。 押し並べて佳作揃いですが、私のベストは『正当防衛』です。最も犯人に魅力を感じたからです。しかし大凡はごく普通の人間が異常な犯罪を犯します。其処に何が潜んでいたのか、具体的には描かれませんが、読者の想像を掻き立てるには十分です。 |
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| No.1781 | 6点 | 時空に棄てられた女 乱歩と正史の幻影奇譚- 長江俊和 | 2024/06/02 22:16 |
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| 江戸川乱歩と横溝正史。現実に師弟関係にあった二人が挑む不可能事件。
首なし死体と生首が次元を揺蕩い、うつし世と夢は混線し……。 ミステリー界の巨人たちが、悩み、もがき、執筆し、謎について語り、あげく事件の泥沼に巻き込まれる。 Amazon内容紹介より。 巻末の参考文献を見る限り、乱歩と正史の関係性はかなり研究されている様で、二人の掛け合いはなかなか興味深いものがありました。それぞれの代表作にも触れられていますし、その意味では佳作と呼んでも良いかも知れません。事件の謎を解くのは乱歩か正史かそれとも・・・。 しかし、事件が余りにも突飛すぎてちゃんとした着地が期待出来るのか、ワクワクよりも不安の方が強くなってきます。首なし死体と時空を超える生首、只では済まなそうな事件の行方に不安はさらに高まります。 読めば読む程謎は深まるばかり。そもそもこれを論理的に解決に導く事が可能なのか、まあ勿論本格ミステリなので当然真相は明らかになるのですが、その途中でこの作品のカラクリに気付いてしまい、驚かされるべきところで驚けなかったのは実に不本意でした。ボンクラの私でもこれだから勘の良い人なら当然解ってしまうでしょう。なのでそこをマイナス点としてこの評点にしました。 決して面白くない訳ではありません、作者得意のプロットの妙は楽しめる筈ですし、乱歩や正史に興味のある方は読んでみるのも一興かと思います。見事騙されるか否かが評価の分かれ目になるのかも知れませんね。 |
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| No.1780 | 7点 | イーシャの舟- 岩本隆雄 | 2024/05/31 22:36 |
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| 大幅に改稿されたソノラマ文庫で読了。壮大なSF、ちょっとユーモラスなファンタジー、そして極上のラブ・ストーリーとは褒め過ぎか、いやそんな事はないと思います。まず何と言っても全ての登場人物がそれぞれの役割を確りと果たすべく、生き生きと描かれているのが素晴らしいです。無駄なキャラは一切出て来ませんので、読書に集中出来ます。
主人公である2メートルを超える威容の若者年輝が偶然出会った、我が儘で乱暴な天邪鬼の成長と周囲の人間との関係性を描いた物語ですが、どこからどこまでも良く練られて考え抜かれたこのストーリーは読む者を癒し、優しい気持ちにさせる作用を持っているように感じます。人によっては何度か落涙する事でしょう。 ただ一番肝心なシーンが余りに呆気なく、ここはもっと情感を込めてページを割くべきだと思いました。しかしそれも最後には見事に返り討ちに遭い、参りましたと頭を下げるしかありません。そして暫く消えない余韻に浸れる貴重な体験をさせて貰いました。ありがとうという、作者への感謝の気持ちでいっぱいです。 |
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| No.1779 | 8点 | レーン最後の事件- エラリイ・クイーン | 2024/05/27 22:35 |
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| サム元警視を訪れ大金で封筒の保管を依頼した男は、なんとひげを七色に染め上げていた。折しも博物館ではシェイクスピア稀覯本のすり替え事件が発生する。ペイシェンスとレーンが導く衝撃の結末とは?
Amazon内容紹介より。 蟷螂の斧さん、長らくお待たせして申し訳ありません。お薦めいただいていた本作を漸く読み終えました。 物語の導入部はポーを思わせる様な雰囲気を持っています。其処から目まぐるしく話が動き、怪しげな人物が次々と登場、殺人事件こそなかなか起こりませんが、中身がギュッと凝縮されており大変満足しました。ありがとうございました。 前作でも活躍した私立探偵で元警視サムの娘、ペイシェンスが今回も鋭いところを見せています。レーンの相棒として十二分な働きではないでしょうか。その恋人のような存在ゴードンもなかなかの切れ者で時々驚きの推理を見せたりします。まさに最後の事件に相応しい幕切れに悲哀さえ漂います。誰が犯人なのか・・・想定外でした。 出来れば『X』から順番に読み進むべき作品だと思います。一気にね。そうすれば更に感動出来たでしょう。単体だけでも十分楽しめますが、訳者あとがきにある様にシリーズ順に未読の方は読んで欲しいなと思います。 |
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| No.1778 | 6点 | Zの悲劇- エラリイ・クイーン | 2024/05/22 22:43 |
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| 黒い噂のある上院議員が刺殺され刑務所を出所したばかりの男に死刑判決が下されるが、彼は無実を訴える。サム元警視の娘で鋭い推理の冴えを見せるペイシェンスとレーンは、真犯人をあげることができるのか?
Amazon内容紹介より。 『Xの悲劇』を再読したのは8年前。そんなに前だったのかと正直驚きました。時の流れの速さを嫌でも実感させられました。一方『Yの悲劇』は大昔で何となく覚えているくらいですが、犯人像は強く印象に残っています。その二作に比べるとやはり数段落ちる感は否めません。シリーズなので仕方ないですが、どこが悲劇なのかよく分かりません。(一晩考えたら、やはり悲劇である事を自分の中で確認しました。早とちり失礼)。 新たなキャラである若い女性のペイシェンスを記述者兼助手役として迎え、前二作と作風を変えてのレーンの活躍を描いているのですが、『Y』から十年後と云う設定なので、色んな意味での衰えを隠せません。その辺り、悲哀すら漂います。 まあ地味というか堅実というか、派手さはありませんが飽くまで論理優先で進みます。これといったトリック等は見当たりません。消去法で犯人を絞り込んでいくレーンの推理は見事で、大勢の前で披露する段に当たって思わず襟を正してしまう自分がいました。名探偵としてそれだけの魅力を備えている証左です。老境を迎えたレーンの人間性が自然と滲み出ていて、描き方が上手いなと感じました。何と言ってもクイーンですから、その辺りは今さら私が指摘するまでもないでしょうけどね。 |
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| No.1777 | 8点 | 切断島の殺戮理論- 森晶麿 | 2024/05/19 22:28 |
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| 帝旺大学人文学部文化人類学科の最強頭脳集団・桐村研が現地調査に赴いたのは、国家に隠匿された地図にない島ーー鳥喰島。
江戸時代に囚人の流刑地とされたその孤島には、身体を切断する成人儀礼を始めとする奇習を存続させた〈鷲族〉と〈鴉族〉が存在していた。 “欠落を美と見做す”彼らの閉鎖世界で発生する連続殺人……これは無計画の連鎖か、計画された虐殺か? 惨劇を追認する推理の果て、異形の真実が剥き出しにされるーー! Amazon内容紹介より。 どこまでも続くグロテスクな道、どこまでも続くロジカルな道、並行して交わることの無い両者を結び付けるのは名探偵の仕事ですが、本作には探偵役が見当たりません。勿論いずれは登場する訳ですが・・・。 これは思った以上の素晴らしい出来で、本年度の各ランキングに食い込むのではと個人的に期待しています。特に本格ミステリベスト10には上位に入りそうな気がします。 誰も読んでいないし世間にも知られていない様ですので、こちらで啓蒙していきたいです。読みなさいよ、後悔させないから。読め読め詐欺ではなくてですね、図書館で借りてでも良いので、読んで下さい。 ぶっ飛んだ話が好きな私でも、それはやり過ぎじゃないかと思う程、完全にイッちゃってます。それじゃ折角のトリックが・・・。まあ多くは語らない方がいいですね。グロ好きも論理好きも納得の傑作です。まるで進化を遂げた新本格の様な。 |
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| No.1776 | 6点 | BG、あるいは死せるカイニス- 石持浅海 | 2024/05/16 22:06 |
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| 星降る夜、天文部の合宿のために学校に向かった姉が殺害された。○○候補の筆頭だった優等生の姉が、どうして? ・・・を舞台にした本格ミステリ。
Amazon内容紹介より。 読み始めて暫くすると、ん?となり、更に読み進めるとんん?となり、更にはええーっ?となります。決して私だけではないと思います。でもこういったいかがわしい話が大好きです。その特殊設定を生かし切った本格ミステリであり、凄い異色の怪作ですね。男女平等に反する現代の日本に一石を投じたとも言えますが、逆に女性を貶めるとの意見が大いに挙がるのは予想出来ます。実際私はそう感じました。当時そうした世論が高まったのかどうか知りませんし、そもそもこの作品が其処まで話題にならなかった可能性の方が高いですかね。 やや惜しまれるのは登場人物の描き分けが、特に女生徒に関して出来ていない印象が強い事です。ミステリとしてはフーダニット、ホワイダニットが色濃く出ていますが、謎解き物と考えるとかなり弱いと思います。兎に角特異な設定に度肝を抜かれるので、そっちに気持ちが持って行かれて気にならないとも言えますが。 余程の物好きしか読まないと思いますが、取り敢えず何も考えず空っぽの状態で読む方が吉でしょう。 |
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| No.1775 | 7点 | 冬期限定ボンボンショコラ事件- 米澤穂信 | 2024/05/13 22:19 |
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| 小市民を志す小鳩君はある日轢き逃げに遭い、病院に搬送された。目を覚ました彼は、朦朧としながら自分が右足の骨を折っていることを聞かされる。翌日、手術後に警察の聴取を受け、昏々と眠る小鳩君の枕元には、同じく小市民を志す小佐内さんからの「犯人をゆるさない」というメッセージが残されていた。小佐内さんは、どうやら犯人捜しをしているらしい……。冬の巻ついに刊行。
Amazon内容紹介より。 『いちごタルト事件』だけしか読んでいないのに、間を飛ばして良いものかどうか判断が付きかねましたが、解説を読む限り大丈夫の様なので一応安堵しました。小市民を目指すとはどういう事なのかを理解できないとダメって訳なのでしょうか。 取り敢えず読み始めると冒頭からかなりショッキングな出だしで、ほう、成程流石に読者を惹き付ける手腕は相変わらずだなと感心しました。そしてどうでも良い事として、いきなり○○新聞という実在の新聞社の名が載っていて、それは作者の出身地方ではないかと。そして書かれている市の人口は作者の出身地の県庁所在地と一致するので、舞台は××市に違いないと小市民的な考えをぼんやりと思い浮かべていました。これは終盤に更に念押しされます。 さて、内容は本格ミステリと私としては捉えたいと思います。少なくとも日常の謎ではありませんね。過去の轢き逃げ事件と小鳩くんが被害者となった轢き逃げ事件との関係はあるのかないのか、あるとすればどんな因果関係があるのかを問うのが主題であると考えて間違いないでしょう。過去と現在を行き来しながら小鳩くんと小佐内さんの似た者同士の付かず離れずの微妙な距離感を描き、その中で二つの事件の関係者に的を絞って最後にアッと驚かせるストーリーには過不足なく、俊英の手練を感じさせます。作品として小粒な感は否めませんが、良作以上で問題ないと思います。 |
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| No.1774 | 7点 | 千葉千波の事件日記 パズル自由自在- 高田崇史 | 2024/05/09 22:17 |
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| これは、論理パズルでデコレーション(装飾)した本格ミステリか、それとも本格ミステリの仮面を剥ぎ取った論理パズルか?天才高校生・千波くん、平凡浪人生・ぴいくんたちと一緒に、筋道だったチャーミングでエレガントでスプレンディッドな謎解きを、ご堪能あれ!病み付きになること間違いなし。本当だよ。
Amazon内容紹介より。 誘拐や空き巣等の事件性のある題材も取り上げていますが、ジャンルとしてはやはり日常の謎でしょう。軽妙な文体で綴られ、パズルやクイズを挟んだ一連のシリーズならではの愉しみも勿論健在です。そして最後にその解答が、纏めれているのですが、問題が何ページなのかが明示されていないのが不親切です。それでも、ちょっとした豆知識が増えるのは嬉しい事ですね。又、『オイラーの魔法陣』等、驚くべき数字の不可思議現象の様な、知的な素材も幅広く披露されているのも特徴の一つと言えましょう。 いずれの短編も遜色ない出来で、軽さと読み心地の良さ、各キャラの存在感も読みどころとなっています。無論物語そのものも充実していて、意外にも多くの伏線を回収している辺りは本格物を思わせます。私の一押しは『似ているポニーテイル』で、かなり良く出来た所謂いい話です。それぞれの登場人物の心の揺れ動く様も克明に描写されており、その点でも評価が高いです。本作はシリーズ一出色の出来なのではないかと思います。 |
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| No.1773 | 6点 | 人面瘡 - 横溝正史 | 2024/05/06 22:20 |
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| 「わたしは、妹を二度殺しました」。金田一耕助が夜半遭遇した夢遊病の女性が、奇怪な遺書を残して自殺を企てた。妹の呪いによって、彼女の腋の下には人面瘡が現れたというのだが……表題他、四編収録。
Amazon内容紹介より。 一、二作目はらしい作品で、横溝の得意分野で筆がノッている感じがしました。三作目は集中力の欠如で何だか分からないうちに終わっていました。四作目が最も異色で、こういった視点でも書けるんだという新しい驚きでとても新鮮でした。そして最後の表題作が物語としては一番秀逸だと思います。トリックとかはまあどうでも良くて、いかにも横溝が描きそうな作品であり、特にエンディングが素晴らしいと思いました。うん、この時代からアッと言わせるような医学的見地からのアプローチを持って来るとは、さすがです。 全般的に陰惨な雰囲気はキープしたまま、どこか剽軽な金田一耕助というキャラを生かして上手く中和し、バランスを取る手法は名作長編を彷彿とさせます。しかし、作者レベルとしては佳作の域を出ていないと感じました。 |
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| No.1772 | 6点 | ルーフォック・オルメスの冒険- カミ | 2024/05/04 22:34 |
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| オルメスはホームズのフランス語読み。ルーフォックは「頭のおかしい」とか「いかれた」の意味。ホームズのパロディと言うには、ぶっ飛びすぎの、とんでもユーモア・ミステリ・コント集。34編の掌編を集めたもの。たとえば、寝ている間に自分の骸骨を盗まれてしまった男の話、とか、巨大なインク壺のなかに閉じ込められた男たちの話とか……「アホカ! 」というような掌編ばかり。ミステリ・マニアとしては、読んでおくべき奇書の一冊。
Amazon内容紹介より。 実に馬鹿馬鹿しいが実に面白い。バカミスの見本の様な・・・だからあまり突っ込まないで広い心で読んで頂きたい一冊です。奇想の連打で、よくそんな発想が出来るものだと感心します。個人的には第一部の方が好みです、第二部は何となく怪盗を捕まえては脱獄されての繰り返しで、ちょっぴり飽きが来ます。まあどれも奇想天外、荒唐無稽な話ばかりなのでそんな細かい事は気にせず、何も考えずに楽しめば良いのですが。 バカミス好きにはお薦め出来ると思います。あり得ない事件でも、それなりに理論的に解決してしまうので、一概に下らないと断定してしまう訳にも行きません。訳も洒落が効いていて上手ですね。クセは強いですが、インパクトに欠ける作品も見られるので、すぐに忘れてしまいそうな気がして残念です。 |
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| No.1771 | 6点 | 雨の日の二筒(リャンピン)- 五味康祐 | 2024/05/02 22:30 |
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| 賭麻雀で生活する片腕の男、摸牌する指の動きで牌種を当てる謎の美女、柔和な牌さばきに潜む中国人の巧妙なインチキ等々…麻雀狂を魅了する人間群像を描いた傑作麻雀小説短編集!
『BOOK』データベースより。 私が読んだのは登録できない、1976年グリーンアロー出版社版で、単行本サイズよりやや小さめの、何でしょうか私はその版型の名を知りません。いずれにせよ、大昔の本でその頃から五味康佑は麻雀を打ち、麻雀小説を書いていたのだと思うと何とも言えない感慨があります。この人の場合は時代小説のイメージが強いと思いますが、私にとっては雀豪の一人なんですね。 さてその小説はというと、なかなかの出来であり、闘牌シーンこそ少ないですが、その代わり人間を描く事に関しては流石なものがあると思います。 最初の『傷んだ骰子』は自身の麻雀に対する理念を核とした、私小説の様なもので、まずは自己紹介代わりの一作と言えるでしょう。そして白眉はやはり表題作で、名作と呼んでも差し支えないと思われます。麻雀のルールは一つひとつ取り上げて総合すれば無限とも言えるので、初めての場に着いた時は必ず確認する必要があります。それにしても、本作のルールは初めて知るもので、ネタバレに繋がるので詳細は避けますが、そんな変わったルールは聞いたことがありません。だから場が荒れる事必至で自然と戦況は白熱するはず。この作品ではその様は敢えて描かれていませんので、やや拍子抜けな感もあります。が、小説或いはエンターテインメントとして優れており、戦いが終わった後には清冽な後味が残ります。これは印象深くて良かったですね。 |
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| No.1770 | 7点 | お梅は呪いたい- 藤崎翔 | 2024/04/30 22:29 |
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| 古民家の解体中に発見された謎の日本人形。それはかつて戦国大名を滅亡させた呪いの人形お梅だった! 興味本位の底辺ユーチューバーに引き取られたお梅は、早速彼を呪い殺そうとするが、500年のブランクは長すぎた!? 呪いが効かないどころか、お梅の心霊動画がバズってしまい……果たしてお梅は無事に現代人を呪い殺せるのか。笑いと涙のオカルトハートフルコメディ!
Amazon内容紹介より。 何と言ってもお梅(人形だけど)のキャラが良い。特に現代文明に付いて行けなくて勘違いする辺りも可愛げがあって面白いです。 戦国時代に呪い殺された者多数で封印されたのが解け、現代に蘇ったお梅を拾った人間達を呪い殺そうとするが、逆に幸せにしてしまう連作短編集。様々なタイプの物語を読めるし、人間の意外な裏側を覗けたり、思わずクスッとしてしまう叙述も沢山あり、色んな意味で楽しめます。どの短編も高水準をクリアしており、巧みに伏線を回収し、それぞれの短編で登場したチョイ役が他の短編でキーパーソンとなり、なるほどそう来たかと唸らされます。 中には事件性が高いものもあって、ミステリ好きも納得の出来だと思います。まあこの作者にしてみれば、この程度の仕掛けは朝飯前でしょう。 一時期入手困難で、Amazonでも送料400円以上で販売されていましたが、定価792円の本をそんなに高い送料で買わされるのは堪ったものじゃないので、裏技で本体価格のみで手に入れ読みましたが、その甲斐はあったかなって感じです。 |
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| No.1769 | 5点 | 殺した夫が帰ってきました- 桜井美奈 | 2024/04/27 22:23 |
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| 都内のアパレルメーカーに勤務する鈴倉茉菜。茉菜は取引先に勤める穂高にしつこく言い寄られ悩んでいた。ある日、茉菜が帰宅しようとすると家の前で穂高に待ち伏せをされていた。茉菜の静止する声も聞かず、家の中に入ってこようとする穂高。その時、二人の前にある男が現れる。男は茉菜の夫を名乗り、穂高を追い返す。男はたしかに茉菜の夫・和希だった。しかし、茉菜が安堵することはなかった。なぜなら、和希はかつて茉菜が崖から突き落とし、間違いなく殺したはずで…。秘められた過去の愛と罪を追う、心をしめつける著者新境地のサスペンスミステリー!
『BOOK』データベースより。 これ面白いんですかねえ。どうにも小粒な感が拭えません。もっと大技で勝負して来るのかと思っていたのに、小技の積み重ねで期待外れでした。合わせ技で一本とはなりませんよね。だってこのタイトルですよ、どうしたって惹かれるものがあるじゃないですか。何故殺したはずの夫が帰ってきたのか、不思議な現象の裏に何があるのか、思わず詮索せずにいられないでしょ。 物語としてもぬるま湯に浸かった印象で、インパクトや意外性に欠けます。確かに整合性という意味では問題ないと思いますが、サスペンスと言うには緊迫感に欠けるとしか考えられません。まあ私の評価は全般的に厳しい方なので、あまり参考にしない方が良いかも知れませんけど。 |
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| No.1768 | 7点 | 家畜人ヤプー- 沼正三 | 2024/04/25 22:14 |
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| 日本人が「ヤプー」と呼ばれ、白人の家畜にされている二千年後の未来に彷徨いこんだ麟一郎と恋人クララが見たのは__。三島由紀夫、澁澤龍彦らが絶賛した「戦後最大の奇書」最終決定版。
Amazon内容紹介より。 やっと読めました。いやー、長かった。1ページ20行で単行本上中下三冊。全部合わせて1250ページ余り。流石に手こずりましたよ。 『ヤプー』と言えばエログロの代名詞の様に思われていますが、これは官能小説や大衆小説ではなく、解説の荒俣宏によると哲学書だそうです。私には学術書に近い感覚でした。確かにエロもグロも盛り沢山ですが、決して不快な気分にはなりません。耐性がないとちょっとキツイかも知れませんが、平山夢明や白井智之が大丈夫な人なら問題ないでしょう。 ただ、本作はストーリー性が殆どなく小説を読んだ気がしません。ヤプーに関するエピソードや解説がほとんどのページを占め、興味深いものから面白味のないものまで様々。 上巻、中巻はそれなりだとしても下巻はちょっとダレます。印象に残るのは肉便器(セッチン)、子宮畜(ヤプム)、口人形(カニリンガ)矮人(ピグミー)等で、ここぞという時には執拗かつ入念に詳細が描写されます。特にセッチンの話は繰り返し語られるので、余程排泄物に対して何か期するところが作者にはあったと推測されます。しかし逆に言えば本書は排泄物のないユートピアを描いており、汚物を対象にしながら清潔な白人(イギリス人)の世界を構築しているところが凄いです。 第三次世界大戦後の世界(宇宙)は、イギリス人のみが人間として認められ、黒人は奴隷、日本人は家畜(道具)として扱われ邪蛮(ジャパン)の黄色人種は悉くヤプーと呼ばれ、身体を巨大化されたり極小化しされたり、四肢を切断されたりあらゆる改造をされて、白人の為に奉仕させられます。それを受け入れるヤプーも如何なものかと思います・・・そして人間性を完全に剥奪された形で歪なワールドが展開します。白人にとってのユートピアは日本人にとっては、白神信仰(アルビ二ズム)による支配に他なりません。しかし、それに満足しているのも事実なのです。これら二千年後の世界を目の当たりにした麟一郎の運命やいかに、というのが一応物語の根幹ですかね。 因みに私が所持している上巻の古書を開くと、何故か耽美小説の著述家天野某氏の死亡を伝える新聞記事の切り取りが挟まっており、生前本書の著者だと名乗り出ていたらしいのだが・・・。 |
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| No.1767 | 7点 | アリアドネの声- 井上真偽 | 2024/04/15 22:18 |
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| 救えるはずの事故で兄を亡くした青年・ハルオは、贖罪の気持ちから救助災害ドローンを製作するベンチャー企業に就職する。業務の一環で訪れた、障がい者支援都市「WANOKUNI」で、巨大地震に遭遇。ほとんどの人間が避難する中、一人の女性が地下の危険地帯に取り残されてしまう。それは「見えない、聞こえない、話せない」という三つの障がいを抱え、街のアイドル(象徴)して活動する中川博美だった――。
『BOOK』データベースより。 読んでいる最中、何故この作品がこれ程世評が高いのかと色々考えていました。何の変哲も捻りもないとは言い過ぎかも知れませんが、B級映画を観ている様な感覚を覚えます。文章はデビューした頃に比べて格段に上手くなっているとは思います。しかし、あまりサスペンスフルに感じられず、イマイチ緊迫感も深みもないし、どこが面白いんだろうなと。 しかし、読中と読後の評価がこれ程激変するとは思いも寄りませんでした。確かに感動しましたし、鳥肌が止まらない。これは読んだ人にしか分かりません、当然ですが。流石に『このミス』5位は伊達ではなかったって事ですね。ただ、もう少し全体的に盛り上がるシーンがあっても良かったんじゃないかなとは思います。そうすれば更に高得点が得られたでしょう。 サクッと読めますし、あの場面はそういう意味だったのかと色々腑に落ちる点があるのは間違いないですよ。後味も良いし、何だか希望と勇気が湧いてくる気がするのは私だけかも知れませんが、それもあながち褒め過ぎではないと思いますね。 |
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