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空さん
平均点: 6.12点 書評数: 1505件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.325 6点 13の秘密- ジョルジュ・シムノン 2010/08/29 22:49
同じ頃書かれた、それぞれ13のショート・ショートを収めた3冊「秘密」「謎」「罪人」のうちの1つです。本作は基本的にパズラー的要素が強い安楽椅子探偵のタイプになっています。
今回読み返してみて、一人称の語り手については名前も職業も出てこないことに気づきました。シムノン自身と考えてもいいのでしょうが、名無しのオプならぬ名無しのワトソン役です。
1編が10ページもないぐらいで、解決もものたらないのが多いのですが、最も気に入ったのはかなりな大技の『三枚のレンブラント』。また最後の『金の煙草入れ』は例外作で、シムノンらしい心理的な味わいがあります。
創元推理文庫に一緒に収められているメグレものの長編『第1号水門』は、最初に起こるのが傷害事件で、全体的には非常に地味な話です。この負傷した河川運輸業者デュクローが完全に事件の中心人物で、彼の人物造形が印象に残る作品です。メグレではなくデュクローの視点から書かれてもよかったように思えるほどです。
なお、メグレのファースト・ネームがジュールであることはいくつかの作品に書かれていますが、本作ではなぜだかジョゼフとされています。

No.324 8点 亜愛一郎の転倒- 泡坂妻夫 2010/08/27 20:59
亜愛一郎シリーズ第2弾中、最も印象に残ったのはやはり『病人に刃物』ですね。まさに逆転の発想には驚かされました。
長編『喜劇悲奇劇』につながる趣向も楽しめる童謡殺人を扱った『意外な遺骸』は、童謡利用理由のとんでもなさがこの作者らしいところ。
『藁の猫』の芸術家気質に対する亜の推測の最後部分はちょっと飛躍しすぎていて、そこまで言えるのかなという気もします。『~狼狽』の『DL2号機事件』にも似た思い込みエスカレートぶり。
クイーンの『神の灯』を意識したに違いない『嵯峨家の消失』については、みなさんの評判はいいですが、個人的には消失方法自体はなんだかねえという強引さだと思いました。

No.323 5点 夢遊病者の姪- E・S・ガードナー 2010/08/25 21:41
夢遊病中の人による殺人は、法的にどうなるのか?
冒頭のつかみはそういうことですが、その夢遊病者はさまざまなトラブルに巻き込まれていて、メイスンがそれらすべての問題にどう決着をつけていくかというのが見所です。最初から悪役はやはり完全に悪役(真犯人と言う意味ではありません)であるのは、時代劇の悪代官と同じいかにものワン・パターン。
最も意外なのは、やはりしまい込まれていたナイフがどのようにして凶器として使用されるに至ったかという点ですね。犯人が疑いを受けないようにと画策したトリックも、現実には危険な感じがしますが、読者をだますという意味では悪くありません。
ただし、メイスンが途中で凶器と同じナイフをたくさん購入するのですが、これが結局利用されないままなのは、作者が何か勘違いしたのでしょうか…

No.322 5点 ハロウィーン・パーティ- アガサ・クリスティー 2010/08/22 19:54
現在の少女殺人事件から過去に起こった殺人を追跡調査していくというパターンです。まあ過去の殺人と言っても、まだ3年も経っていない程度ですので、『五匹の子豚』や『スリーピング・マーダー』みたいなことはありません。いくつかの未解決事件のうちどれが現在の殺人の元になっているのかというところが興味の中心。一方現在の事件も、1件だけにとどまりません。
半分も読まないうち、犯人の見当だけはポアロが最後に解説する手がかりからついてしまったのですが、事件の全貌はなかなか見えてきません。最初に殺される少女が殺人事件を見たことがあるといった言葉の本当の意味は意外でしたし、その過去の殺人も後から全体構成を振り返ってみるとひねってあることがわかります。
しかし、結末は何か今ひとつすっきりしないのです。ポアロの推理根拠に薄弱なところがあるからでしょうか。

No.321 8点 霧の旗- 松本清張 2010/08/20 21:33
中公文庫版カバーの作品紹介では「現代の裁判制度の矛盾と限界を鋭く衝き」となっていますし、作品中でも雑誌社での会話でそのことに触れられています。しかし、実際には社会制度批判になっているとは言いがたい作品です。東京に住む多忙な大塚弁護士が北九州の事件を断ったのは普通のことですし(新幹線もない時代です)、それを裁判には金がかかるという制度の問題点に結びつけることはできません。
それよりもやはり、本作の焦点は桐子の異常な逆恨みでしょう。大塚弁護士から断られた瞬間に、彼女は目的であるはずの兄を救う気持ちをきっぱり捨てたとしか思えません。映画では倍賞千恵子や山口百恵が演じたこのヒロインの復讐は、『ケープ・フィアー』(スコセッシ監督の映画版を見ただけですが)における弁護士家族を追い詰めるデ・ニーロの不気味さより不条理です。
ずいぶん昔、最初読んだ時にはミステリ的でないと思った結末は、清張作品の中でも特に後味の悪いものです。

No.320 7点 倫敦から来た男- ジョルジュ・シムノン 2010/08/16 20:40
50年以上前に雑誌掲載されて以来絶版のままだったのが、昨年たしか3度目の映画化にあわせて、やっと新訳が出たシムノンの「本格小説」初期を代表する作品です。
港で起こった殺人事件を目撃した男、というとメグレもの『港の酒場で』との共通点も感じますが、本作はその目撃者の立場から描かれます。この目撃者マロワンが夜勤の港湾線路切替手であるという設定が、うまくできています。殺人と言っても、殺意があったかどうか明確ではありませんが。争いの動機となった鞄からマロワンが見つけたものは大金…それをどうするか決断のつかないままに、大金を持っているという意識だけ奇妙にふくらんでくるあたり、シムノンらしいタッチです。
警察が見張りを続ける港町で、目撃者と殺人者どちらもお互い疑心暗鬼、その状況が破局に向かっていくさまが描かれます。
20年ぶりぐらいに再読してみて、最後の事件が起こった後のエピローグとも言える最終章がこんなに長かったっけ、という感じでした。

No.319 6点 ダブル・ダブル- エラリイ・クイーン 2010/08/11 21:32
このライツヴィル・シリーズ第4作は、前3冊のような重厚なテーマ性が感じられません。以前のような力作を期待しているとちょっと拍子抜けしてしまいますが、エラリーに事件調査を依頼するリーマの妖精的な人物像が前半を彩っていて、なかなか楽しい作品になっています。
クイーンの童謡殺人としては『靴に棲む老婆』に次ぐ2作目であることが解説にも書かれていますが、今回は童謡殺人であることがわかるのは半分を過ぎてからです。その点『僧正殺人事件』等とは違っていますが、童謡が使われる理由がわかれば犯人も判明するのが、クイーンらしいところです。しかし、犯人の目星をつけ難くしているのが動機の問題での偶然だけだというのは冴えません。それでも、この雰囲気は何となく好きなので、ちょっとおまけしてこの点数。
ハメットの亜流(スピレイン系のようです)に対して、リアリズムに関する皮肉たっぷりな批判が飛び出してくるのには笑わせられました。

No.318 8点 高い窓- レイモンド・チャンドラー 2010/08/08 23:28
ストーリーを覚えられないチャンドラーの中でも、本作は特に記憶から見事に消え去っていました。本当に初めて読むのと同じ。普通だと凡作だからということになるのでしょうが、これが実におもしろいのが、チャンドラーの不思議なところです。
稀少価値のある金貨の盗難についてのからくりは、意外にていねいに考えられています。マーロウの捜査も行き当たりばったりではありません。安易なところというと、第2の殺人直後、都合のいい偶然が1箇所あるくらいのものです。なお、第3の殺人での立ち聞きの偶然性などは安易だとは思いません。はぶいてしまっても構成上問題は起こりませんから。印象的な場面をつなぎ合わせるスタイルの作者にしては、謎解きミステリとしての構成もよくできた作品だと思います。
しかし、本作最大のサプライズは、Tetchyさんも指摘されているマールの人物造形でした。後半彼女の存在感がどんどんふくらんできます。

No.317 6点 鏡の奥の他人- 愛川晶 2010/08/05 21:01
様々な要素を詰め込み複雑に仕上げられた作品でした。
基本的な謎の構成は、カットバックで挿入されていくnightmareの短い章が、事件を追っていくsearchの章とどうつながってくるかというところで、それは鮮やかに決まっていると思います。タイトルの意味がわかる部分では、なるほどそれでこのご都合主義的な使い古されたパターンにしていたのか、と感心しました。
ただし、最後の意外性はいくらなんでも無理やりでしょう。個人的にはその設定ははぶいてしまって、もっと普通に調査を進めていくストーリー展開にした方がすっきりしていたのではないか、と思います。
その他にも調査開始きっかけの偶然、不自然な証言や偶然の類似によるミスリード、実際の調査過程の不明瞭性など不満な点はありますが、読んでいる間は楽しめました。

No.316 6点 予告殺人- アガサ・クリスティー 2010/08/01 20:58
4~5点ならともかくminiさんの非常に低い評価に驚いてAmazonをチェックしてみたら、意外に評価が真っ二つに分かれている作品なんですね。個人的には乱歩ほどではないにしても、むしろ擁護派。
「殺人お知らせ申し上げます」という広告が地方新聞に載るという始まりがなかなか楽しいですし、なぜそんな殺人計画にしたのか、また殺人動機は何かという中心問題に対する答もすっきりできています。
ただし第2の殺人発生時点までで、ミステリをちょっと読みなれた人なら動機は不明でも、この展開なら犯人はこの人物だと完全に確信できてしまうところが弱点と言えるでしょう(「小説構造上」から推測可能という意味では読者はミス・マープルよりはるかに有利です)。また、2重のレッド・へリングもこの構成ではほとんど不発です。
最初の殺人だけの中編にまとめていれば、本当に代表的傑作にもなり得たという気がするのですが。

No.315 6点 メグレの初捜査- ジョルジュ・シムノン 2010/07/30 21:15
シリーズ開始から20年近く経ってやっと語られる、メグレが警察に入ってまだ4年目という若い頃の話です。
メグレについての批評で言われる「運命の修繕人」という言葉は、本作の中で出てきます。警察に入る前、医者の勉強をしていたメグレが目指していたのは、結局「運命の修繕人」だったのだという説明がされているのです。また、ジュール・アメデ・フランソワ・メグレという彼のフル・ネームが明かされるのも本作です。というより、本作を書いてる途中で2つのミドル・ネームも入れることにしたんだろ、と思えます。
1910年代の事件。警視になってからのメグレものに登場する新米刑事たちの視点から書かれたような感じもする本作。上司に辞表を叩きつけてやろうと思いつめる若いメグレに同情を感じたりもして、いつもとは違う雰囲気が楽しめました。

No.314 6点 死の流域- 水上勉 2010/07/28 21:40
気になる作家の一人として昨年から少しずつ再読している水上勉の中でも、内容を全くと言っていいほど覚えていなかったものですが、意外に楽しめました。
いや、楽しいと言うのは違うかもしれません。北九州の廃鉱寸前の炭鉱町を舞台に、60人近い死者(行方不明者)を出した炭鉱事故と殺人を結びつけたストーリーですが、やはり社会派の巨匠らしく炭鉱問題の煤けたような暗い印象が強烈です。殺人の方はカナリア殺人事件。もちろんヴァン・ダインとは何の関係もなく、身元不明の被害者がカナリアの入った鳥かごを持っていたという事件です。
事故と殺人の結びつきは、有名な『海の牙』の公害と殺人よりもうまく行っていると思います。ただ、手がかりを提供した小鳥屋の扱いは、意味もないミスディレクションになっているだけで不満でしたが。

No.313 7点 ビッグ・ボウの殺人- イズレイル・ザングウィル 2010/07/24 13:38
密室トリックの一つのパターンを確立したことであまりにも有名な作品。同じ手は後にチェスタトンも使っていますし、高木彬光の長編にも応用例があります。1930年頃でさえすでによく知られていたトリックですので、原理だけを見れば、がっかりする人も当然いるでしょう。
しかし、ただ原型というだけでなく、融通のきく殺人計画はよく考えられていると思います(不自然で危ういトリックの方が読者に悟られにくいから優れているという説には賛成できません)。また、密室トリックを自然に行える犯人の人物設定が、犯人の意外性にもなっていますし、1891年という早い時期なのに叙述トリック的な文章があるなど、さすがに古典として賞賛される作品です。解決の仕方は推理展開を重んじる人には不満でしょうが、皮肉な結末もあることですし、特に年代を考えればこれでいいと思います。

No.312 6点 予期せぬ夜- エリザベス・デイリー 2010/07/21 21:59
1940年に書かれたエリザベス・デイリーの第1作。しかし生年が1878年ですから、何と60歳を越える新人作家というわけです。
霧の中車を走らせている冒頭からバークリー家での語らい、ホテルの雰囲気など舞台はいかにもイギリスだなあ…と錯覚しそうなぐらい、イギリス・ミステリ風の味わいがあります。
遺産相続青年が「病死」した事件を調べていくうちに殺人事件が起こっていくプロットは、なかなかおもしろくできています。その解決については、根本的なアイディアにはなるほどそうだったかと思わせられたのですが、枝葉の部分で推理の詰めが甘い感じがしました。ゴルフボールの事件、その後の毒殺未遂も、すっきり納得とはいかなかったのです。
名探偵役のヘンリー・ガーマジは、解説にも書かれているように上品ではありますが、もうひとつ個性的なところが欲しい気もします。

No.311 8点 追いつめる- 生島治郎 2010/07/18 19:40
最初の1ページから、まだ何も事件は起こっていないにもかかわらず、もうハードボイルド、それも正統派以外の何物でもないという感じが伝わってくる文章です。当然のように主役志田の一人称形式ですが、ハメットともチャンドラーとも微妙に違う雰囲気があり、そこが個性というものでしょう。
全国港湾協会を牛耳る広域暴力団の捜査を始めた刑事が個人プレーの行きすぎで結局退職を余儀なくされ、それでも県警本部長の了解の下、しつこくに迫っていく話は、彼の執念と哀しみが伝わってきます。
最後の「意外性」はいかにもハードボイルドらしいのですが、途中であからさまな手がかりもあり、読者は志田より先に単なる直感ではなく気づいてしまうでしょうね。船に潜入した志田が見つかってどうなるかの経緯は、暴力団にしては処置が甘すぎる点がちょっと気になりました。

No.310 6点 カルディノーの息子- ジョルジュ・シムノン 2010/07/16 21:11
ハヤカワ・ミステリのシリーズから出ている作品。最初に起こる事件は、主人公の妻の家出、それも明らかに昔の男と一緒にというものです。日曜日のミサから帰ってきてみると、消えていた妻。さてカルディノーの息子(ジュニアと訳した方がよさそうです)と呼ばれる主人公はどうするのか。
要するに失踪人探しの話ということになるわけで、その意味ではそれなりにミステリ的です。さらに最後には殺人まで起こります。
全体的には、後の『リコ兄弟』と共通する筋立てですが、それほどずっしりした深みは感じられません。それでも、「妻を寝取られた男」がその事件をきっかけにして自分や周囲の人々を再認識していくところはやはり読ませてくれます。解説で都筑道夫がシムノンを「主観的な作品」と評しているのもなるほどと思えます。

No.309 4点 誘拐殺人事件- S・S・ヴァン・ダイン 2010/07/12 20:57
一般的な評価では、ヴァン・ダインの中でも『グレイシー・アレン殺人事件』と最低作の座を争う作品です。しかし、久々に読み返してみると、前半は意外に楽しめました。
怪しげなところがずいぶんある誘拐事件に始まり、中盤の身代金の受け渡しから第2の誘拐事件と、緊迫感は感じられませんが、気楽に読んでいける話になっています。ヴァンスの薀蓄披露もほとんどありません。ヴァン・ダインは重厚じゃないと駄目という人には、当然不満でしょうが。
プロの犯罪者が登場して、後半の機関銃掃射、最後の銃撃戦など、ハードボイルドからの影響で新機軸を狙ったのでしょうが、真相の意外性ではハメットより平凡です。
決して誉められた出来ではありませんが、駄作というほどでもないと思いますので、この点数。

No.308 7点 おしどり探偵- アガサ・クリスティー 2010/07/10 21:38
トミーとタペンスのベレズフォード夫妻が活躍する軽いタッチの連作短編集。1タイトル1ストーリーと決まっていなくて、全体の連続性が強いという構成や、スパイ冒険ものの要素がかなりあるところは、本作の2年前に発表されたポアロもの『ビッグ4』との共通点も感じられます。しかし、こういうタイプならポアロよりこの夫妻の方が似合っていて、出来ばえもこちらの方が上です。
また、二人がミステリ中の名探偵をまねながら事件を解決していくというパロディ作でもあります。ホームズやブラウン神父、隅の老人、フレンチ警部あたりは有名ですが、現代日本ではほとんど知られていない探偵もかなり出てきます。その点、パロディとしては機能していないところもありますが、ミステリ(あるいはサスペンス)としては楽しめます。最後の『16号だった男』で取り上げられるのは、作者自身のポアロ(それも『ビッグ4』を引き合いに出しながら)。

No.307 7点 砂の城- 鮎川哲也 2010/07/06 21:01
鳥取砂丘での死体発見から被害者の身元特定、動機になった絵の発見、容疑者の絞込と、アリバイ崩しに入るまでも、いかにもクロフツ由来の地道な捜査が描かれます。冒頭の山陰の雰囲気も、知的な興味を邪魔しない程度になかなかよく出ています。
二つの事件のそれぞれ異なるアリバイについては、崩していくプロセスがやはりうまいと思います。
問題の絵の署名は、私が読んだ角川文庫版ではBlamancとなっていて、これは『死者を笞打て』で妙な作家名を連発していた作者らしい遊びかとも思っていたのですが、現在出版されている光文社文庫版では、Vlaminckという実在の画家名に変更されていました。以前のは単なる凡ミスだったのでしょうか?

No.306 7点 ハイヒールの死- クリスチアナ・ブランド 2010/07/04 08:49
クリスチアナ・ブランドの第1作は、後の傑作に比べると、メイン・アイディアの衝撃力はありません。真相が他の解釈より突出して鮮やかだというところがあまり感じられないのです。それでも、考えてみれば当然でありながら意外な盲点になっている動機には感心しましたし、半分を過ぎるあたりからの登場人物誰もが怪しく思えてくるミスディレクションの撒き散らし構成も楽しめました。
結末近くなって事件を一気に紛糾させるスタイルは、第1作から確立されたものだったんだなと納得。
ただ、前半のチャールズワース警部の迷走ぶりは、ちょっとうんざりな気もしました。いくら惚れっぽいといってもねえ。巻半ばになって、副総監からやっと、犯人は被害者がどの皿を取るかを知っていなければならないはずだと指摘されるというのは、間抜けな感じです。

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空さん
ひとこと
ハンドルネームの読みはとりあえず「くう」です。
好きな作家
E・クイーン、G・シムノン
採点傾向
平均点: 6.12点   採点数: 1505件
採点の多い作家(TOP10)
ジョルジュ・シムノン(110)
アガサ・クリスティー(65)
エラリイ・クイーン(53)
松本清張(32)
ジョン・ディクスン・カー(31)
E・S・ガードナー(29)
横溝正史(28)
ロス・マクドナルド(25)
高木彬光(22)
ミッキー・スピレイン(19)