皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
makomakoさん |
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平均点: 6.18点 | 書評数: 862件 |
No.17 | 6点 | 鋏の記憶- 今邑彩 | 2012/10/19 07:48 |
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超能力をミステリーに仕立てると何でもできてしまうので、本格物としては掟破りふうなのだが。
この作品のように物に触るとそのものに関連した昔の記憶が分かる能力がある女の子がいたら、まず事件の起きた部屋へ連れて行ってつぎつぎと物に触ってもらえば、まずどんな難事件も即座に解決してめでたしめでたし--。などと気難しいことは言わないで読めば結構楽しめます。 最初の三時十分の死などはきちんとトリックも仕掛けてありなるほどと思わせます。ただ早苗ちゃんはちょっとかわいそうだなあ。 最後の猫の恩返しはなかなか良い。何となくほっこりした気分になれました。 |
No.16 | 7点 | 赤いべべ着せよ…- 今邑彩 | 2012/09/01 13:11 |
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本格もとしてきちんとまとまっており、犯人もまあ以外だしそう悪いところはないのだが、いまひとつインパクトにかける気がする。トリックというほどのものは出てこないし、何となく小粒な印象です。
もちろん作者独特のホラー趣味はあるが、それほど前に出てこないので、わたしとしては読みやすかった。 本格物が好きなら読んで楽しめると思います。 |
No.15 | 6点 | 時鐘館の殺人- 今邑彩 | 2012/08/26 09:11 |
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作者の本格物の作品はわたしの好むところなのだが、ホラーのほうへ傾いたものは苦手。
本作品は一作目の生ける屍の殺人はホラーに傾いている。 短編集って一作目から読むと思うのだけど、(そうでない方もいるのかな)最初の作品でつまづくとあとはどうも気が進まなくなる。 最後の時鐘館の殺人なんかは結構よかったのだが、たどり着くまでの作品はもう一つのように感じてしまった。 順番が変わったら評価がもう少しあがったかも(そんな評価って当てにならないですね)。 |
No.14 | 7点 | ブラディ・ローズ- 今邑彩 | 2012/07/08 12:12 |
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少々ネタバレ気味です。
この作品を読んでいるとわたしのような年代のものには、やはりレベッカを想像してしまう。理想の女性と誰もが慕っていたレベッカを主人がI hated!といったのを聞いた衝撃は忘れられないのだ。 登場人物が少なくレベッカを想像すればある程度からくりは見えてきたと思って油断していると?ちょっと違う方向の結論が出てきたりして。 わたしのような単純な読者にはやっぱり完全な真相はそう簡単には見抜けないのだ。 途中深層心理描写などがめまぐるしくつづき、やや読みにくいところもあるが、全体としてはきちんとしたお話となっているのはさすがであると感心しました。 |
No.13 | 6点 | 卍の殺人- 今邑彩 | 2012/03/10 14:25 |
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この作品は前から読みたかったのだが、なかなか手に入らず今回ようやく手に入れた。本格物としてかなりいい線をいっているように思うのだが、登場人物がもうひとつ好きになれない。
さらに気になるのは卍屋敷についての違和感です。本格物らしくへんてこりんな建物なのはむしろプラスなのですが、本文ではとても広大な建物で真ん中の大ホールは運動会ができそうなほどと書いてあるのだ。そうすると各個室はやっぱりべらぼうに広くないと挿絵のようにはならないのです。ところが部屋の図や本文の説明によると各個人の個室は普通の個室並みの広さとなっているようです??。どうみてもおかしいよね。 殺人の方法もペーパーナイフでのどをひと切りで即死状態!。抜群のナイフの使い手?そんな人物は一人も出てこないのだが。 こういった違和感を感じながら読んだのでどうしても低めの評価となりました。 |
No.12 | 7点 | 繭の密室- 今邑彩 | 2012/01/03 17:55 |
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今邑彩の本格物としてはちょっとさえないかな。メイントリックはちょっと本格物が好きなものにとってはどこかで読んだぞといったもの。もちろん作者はそれだけではダメなことを承知しているのでずいぶんひねってはある。
犯人は以外だった。女性は恐ろしいねえ。 |
No.11 | 7点 | 鬼- 今邑彩 | 2011/09/17 16:21 |
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10分程度で読める短編を集めたもので、ひとつの物語たいていは中断することなく最後まで読める。推理の要素は少ないがコンパクトにまとめられていて大変読みやすい。ホラーの傾向があるもの多いが、嫌な印象は受けない。なかなかの短編集。 |
No.10 | 6点 | つきまとわれて- 今邑彩 | 2011/07/31 07:46 |
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魅力的な謎とどんでん返しと推理小説のお約束はきちんとふんだ小説であり読んでいる間は面白かったのだが、なぜか印象が後に残らない。インパクトもそれなりにあると思うのだが。 |
No.9 | 6点 | よもつひらさか- 今邑彩 | 2011/07/24 09:46 |
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今邑氏の作品はどれをよんでもきちんとした構成と練った内容が読み取れて面白い。私としては作者の長編物のほうが好みではあるが、短編もどれもひねりが効いている。「ささやく鏡」や「茉莉花」南下は結構好きだが、好みでないお話もあり(穴二つなんかは好きでないな)全体としての印象はまずまずといったところでした。 |
No.8 | 6点 | 少女Aの殺人- 今邑彩 | 2011/07/16 14:39 |
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私は推理小説が好きなくせに、読んでいて犯人あてをしようと思っていないのか馬鹿なのか犯人が途中で分かることが少ないのですが、これは残念ながら途中で犯人が分かってしまった。犯人は結構以外ではあるのですが。当初はこんなみえみえで大丈夫かと思っているとそれ自体はうまくまとまって意外な展開とはなる。ちゃんと本筋ははずさないところもあるが、いかんせん犯人が分かってしまったのでちょっとつまらなかった。 |
No.7 | 8点 | いつもの朝に- 今邑彩 | 2011/07/16 14:32 |
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これは厳密にいうとミステリーではなく、評にも書かれているように兄弟小説ではあるが、なかなか感動的でした。でもミステリーの要素はしっかりと書き込まれており、ストーリーも二転三転、そして意外な結末も用意されている。長編であるが一気に読んでしまった。最後のほうがちょっとくどいのがちょっと減点。 |
No.6 | 7点 | 七人の中にいる- 今邑彩 | 2011/07/16 14:24 |
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かなり面白い。結構長いお話なのに一気に読んでしまった。確かに多少地味かもしれないがミステリーの基本をしっかりと押さえた作風は好きです。作者はサスペンスといっているがちゃんとしたミステリーだと思います。発表当時はあまり注目されなかったようだが、やはり主人公が地味なことと、男からみると登場する女性がもうひとつかわいくない。女性の視点からみるとこうなるのだろうし多分この方が現実として正しいかもしれないのだが。
いずれにせよ最近作者の作品が次々に復刻されて誠に喜ばしいことだと思います。 |
No.5 | 7点 | そして誰もいなくなる- 今邑彩 | 2011/07/02 07:29 |
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名作のオマージュはどこか作者の独りよがりのところが垣間見えてなかなか良いものには出会えないが、この作品はまず一定のラインはクリアーしていると思います。初めはこんな設定で大丈夫かなあと思っていたが、無理なく物語りは進行して最後のほうはお約束のどんでん返しもある。ただ個人的好みからいえば最後の話はなしのほうがすっきりとするのですが。 |
No.4 | 6点 | 「裏窓」殺人事件 tの密室- 今邑彩 | 2011/06/24 07:43 |
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一見無関係な事件がだんだんと捜査するに従いつながってくる過程は興味深く読める。探偵の貴島は陰気で暗く、あまり好きなキャラクターではない。彼の性格上結構衝撃的な話なのに物語の伸展が平坦な感じがする。目撃者の女の子もえらく気が強そうでもうひとつ魅力に欠ける。登場人物がよければこの話はもっともっとよくなりそうなのに。 |
No.3 | 7点 | 「死霊」殺人事件- 今邑彩 | 2011/06/19 09:06 |
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私は結構この作品好きです。初めからかなり解決が大変と思われる謎が提出され、刑事はあちこち振りまわされつつ意外な結論へ到達していくところなんかはなかなか面白かった。ただ欠点もある。女性が書いた作品のせいかは登場人物の女性がちっとも素敵でない。若いツバメ(死語?)がおばさんを捨てて若い女のところへ走ってしまうにも相手の若い女が狸顔で無教養下品ではねえ(そんな女のところへはいかないでしょ)。主人公の刑事も何となく暗い過去を待ったのはよいが、捜査会議で突然死体が殺人を犯したなどと言うだろうか。刑事のキャラクターがエキセントリックなら仕方がないが、常識をわきまえた普段の行動とはかけ離れていて違和感がある。
評価が余りよくないが私は楽しく読みました。 |
No.2 | 7点 | i(アイ)―鏡に消えた殺人者- 今邑彩 | 2011/05/23 18:22 |
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出だしがあまり好きでないが途中はなかなか本格推理としてよくできていると思う。作者は怪奇と本格推理の癒合を目指したとのことだがこういった方向は嫌いではない。結構楽しく読んだので私としては評価は高いほうです。ただ最後のどんでん返しも意外性があって面白いのだが、女性の感覚なのだろうか主人公の行動がどうにも腑に落ちない。最後の数ページは怪奇趣味の結果だろうがせっかくの本格推理がなんだか消化不良の結果となってしまった。 |
No.1 | 7点 | ルームメイト- 今邑彩 | 2011/05/09 19:50 |
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意外と皆さんの評価が低いけど、私は結構楽しく読みました。ミステリーとしてもできは良いし、すらすらと読めて興味津々のところもあっていいじゃないですかねえ。
以下ネタバレが少し。 多重人格が主題となっていますが、本当に多重人格なんてあるのかと思い友人の精神科医に聞いてみたらたまには経験するとのこと。うーんそんな人に会ったことないけどなあ。まあ隕石に当たって死ぬというよりは現実味があるということでしょう。 |