皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
[ サスペンス ] 仮面の男 |
|||
---|---|---|---|
ボアロー&ナルスジャック | 出版月: 1964年01月 | 平均: 7.00点 | 書評数: 2件 |
東京創元社 1964年01月 |
No.2 | 7点 | 蟷螂の斧 | 2014/11/14 18:53 |
---|---|---|---|
(タイトル男13)(注)本の内容紹介は先に読まない方がいいです。・・・ヴァイオリン弾きのジャックは、ある男から遺産相続の為、行方不明になっている夫に成りすましてくれとの依頼を受ける。その妻にもばれないよう記憶喪失を装うということであった。その裏にはある陰謀が・・・。その陰謀が内容紹介でネタバレしています(苦笑)。ジャックと妻の日記で物語は進行しますが、日記なのでお互いの心のうちはうかがい知れません。二人のすれ違いの「あや」や「心理描写」を巧みに操って読ませてくれます。読者には真相が提示されるのですが、そのことがより効果的で非常に堪能できました。 |
No.1 | 7点 | 空 | 2014/05/30 22:54 |
---|---|---|---|
創元タイトルページの作品紹介は、先に読まないことをお勧めします。本作ではこのコンビ作家にしては珍しく、すべての秘密をかなり早い段階(100ページぐらい)で明らかにしているのですが、それまで作者が隠しておいたことを、作品紹介では完全にばらしてしまっているのです。
実はこの秘密が明かされるまでが、あまりこの作者らしくない嘘っぽいありきたりな設定なのです。それでもさすがの心理描写の巧みさで読ませてくれているのですが、秘密を読者に明かしてからが俄然おもしろくなってきます。原題の ”Maldonne”(誤配)は比喩的な意味で、読み終えてみると哀しみを持って納得できます。 主人公は不遇なヴァイオリニストだというのが、『女魔術師』のマジシャンや『思い乱れて』のピアニストと同じ芸術家設定なのも、この作者らしいと言うべきでしょうか。 |