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[ サスペンス ] 牝狼 |
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ボアロー&ナルスジャック | 出版月: 1957年01月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 1件 |
東京創元社 1957年01月 |
東京創元新社 1962年01月 |
No.1 | 6点 | kanamori | 2013/03/22 20:26 |
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第二次大戦時のドイツ占領下リヨン、捕虜収容所から脱獄した「私」は事故死した囚人仲間に成りすまし、ある姉妹のマンションに匿われることになるが....というあらすじです。
タイトルから想像できるように、作者が初期の頃に十八番とした悪女ものの心理サスペンスです。 事故死した友人の文通相手であるエレエヌと霊媒師もどきの妹アニュス、死んだ友人の姉ジュリアの、三人の女性の三様の思惑が絡んだ心理劇が読ませます。 なぜジュリアが主人公を偽者と告発しないのかという謎を中途半端に決着させたのはもったいないですが、悪夢的で余韻を残すエンディングは作者の持ち味がよく出ているように思います。 |