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[ 本格/新本格 ]
世界で一つだけの殺し方
芸術探偵シリーズ
深水黎一郎 出版月: 2013年12月 平均: 6.00点 書評数: 4件

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南雲堂
2013年12月

講談社
2017年02月

No.4 7点 邪魅 2017/03/13 12:10
不可能アイランドは結構お気に入りです

次々に起こる不可解な出来事の謎解きが楽しめました
そしてそこから今作のトリックが科学的なものであるということは十分予測できますし、一見すると不可解な論文があからさますぎる手がかりとなっているところが面白かったです
科学トリックはフェアであることを両立するのが難しいのですが、こうした形でそれを成し遂げる手腕には脱帽でした

そういう意味ではもう一作のインペリアルと像は、少々アンフェア気味ですから少し評価を下げるでしょうか

No.3 6点 アイス・コーヒー 2014/06/07 19:38
探偵の神泉寺瞬一郎が登場する著者初の中編集。

「不可能アイランドの殺人」は次々と不可能な事件が発生する奇妙な地方都市が舞台。池を歩いて渡るスリや、トンネルを抜けて半分になった電車など、かなりアクロバティックな展開だが、それらはあっさりと解決し唐突に殺人事件が発生する…。題名にある「殺人」がおまけ程度に感じられるのは残念。もう一工夫欲しかった。
「インペリアルと象」のトリックはプロローグの時点である程度予想はつく。ただ、中盤から展開する神泉寺の薀蓄がとても面白かった。まさに「世界で一つだけの殺し方」。最後に判明する、「ある殺人の構造」も興味深い。

深水氏の作品は初めて読んだが、この作品で興味が湧いてきた。

No.2 5点 まさむね 2014/06/06 20:29
 中編2本で構成。どちらの作品も,お馴染み「神泉寺瞬一郎」が探偵役を務めますが,作品自体の雰囲気は対照的と言えます。(時間軸として両作品に繋がりを持たせてはいますが)
1 不可能アイランドの殺人
 確かに「舞田ひとみが探偵ガリレオしている」との書評のとおりです。本筋の殺人事件に無理やり「奇妙な出来事」をくっつけた…という印象もありますが,モモちゃんのキャラも良く,サラサラ読む分には楽しめると思います。ちなみに「神泉寺瞬一郎」の出番は少ないです。
2 インペリアルと象
 「芸術探偵」の特長が色濃く反映されている作品。音楽に無縁な私にはちょっとピンとこない面も正直ありましたが,クラシック好きの方には楽しめるでしょう。冒頭とラストの内容は,「いかにも」と思いつつ,やっぱり良いですね。

No.1 6点 kanamori 2014/01/12 18:15
芸術探偵こと神泉寺瞬一郎シリーズの中編2作収録。表題どおり、どちらも特異な殺害トリックを扱っているのが共通していますが、物語のテイストは対照的なものでした。

「不可能アイランドの殺人」は、家族旅行で訪れた地方都市で、小学4年生の女の子モモちゃんが次々と不可思議な現象に遭遇して...という奇想の連打と特殊な殺人トリックが読みどころ。舞田ひとみが探偵ガリレオしている感もありますが、ブラックな結末が後を引きそう。モモちゃんは今後の作品でも登場するのだろうか。
「インペリアルと象」は、ピアノの歴史などの音楽の薀蓄が満載で読む者の教養を高めてくれる正統の芸術探偵もの。殺害トリックはなんとなく想像がつくが、前段の物語とつなげる構成の妙と、救いのある結末で読後感は良。


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