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[ 本格/新本格 ]
犯人選挙
深水黎一郎 出版月: 2019年09月 平均: 5.50点 書評数: 2件

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講談社
2019年09月

No.2 5点 HORNET 2020/04/29 15:59
 「大泰荘」で共同生活を送る8人の大学生。芸術家のタマゴや体育会系男子など、それぞれのめざすものに向かって生活する若者たちはそれなりに良好な関係でせいかつしていた。ところがある朝、住人の一人、マッチョ系男子が鍵のかかった自室において遺体で発見される。主人公の加藤大祐は、同じ大学の先輩・洸一と推理を巡らせるが…。
 そののち「7つの真相候補」が選択肢として示される。選択肢から読者が真相を選び」、犯人を決める、という試み。
 この作者は最近、ミステリの残された試みにチャレンジする姿勢が目立つなぁ。そうするとどうしても「謎の質」より仕掛け方自体が重視され、必然ミステリとしての評価は上がらない気がする。本作もそう。後半に行くにつれてシリアスさは失われ、バラエティ番組のようなノリになっていく。選択肢を増やすためなのか、一つ一つの「真相案」もチープさが目立つものが多く、やはり小説全体の仕組み重視の感は否めない。
 密室であり、基本的にパズラーの体であるところは好まれるが、「企画もの」の域は脱せていない感じ。

No.1 6点 虫暮部 2019/11/01 11:47
 “犯人選挙”なる試みがそれほど効果的だとは思えなかった。問題編はそれなりに面白いのに、作品の性質上どうしても後半はメタネタになり、そこの苦しい処理には苦笑するしかない。作品の成立過程も含めた一つのドキュメント、但し大成功はしていません、という感じ。
 私は“その他の人物が犯人”の解が一番面白いと思った。アンフェアだとかにはこだわらない。
 ところで“元ヤンが護身用にスタンガン所持”と言うのは邪道では? メリケンサックとかじゃないの?


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深水黎一郎
2019年09月
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