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[ 法廷・リーガル ]
誓約
ネルソン・デミル 出版月: 1989年02月 平均: 7.50点 書評数: 2件

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文藝春秋
1989年02月

文藝春秋
1992年04月

No.2 7点 kanamori 2010/07/26 19:03
ベトナム戦争時の残虐行為疑惑で軍事裁判にかけられる元陸軍中尉を主人公にした法廷ものサスペンスの超大作。
シリアスな内容で重厚長大なうえに、テーマが日本人読者に馴染まないと思いますが、思いのほか物語に引き込まれました。
のちに「模倣犯」を書いた宮部みゆきが、本書を「このミス」で1位に挙げているのが分かるような気がします。
しかし、デミルは「ゴールド・コースト」や「プラムアイランド」などのエンタテイメント志向の作品のほうが好みだ。

No.1 8点 Tetchy 2010/03/03 22:33
正直、読書中はあまりにも冗長すぎやしないかと何度も洩らした。それは読後の今でも変わらない。この真相に至るまでに果たしてここまでのプロセスが必要だったのか、これは今でも疑問である。世に蔓延る世評を見ると、重厚壮大だが読み苦しくないというのがほとんど感想として載っている。しかしやはり私には長いと感じた。

読んでいる最中は映画『戦火の勇気』が頭によぎった。タイスン中尉がベトナムの病院でどのような指示をしたがために大量虐殺に至ったのか、この事実についてあらゆる人が本で語り、軍事裁判にて証言し、そして主人公自身も語る。小隊の中の人間関係の歪みが生んだ大虐殺の事実はそのまま同じように歪められ、タイスンを追い詰める。

最後の最後でタイスンに下される裁定は、これ以上の結論は無いというべき見事な裁定である。この最後の救いで読者もまた救われた。恐らく元ベトナム従軍兵の彼らも。デミル、天晴れだ。


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ネルソン・デミル
2012年07月
獅子の血戦
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1989年02月
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