皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
[ 冒険/スリラー/スパイ小説 ] ニューヨーク大聖堂 |
|||
---|---|---|---|
ネルソン・デミル | 出版月: 2005年05月 | 平均: 7.00点 | 書評数: 1件 |
講談社 2005年05月 |
No.1 | 7点 | Tetchy | 2010/03/14 12:17 |
---|---|---|---|
ページ数の割には物語が雑だったという印象が残る。
実際、ニューヨーク大聖堂籠城事件をテーマとして扱った本書は上下巻合わせて約1,070ページもあり、下巻の350ページ目でようやく銃撃戦の幕が開くのだ。それまでは発端と犯人とネゴシエイター及びバークとの頭脳線を中心として物語が流れるのだ。これはアクション巨編としては読者にストイックさを要求する構成で、確かに途中、人質となったモーリーンとバクスターの数度の脱出劇が挟まれるものの、物語の持続性を保つのにはいささかエネルギーが欠けている。そういった意味でもエンターテインメント作家デミルとしての青さが目立つ。 そんな忍耐の読書の末に迎えるラストもただ何となく色々なことがうやむやにされた終わり方が非常に座り心地が悪い気持ちにさせられた。 |