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[ 本格/新本格 ]
『禿鷹城(ガイエルスブルク)』の惨劇
高柳芳夫 出版月: 1979年09月 平均: 5.50点 書評数: 2件

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講談社
1979年09月

新潮社
1984年06月

No.2 6点 kanamori 2010/05/25 20:20
ドイツの古城を改築したホテルでの密室殺人といったコード型ミステリの趣向はいいんですが、登場する人物が類型的で魅力がなく、せっかくの舞台背景をいかせきれていない感じです。
密室トリックは複雑で面白かったですが、この年の乱歩賞受賞作「アルキメデスは手を汚さない」と比べて、斬新さに欠けるのは否めないです。

No.1 5点 nukkam 2009/05/07 12:34
(ネタバレなしです) 高柳芳夫(1931年生まれ)は外交官出身という珍しい経歴のミステリー作家で、1974年にデビュー作の本書を発表した時はまだ現役外交官だったそうです。舞台をヨーロッパにして(但し登場人物は日本人が圧倒的に多いです)後半には古城ホテルを舞台にしていますがロマンチックな部分は皆無に近く、どちらかといえば冷たい打算的な世界が描かれています。本格派推理小説ですがフーダニット(犯人当て)よりもハウダニット(犯行手段当て)の方に力を入れているのが特徴です。不可能犯罪の謎の魅力は十分ですが肝心のトリックは力業だけど小粒といったところでしょうか。大物政治家や企業の利益が背景に見え隠れするプロットは森村誠一を彷彿させますが森村よりは読者が推理に参加する気分を味わえる点は評価したいと思います。


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高柳芳夫
1988年05月
陰府からの使者
平均:5.00 / 書評数:1
1987年02月
ロマンチック街道殺人ルート
平均:6.00 / 書評数:1
1986年06月
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平均:6.00 / 書評数:1
ローレライの幽霊船
平均:6.00 / 書評数:1
1985年11月
古都の殺人
平均:5.00 / 書評数:1
1985年03月
闇からの呼び声
平均:6.00 / 書評数:1
1984年06月
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1984年01月
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1983年06月
日本大使館殺人事件簿
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1983年01月
摩天楼の弩
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1982年10月
ベルリンの女
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1981年09月
ベルリンの柩
平均:5.00 / 書評数:1
1981年03月
ライン河の白い霧笛
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1980年11月
影を裁く日
平均:6.00 / 書評数:1
1979年09月
プラハからの道化たち
『禿鷹城(ガイエルスブルク)』の惨劇
平均:5.50 / 書評数:2
1977年03月
ライン河の舞姫
平均:6.00 / 書評数:2