海外/国内ミステリ小説の投稿型書評サイト
皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止 していません。ご注意を!

[ 本格/新本格 ]
日本大使館殺人事件簿
草葉宗平シリーズ 「プラハの花嫁」改題
高柳芳夫 出版月: 1983年06月 平均: 6.00点 書評数: 1件

書評を見る | 採点するジャンル投票


講談社
1983年06月

徳間書店
1987年11月

No.1 6点 nukkam 2015/07/20 09:18
(ネタバレなしです) 1981年から1982年にかけて発表された草葉宗平シリーズの中編4作を収めて1983年に「プラハの花嫁」(4作の1つでもあります)というタイトルで出版されたシリーズ第二短編集です。「日本大使館殺人事件簿」への改題は賛否両論あるかと思いますが、この作者は同じ地名を使ったタイトル作品が多くて紛らわしいのでこれはこれでありかと思います。時代性と(決して観光描写でない)舞台を活かした、個性豊かな作品揃いで、官僚や政治家でも被害者になったり容疑者になったりしているのがこの作者らしいです。基本的には本格派推理小説の短編集ですがその中では「プラハの花嫁」は共産圏時代のチェコスロバキアを舞台にしておりスパイスリラー色が濃厚です。草葉の推理場面もありますが、事件の幕引きは組織的ですっきりしない読後感を残します。最も本格派らしさを感じさせるのが「ペーター・ハルチンクの碑」で、多彩な容疑者たちに地図まで添付した贅沢な造りの謎解きを楽しめますが整理がちょっと不十分に感じられます。この内容なら長編作品に仕立ててもよかったのではと思います。


キーワードから探す
高柳芳夫
1988年05月
陰府からの使者
平均:5.00 / 書評数:1
1987年02月
ロマンチック街道殺人ルート
平均:6.00 / 書評数:1
1986年06月
津軽富士殺人事件
平均:6.00 / 書評数:1
ローレライの幽霊船
平均:6.00 / 書評数:1
1985年11月
古都の殺人
平均:5.00 / 書評数:1
1985年03月
闇からの呼び声
平均:6.00 / 書評数:1
1984年06月
維納の森殺人事件
平均:6.00 / 書評数:1
1984年01月
「ラインの薔薇城」殺人事件
1983年06月
日本大使館殺人事件簿
平均:6.00 / 書評数:1
1983年01月
摩天楼の弩
平均:6.00 / 書評数:1
1982年10月
ベルリンの女
平均:5.00 / 書評数:1
1981年09月
ベルリンの柩
平均:5.00 / 書評数:1
1981年03月
ライン河の白い霧笛
平均:6.00 / 書評数:1
1980年11月
影を裁く日
平均:6.00 / 書評数:1
1979年09月
プラハからの道化たち
『禿鷹城(ガイエルスブルク)』の惨劇
平均:5.50 / 書評数:2
1977年03月
ライン河の舞姫
平均:6.00 / 書評数:2