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[ 短編集(分類不能) ]
ベルリンの女
高柳芳夫 出版月: 1982年10月 平均: 5.00点 書評数: 1件

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広済堂出版
1982年10月

徳間書店
1985年06月

No.1 5点 kanamori 2015/03/22 20:56
ノンシリーズの短編集。各話ともドイツ、オーストリア、ノルウェー、スイスなど欧州諸国の街を舞台背景にしているところが共通しています。ジャンルは、不正経理や贈収賄事件などの社会派要素を加味した本格ミステリが中心ですが、幻想ホラー風のものや心理サスペンスも収録されています。

表題作の「ベルリンの女」は、取壊し寸前の古いビルの一室が現場となる密室トリックもの。トリックは既視感があるものの、一応の真相が明かされた後のツイストが効いていて、コレが個人的ベスト作品。
「ヴィーナスの山の白い館」は、素人探偵の日本人女性像や古城周辺の情景描写はいいが、アリバイトリックは陳腐と言わざるを得ないかな。「国際電話会社殺人事件」は、社会派の要素が大きい骨太の作品で読み応えがあるが、メイントリックを疑う手掛かりが後出しぎみなのが残念なところ。
本格モノ以外では、ある商社員の凄まじい怨念が印象に残る「ラインの誘惑」が心理サスペンスものの佳作。そのほかの怪奇幻想風のショートストーリー2編はいずれも微妙な出来でした。


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高柳芳夫
1988年05月
陰府からの使者
平均:5.00 / 書評数:1
1987年02月
ロマンチック街道殺人ルート
平均:6.00 / 書評数:1
1986年06月
津軽富士殺人事件
平均:6.00 / 書評数:1
ローレライの幽霊船
平均:6.00 / 書評数:1
1985年11月
古都の殺人
平均:5.00 / 書評数:1
1985年03月
闇からの呼び声
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1984年06月
維納の森殺人事件
平均:6.00 / 書評数:1
1984年01月
「ラインの薔薇城」殺人事件
1983年06月
日本大使館殺人事件簿
平均:6.00 / 書評数:1
1983年01月
摩天楼の弩
平均:6.00 / 書評数:1
1982年10月
ベルリンの女
平均:5.00 / 書評数:1
1981年09月
ベルリンの柩
平均:5.00 / 書評数:1
1981年03月
ライン河の白い霧笛
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1980年11月
影を裁く日
平均:6.00 / 書評数:1
1979年09月
プラハからの道化たち
『禿鷹城(ガイエルスブルク)』の惨劇
平均:5.50 / 書評数:2
1977年03月
ライン河の舞姫
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