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[ 警察小説 ] 神の街の殺人 |
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トマス・H・クック | 出版月: 2002年04月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 2件 |
文藝春秋 2002年04月 |
No.2 | 6点 | レッドキング | 2022/10/04 08:32 |
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ユタ州ソルトレイクシティ。モルモン教と呼ばれる教団・・カルトと見なすにはメジャーすぎるが、耶蘇教一宗派と言うには異端すぎる教団が、残酷な弾圧と過酷な逃亡の末にたどり着いた約束の土地。驚異的な労苦の末に打ち建てた、「美しく穢れなき」街。そこでは起こるはずのない、起きてはならない血に汚れた連続殺人が起きて・・。黒人娼婦、老人記者、教団幹部、モルモン教史学者・・被害者達の「環」を追うのは、ニューヨークから移住して来た、心は既に朽ち果てつつある警官。荒廃した東部の大都会も、美しき南西部の神の街も、彼にとっては、いずれも、それぞれに冷酷な絶望の光景に過ぎなかった。 |
No.1 | 6点 | 空 | 2019/10/17 22:31 |
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重厚な心理サスペンスが知られるクックの初期作品には捜査側から描かれたものが多いようですが、この第3作は、犯人側の視点をところどころにはさむ警察小説タイプです。
モルモン教の本部があるソルトレイクシティで起こる連続殺人事件を扱っていて、邦題もその意味です。なお原題の “Tabernacle” は礼拝堂の意味で、クライマックスの舞台を意味しています。常軌を逸した思想を持つ犯人視点の部分では犯人の名前は隠されていますが、登場人物表と照らし合わせれば、候補者は絞り込まれてしまいます。まあ、それで犯人の名前だけ見当がついても、中心となる謎は動機ですので、おもしろさが低減してしまうような作品ではありません。 後年の作品に通じるような味わいもありますが、礼拝堂での事件の決着のつけ方が、刑事の過去と密接につながって来ず、また犯人がその動機を持つにいたった経緯が説明されていないのは不満でした。 |