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[ 日常の謎 ]
ガラスの麒麟
加納朋子 出版月: 1997年08月 平均: 7.33点 書評数: 24件

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講談社
1997年08月

講談社
2000年06月

No.24 5点 いいちこ 2016/05/02 10:55
各短編は、真相自体がサプライズに乏しく、解明に至るプロセスも直感的で、全体に平凡なデキ。
一方、連作短編集としては、その解明プロセスで非常に巧妙な本格ミステリとしての仕掛けを見せているが、淡々と描かれているため、気づかない読者が多いと思われる点が残念。
犯行プロセスの一貫性の欠如や、被害者の不可解な行動原理は大きな減点材料

No.23 7点 smk 2013/11/11 01:00
ミステリ要素を含んだ連作短編集。
一つ一つの話はうまくまとまっているが、最終話がちょっとなぁ。
全体をまとめるための書下ろしなんだろうけど、自分には消化不良でした。

No.22 5点 蟷螂の斧 2011/11/19 22:20
このような作品の評価は難しい。独特の雰囲気を持った良い作品だとは思いますが、判断・評価基準をミステリー度に置いているのでこの評価になります。

No.21 5点 まさむね 2011/08/05 22:48
 連作短編の特長をうまく活かしている作品ではありますね。「ななつのこ」といい,作者はホントに連作短編が上手いなぁ。
 でも,正直いって登場人物(被害者と神野先生)に感情移入ができず(おっさんだからか?),最終章も中途半端な印象が否めず,解決もロジカルとは言い難かったので,この程度の採点になりますかねぇ。個人的に評価が難しい作品です。

No.20 5点 りゅう 2011/07/19 19:50
 6章からなる連作短編集で、登場人物が各章で微妙に交錯して、最終章で大きな謎が解き明かされる構成になっています。個々の章それぞれに小さな謎とその解決があるのですが、無理矢理なものが多いです(最初の「ガラスの麒麟」だけは、2月という月の特性を活かしたミスディレクションに感心しましたが)。特に、最終章でのまとめ方にミステリとしての不十分さを感じました。安藤麻衣子を殺した犯人がいったい誰なのか、というのが作品全体の大きな謎ですが、正直、真相が良く理解できませんでした。作者が描きたかった本当の謎は、神野先生をはじめとする登場人物の心理の方ではないでしょうか。この作品が提起している謎は、ミステリとしての謎ではなく、文学作品としての謎だと感じました。


(完全にネタバレをしています。要注意!)
 最終章を読む前までは、安藤麻衣子を殺した犯人は神野先生だと思っていました(それまでの神野先生の超人的な推理がこれでうまく説明できるので)。最終章で突如登場する犯人(名前も明示されていません)には拍子抜けしました。しかし、文学作品として考えると、神野先生が犯人というのはありえないことで、やはり、この作品は文学性を重視しているのだと思いました。犯人が安藤麻衣子を襲う前に直子を襲った理由や、犯人が由利枝を脅迫した理由の説明がないこと(もっと言えば、犯人が安藤麻衣子を殺した動機さえも明確には書かれていないこと)が、気になりました。

No.19 6点 メルカトル 2010/11/27 23:39
女性の作家らしい視点で描かれた佳作。
少女の心の微妙な揺れや、女性の心の奥底に潜む襞のようなものを、淡いタッチで上手に表現している。
連作短編集なのだが、どの作品も読者の心に訴えかけてくるような作風で、加納朋子女史独特の世界観で読ませる作品だと思う。

No.18 7点 E-BANKER 2010/11/16 23:10
日本推理協会賞受賞、作者代表作の連作短編集。
殺された一人の美少女をめぐって、6つのストーリーが紡がれていきます。
①「ガラスの麒麟」=まず、美少女麻衣子の殺人事件が発生。友人であるもう一人の女子高校生にも魔の手が・・・
②「三月の兎」=少女の学校の担任が本編の主人公。何となくうまくいかないことあるよねぇ・・・でもラストはホロリとさせられます。
③「ダックスフントの憂鬱」=神野先生の慧眼にビックリ! 
④「鏡の国のペンギン」=狙われるもう1人の女子高生・・・
⑤「暗闇の鴉」=もう一人の(元)美少女が登場。2人の美少女の存在がシンクロしていきます・・・
⑥「お終いのネメゲトサウルス」=殺人事件とそれを巡る謎に一応の解答が示されますが・・・ちょっと消化不良。
以上全6編。
作品中に何とも言えない独特の雰囲気がありますねぇ・・・トリックやロジックなどとはまったく無縁なのですが、単なるミステリーでは決してなく、読者の心の内に何事かを問いかけてくるような感覚とでも言ったらいいんでしょうか。
とにかく、一読の価値は十分有りだと思います。

No.17 7点 白い風 2010/08/19 23:01
生徒が係わる様々な事件を保健室の先生・神野が的確な意見で解決していく6編の連作ですね。
学生時代の少女たちの心の揺れなどを描き、話に深みがあったと思う。
ミステリ的要素も悪くなかったけど、そう云った関係者の心理状態が楽しめました。
初の加納作品だったけど、もう2,3冊は読みたいと思いました。

No.16 6点 シーマスター 2009/06/15 23:56
読みやすくて面白い連作短編集ではある。
(神野先生の神がかり的な推理力、というより直感力は前提として認めるとして)ミステリ要素もそこそこのレベル。

殺人があるから「日常の謎」系ではないが、テイストは「空飛ぶ馬」と似ている。しかしこちらは正真正銘女性作家の手による女子高生や女性教師達が中心の物語であるから彼女達の描写にはより現実味が備わっている・・・・・んだろうね。

各短編が有機的に繋がり、全体として一貫性の高い仕上がりになっている点が本作の大きな特長と言えるが、何人かの方がご指摘のとおり最終話での纏め方は無理やりな感が否めないし、被害者、犯人、神野先生(何で急にまた弱くなっちゃったの?)の心情・行動も自分には理解不能。

No.15 8点 りんちゃみ先輩 2009/04/06 20:12
連作短編ということで全六話から構成されていますが、最後の六話目を除いては、それぞれ一話毎に感動した。六話目はストーリー的にもトリック的にも強引に纏めてしまったのかな?少しガッカリした。私は「暗闇の鴉」が一番よかった。とにかく加納朋子さんの作品は初めて読んだが、これからも読んでいきたい作家の一人となった。

No.14 10点 itokin 2009/03/03 16:32
短編でこれだけ深みのある作品は初めて、独特の雰囲気に酔いました。久しぶりの最高点です。

No.13 8点 シュウ 2008/10/04 07:08
最終章の中盤までは非常に面白く読めました。ただ最後まで読むとテーマとしては上手く書ききってるんですが、
ミステリ的にはちょっと物足りませんでした。犯人の行動とかよく分からない所もあったし。犯人の独白とかあれば分かりやすくなったかな。

No.12 8点 VOLKS 2008/02/09 16:44
加納朋子という作家の人柄が現れているような気がした。
ショッキングな事件も織り込まれているものの、全体的に心穏やかで、たおやかな文章。そのわりにしっかりとミステリィの要素も組み込まれていて、見事。

No.11 10点 北浦透 2007/06/09 21:18
女子高生――楽しく青春を謳歌する一方で、張り詰めたような緊張感、危うさを持つ。したたかさをまだ覚えていないぶん、その思いは真っ直ぐで、時に凶器にもなる。加納さんの高校時代を思わざるを得ない。例えば「三月の兎」の教師の記述は何だろう。すごいリアリティーである。人の内面を洞察する力に長けているのか、それだけ感受性の強さを持ち合わせているのか。
見事なまでの傑作である。

No.10 8点 なの 2005/01/05 17:17
加納作品にしては、ショッキングな展開ですが、
本質的には優しく、そして温かい再生の物語です。
やはりこの方は短編連作の名手ですよね。
駒子シリーズもそうですが、最後に全てのピースがパシパシと嵌まっていく快感が何とも癖になります。

No.9 7点 ai 2004/02/03 00:35
話自体は面白く、ドキドキしながら読みました★
でも私も最後にインパクトが足りなかったなと思います。

No.8 6点 ばやし 2004/01/11 18:02
加納朋子作品はこの「ガラスの麒麟」と「いちばん初めにあった海」しか読んだことないけどこっちの方がおもしろかったです^^でもあんま好きじゃないなー

No.7 7点 レン太 2003/07/22 03:07
最終章以外は相変わらずお見事ですが、私はこのラストがどうにもインパクト不足に感じてしまいました。こちらが期待しすぎた、というのもあるのですが「ななつのこ」等の鮮やかな着地と比べてしまうと、やや劣る感は否めません。

No.6 9点 じゃすう 2002/10/25 21:29
ひさしぶりに、「犯人が解る直前のドキドキ感」を味わった作品です。いや、物語の構成もすばらしいですね。

No.5 4点 tetrapot 2002/01/07 08:35
 全体に中途半端な印象。推理の過程も驚きの真相もどっちつかずと言う印象が… 中盤面白いが最後の収束も今ひとつしっくりいっていない。
 なんだかんだいっても北村薫はキャラはともかく推理小説的な部分のつくりは上手いと改めて感じた。


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