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[ 日常の謎 ]
モノレールねこ
加納朋子 出版月: 2006年11月 平均: 6.20点 書評数: 5件

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文藝春秋
2006年11月

文藝春秋
2009年06月

No.5 6点 まさむね 2018/11/14 23:12
 いかにも作者らしい短編集。ミステリ的な側面だけでみれば極めて弱いと言わざるを得ないのですが、全編から醸し出される優しさがそれを上回っている感じでしょうかね。そして、こういう読書もいいものです。
 ベストは、ザリガニ目線だからこその味わい「バルタン最期の日」。こういう再会っていいよねな表題作「モノレールねこ」、映画みたいな「セイムタイム・ネクストイヤー」、実際に自分の親だったら迷うかもな「ポトスの樹」も印象に残りそうかな。

No.4 6点 E-BANKER 2013/09/15 21:31
2006年発表、主に「オール読物」誌に掲載された作品を集めた短編集。
相変わらず作者らしい「目線」「視点」で書かれた作品が並んでいる・・・そんな印象。

①「モノレールねこ」=表題作の主役は猫と、その猫を介して知り合った二人の子供。終盤には意外にも残酷なシーンが登場するが、作者らしく実にハートウオーミングなラストを迎える。こんな偶然・・・あったらいいよなぁ。
②「パズルの中の犬」=猫のつぎは犬、というわけでもないだろうが・・・。本編はそれよりもジグソーパズルを愛する女性の心理や葛藤の方に惹かれた。
③「マイ・フーリッシュ・アンクル」=今度の主役は動物ではなく「アンクル」。要は「おじさん」だ。相当アホで世間知らずなおじさんなのだが、ラストには意外なワケが判明することに・・・。でも女って強いな!
④「シンデレラのお城」=主役となるのは「形式だけの夫婦」。穏やかで理想の中年男性、とでも言うべき夫には更なる秘密が隠されていた。タイトルのお城はディズニーランドのシンデレラ城のことなのだが・・・こんな楽しみ方もあるんだねぇ。
⑤「セイムタイム・ネクストイヤー」=これは雰囲気の良い作品。「黄昏ホテル」なんて、何だか映画のタイトルに出てきそうだし、映像化に向いてる作品だろう。
⑥「ちょうちょう」=主役は脱サラし、ラーメン店を開店した男性。アルバイトとして採用した美女をめぐってひと悶着あるのだが、結果的には美女ではなく、本当の味方は別にいた、ってそんなよくある話だ。
⑦「ポトスの樹」=オヤジを反面教師として徹底的に嫌い。「オヤジのようには絶対なりたくない」って思っている主人公。本編も③と同じベクトルの作品。実は・・・という理由が終盤に判明してちょっとグッとくる。
⑧「バルタン最後の日」=何とザリガニ目線で書かれた作品。小学生の男の子に捕まえられ、自宅で飼われることになったザリガニ「バルタン」。こいつがラストにはイカした大活躍をするのだが・・・何とも不思議な一編。

以上8編。
動物が登場する作品が多いのが特徴といえば特徴。
まぁ相変わらずというか、実に加納さんらしい雰囲気の良い作品が並んでいる。
ちょっと特殊な設定下ではあるけど、ひとりひとりの人間(または動物)の想いがしんみりと心に染みてくる。
たまにはこんな作品で癒されるのも良いのではないか?
(ベストは文句なく⑧だろう。あとは①③あたり。)

No.3 7点 白い風 2012/06/14 22:26
久し振りの加納作品だったけど、相変わらずほっこりできました(笑)
特に今回は”家族の絆”がテーマだったからね。

No.2 6点 メルカトル 2009/11/30 22:01
軽いタッチでサクサク読める。
短編集だが、それぞれの登場人物が何かを失くし、ある時はひたむきに、ある時は前向きに生きていこうとする姿が胸を打つ。
「バルタン最後の日」は確かに逸品だ。

No.1 6点 VOLKS 2009/01/04 23:39
日常ミステリィの作者ならではの作品群。
気に入ったのは「バルタン最期の日」


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