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[ 日常の謎 ]
ななつのこ
駒子シリーズ
加納朋子 出版月: 1992年09月 平均: 7.26点 書評数: 27件

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東京創元社
1992年09月

東京創元社
1999年08月

No.27 5点 虫暮部 2020/09/03 12:51
 全体的にわざとらしさが目立つ。日常の描写の中に伏線をちりばめるのはこのジャンルの基本マナーだが、本書は伏線の隙間を文章力で埋めていると言った趣でしばしば感興を殺がれた。
 その中で「白いタンポポ」のみ何故か出色の出来。“違和感を抱える心”をこんなに自然に描いた作品は、なかなか無いように思う。

No.26 9点 ロマン 2015/10/29 19:58
読み心地の良い小説だった。文章はラフだがとても丁寧で、描写も細かくてイメージしやすい。人物がどれも温かくて読みながら柔らかい気持ちになった。日常のちょっとした不思議を文通のやりとりで解き明かしていく安楽椅子探偵ものになるが、語り手の駒子が愛嬌があって親しみやすい。探偵役の「佐伯綾乃さん」の品の良い手紙は読んでいて気持ちが良い。人が死なない、悪意や憎悪ばかりがミステリーではない、良質な小説であった。

No.25 6点 mozart 2013/02/11 06:56
個々の話での「謎解き」にはそれほどインパクトはなく、最後の「どんでん返し」的な展開も、誤解を恐れずに言うならば、「乙女チック」路線華やかりし頃の一昔前の少女漫画を彷彿とさせる感じで、それはそれでほんわかとしていて、十分楽しめました。

No.24 8点 isurrender 2011/06/17 23:19
『空飛ぶ馬』が個人的にハマらなかったせいか「日常の謎」に苦手意識みたいなものがありました
でも、この作品が、そんな苦手意識を払拭してくれました
ミステリのトリックとしては、ずば抜けて優れているというわけではないが、優しい文体が素晴らしい
主人公の駒子は、なんとなく『耳をすませば』の主人公とイメージがダブりました

No.23 7点 まさむね 2011/02/20 15:15
中盤まで,よくある「日常の謎」系かと思い込んでました。(いや,最後まで読んでも「日常の謎」系であることに違いはないのですけどね。)読み進めるうちに,不純物のない世界観に自然と惹かれていきましたね。
第5話の「一万二千年後のヴェガ」の星座薀蓄と第6話の「白いタンポポ」の文学薀蓄にそれぞれ感心し,最終話「ななつのこ」で完全にやられましたね。
(肝については途中で察しはつくのですが,既にそういう観点で読ませてないっていうか…)
ひとつ間違うと単に甘ったるい物語で終わっちゃうところですが,決してそんな単純な読後感ではない。
文章を含めて表現手法が秀逸だと思います。

No.22 6点 E-BANKER 2011/01/06 22:48
作者デビュー作の連作短編集。
作中作として出てくる「ななつのこ」を巡って、主人公の駒子が作者である佐伯綾乃に送る書簡の中で日常の謎が鮮やかに解決されます。
①「スイカジュースの涙」=道路に転々と落ちている赤いシミは血かスイカジュースか? 登場人物(と動物)を当て嵌めていけば自然に答えは出てくるような気がします。
②「モヤイの鼠」=わずかの時間に絵画が入れ替わった謎は? 真相は「そんなこと?」という程度。
③「一枚の写真」=アルバムの中から1枚だけ抜き取られた写真の謎? 真相は心温まる内容。
④「バス・ストップで」=ここから本作中での重要人物”瀬尾”が登場。語られる老婦人の謎はちょっとしたこと。
⑤「一万二千年後のヴェガ」=デパートの屋上にあるゴム製の恐竜が空を飛ぶ謎とは? 本筋よりも一万二千年後にはヴェガが北極星になるということの方が「へぇ-」という感想。
⑥「白いタンポポ」=文字どおり白いタンポポの謎とは? 子供は元気ハツラツなだけがいいわけではない・・・ということ?
⑦「ななつのこ」=表題作に相応しいオチ。連作短編集らしく、これまでの話にも一連の”流れ”があったことが分かります。「ななつのこ」にも二重の意味があったんですね。
以上7編。
さすがに評判の作品だけあって、作品世界にどっぷりと浸ってしまいました。
いわゆる「日常の謎」ですが、個人的にはそれほど”ストライク”ではないのでこの程度の評点で・・・

No.21 7点 白い風 2010/08/30 22:17
加納さんのデヴュー作ですね。
デヴュー作としては完成度高いと思う。
個人的には北村薫さんの作品も好きだから、この作品も好感が持てました。
作中の佐伯さんが書かれた『ななつのこ』との二重構造も面白かったね。

No.20 8点 Tetchy 2010/01/20 00:00
読み進めるにつれて謎のスケールが小さく萎んでいっているように感じた。いや正しく表現するならば、日常の謎よりも駒子を取巻く人物達の物語を描く事に力点がシフトしていったように感じた。

ミステリという視点から論じれば各短編での謎よりもやはり作品全てに共通する児童書「ななつのこ」の作者佐伯綾乃の謎こそがこの短編集で語りたかった謎だ。
そしてその謎は実に古典的で、敢えて云うならば「あしながおじさん」そのものだ。

しかしやはりオーソドックスとは思いつつ、この設定はやはり鉄板。特に加納氏の少女趣味溢れる物語構成とこのプロットは相乗効果で、実に心温まるお話となっている。
いまどき珍しい純粋かつ甘酸っぱい物語と行間から感じ取れる作者が本作に込めた想いに素直に賞賛を贈りたい。

No.19 7点 江守森江 2009/05/22 15:16
鮎川賞作品のイメージを変えた銘品。
日常の謎派好きには絶対お勧め。

No.18 8点 シュウ 2008/09/30 00:14
作品の奥底に流れるあたたかさと地についた強さがこの優しい世界を支えてるんだと思います。
癒されたい時に読みたい作品です。

No.17 8点 VOLKS 2008/03/12 12:05
久々に再読。
ファンとして偉そうに言わせてもらうならば、なんと素直な文章。人が死んでその謎を解くだけがミステリィではない、と痛感する小説。

No.16 8点 名無し 2005/07/31 22:08
読後感が爽やかで安心して人に薦めることが出来る作品。
北村薫の「空飛ぶ馬」と似た形式だけど、ななつのこの方がリアリティがあり、かつ完成度が高いと思った。
この本に巡り会えて本当に良かった。

No.15 6点 ラッキー 2005/03/29 10:04
登場人物それぞれにちょっとしたズルさもあるが、それも含めて楽しませてくれる小説。

No.14 8点 たらいぐま 2004/11/10 15:10
だいぶ以前に読んだのですが、それぞれの短編が最後にまとまるという「入れ子構造」に初めて出会ったので、読んだ当時は不思議な驚きがありましたね。
日常の謎をつづった連作なので、一つづつの謎は軽めですが、全体の温かい雰囲気にも合っているようで読後感が爽やかで良かったです。

No.13 9点 トレノ 2004/10/15 23:20
読了後、すごくあったかい気持ちになりました。ほのぼのした日常に起こる小さな事件。最後にちょっとひっくり返す構成も良いですね。

No.12 5点 むう 2004/10/06 12:05
読み始めてすぐに「これ『円紫先生と私』シリーズに似てる……そして『円紫先生と私』シリーズのほうがずっと面白い」と思ってしまいました。たぶん円紫先生と私のほうを先に読んでなければ、絶対にもっと高評価になったはずなのですが。惜しい。 だけど愛ちゃんが犬を放してケロっとしている話とか、油絵をわずかとはいえ損傷してお咎めなしになる話とか、普通に後味が悪いです。

No.11 7点 なの 2004/09/20 12:53
処女作だけに、文章的には不慣れな部分も見受けられますが、とても面白かったです。
何とも言えない透明感と優しさに満ちています。
ヒロインの魅力も大きいのでしょう。
ラストの印税絡みの下りにはニヤニヤ。

No.10 8点 ai 2004/02/03 00:32
ほのぼのする作品でした。19才の主人公のあせりが伝わって、自分と重ねて切なくなった.

No.9 8点 レン太 2003/07/12 18:33
北村薫氏の「円紫師匠シリーズ」にはどうにも馴染めなかったので、さほどの期待を持たずに読んだのですが、これは面白かったです!!主人公に素直に感情移入出来ましたし、文章の運びが涼やかでとても心地良かったです。「心の足長おじさん」と言った所でしょうか。

No.8 8点 ギザじゅう 2002/10/12 23:55
読んでて気持ちがいい、そんな感じ。


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