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[ 本格/新本格 ]
向日葵の咲かない夏
道尾秀介 出版月: 2005年11月 平均: 4.61点 書評数: 54件

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新潮社
2005年11月

新潮社
2008年07月

No.14 8点 2009/12/14 14:31
衝撃のミステリです! (全体としてネタバレっぽいです)
本書は気味の悪い幻想ミステリですが、道理に適った本格ミステリでもあります。本作を読む限り道尾氏は、私の求めるところの文章テクニックにすぐれた天才叙述作家だと思います。とにかく、計算しつくされた叙述には脱帽します(やりすぎの感もあるが)。物語としてはラストがショッキングすぎて救いがありませんが、うますぎるテクニックがカタルシスを与えてくれ、余韻が残りました。
なお、駅員との会話は他の方が指摘されているとおりですし、ミカに関する自由作文の箇所なども無理があるように思いましたが、読み方によっては大目にみてもいいかもしれません。

初めて読む道尾作品なのに「天才」は言いすぎかもしれませんね。ただ、これからも絶対に読み続けたい作家にはちがいありません。こうさんとは、まるで逆みたいです(笑)。採点は、自分の「高評価と近い人」と比較しながら考えたところ、9点には届きませんでした。

No.13 5点 bage 2009/11/11 21:34
「ふ~ん」といった感じ。
アンフェア感は否めない。色鉛筆で描かれた絵の様な雰囲気を感じたが、それは、他の作品で感じる様な爽快な風を感じさせるものではなく、物足りなさというか、厚みがないというか…
「いいなぁ」ではなく「いいんちゃう?」って感じのものでした。

文庫版の解説に引用されている通り、京極夏彦の「姑獲鳥の夏」と同じ、主観がこの作品の根幹になっているが、次元が違い過ぎるし、何より共感出来ない。

病的であり、ミステリーではなくホラーだと思う。

No.12 1点 abc1 2009/10/29 06:29
S君の生まれ変わりが出てきた時点で、もう何でもありの心境にこっちがなってしまっているので、ラストに全く驚けなかった。すでに指摘されている方がいますが、ミカと駅員との会話などはやはりアンフェアでしょう。

No.11 1点 パピルス 2009/10/26 10:52
この作品がなぜ本格ミステリ大賞の候補になったのか理解できない。
この作品は本格ミステリではない。
どんでん返しは強引である。

No.10 2点 こう 2009/10/14 02:54
  この作品は本格の枠組みに入る、入らないという問題もあるのでしょうが、読了後のカタルシスがなく個人的には「読み心地の悪さ」につきました。というより読了するのが苦痛でした。
 道尾秀介の作品を最近まとめて読んだのですが刊行順に読まなくて良かったと思います。これから読んでいたら他作品を読まなかったかもしれないなあと思っています。

No.9 4点 makomako 2009/09/19 14:17
 読んでいて非常な違和感があり当然それに対する答えも出てくるのだが、幻想の世界のような話の理論的結論なんてありなのでしょうか。こんな話ならいくらでも結論は変えられる。
 推理小説は多かれ少なかれなんらかのうそが入るものとは思っているが、トリックにかかったというよりうそをつかれたといった感じが強い。作者の筆力はあると思うのだがこの小説はあまり好みではない。

No.8 2点 あびびび 2009/08/13 09:23
うーん、この作品のように現実味のない話は苦しい。
何か、ついて行けない。

あくまでも、ミステリはリアルでないと。
この作家の他の作品は読んでいないが、こんな方向性だと
困るかも。

No.7 5点 おしょわ 2009/07/04 15:03
イマイチだけど終わり方がうまかった。

No.6 3点 kowai 2009/06/28 14:48
「このミス1位」に騙された。ダークファンタジー(ガキが主役だけど)とミステリを融合させても反則技が残るだけ。。同じ手が何度も繰り返され、驚きもなにもなかった。読みやすいが時間の無駄だった。

No.5 3点 ロビン 2009/04/30 21:48
文庫化を機会に、初の道尾作品に挑戦。
まあ、自分の中でハードルが上がりすぎていたこともあるが、読んでいても「気持ち悪い」という印象しか残らなかった。
内容は、新本格しか読んでことのない自称ミステリ好きが好みそうな作品です。ただ単にどんでん返しを繰り返せばいいってもんじゃない。効果的な驚きではなく「どうせまたでしょ?」とウンザリな気持ちにしかなりません。あの伏字にしたって、振りが大きすぎるでしょ。あの場合は傑作かバカミスかのどちらかしかないのに、平凡な叙述トリックという最も中途半端な形に。残念。
ただ、他にも高評価な作品も多いみたいなので、道尾作品はまだ読み続けたいとは思います。

No.4 3点 だい様 2009/03/23 22:56
伏線が巧みに張られているのは認めるが独創的な世界に入りすぎた印象。
噂通りの問題作。

No.3 5点 シーマスター 2009/03/13 23:55
これは・・・・個人的には、ちとキビシイ。

好き嫌いがかなり分かれる小説であることは既読者の異論のないところであろうが、自分には「合わなかった」というより言がない。

ラットマンやカラスより数年前の、デビュー間もない頃の作であるから不適切な表現かもしれないが、
道尾作品らしからぬ、途中のダラダラ展開は退屈で倦怠感すら覚えてくるものだし、
道尾作品らしい、本筋とは関係が薄い少なからずの心情描写もあまり共感できるものではなかった。

本格の要素もあるが、サイコでもあり、ファンタジーでもあり、バカミスでもある話である。
「あのネタ」も某作家Aなどの作品では評判があまり宜しくないようだが、これ系に素直に驚ける人には本作は「面白いミステリ」と受け入れられよう。
本格、推理の部分も割とよくできていると思うが、私的に面白いと思えないのは好みの問題で如何ともしがたい。

また「ブラックさ」ももっと衝撃的であったらもう少し楽しめたと思うが、さほど強烈なものとは感じられず。終盤も「暗い緊張感と視覚的な派手さ」はあったが予想以上のインパクトはなかった。

更に、(自分の読み方はいい加減だから勘違いだったら申し訳ないが)いくつか矛盾する(このネタを使う上ではアンフェアといえる)箇所もあったような気もするが・・・・例えば、駅の改札での駅員との会話は実際の事象からするとオカシくなかったかな?

No.2 8点 touko 2009/01/31 00:19
小学生の男の子の一夏の冒険譚。ホラーともファンタジーともミステリーともつかぬ内容で、信用出来ない語り手だなあとは思ってましたが、すべてに合理的解決がついたのにむしろびっくりしました。
ダークかつショッキングなラストもよかったです。
後味が最悪なので、人を選びそうですが、個人的にはキモカワイイ(!?)作品で、今のところ、この作家の中では一番好き(^_^;)

No.1 6点 teddhiri 2008/09/10 20:02
強烈なサプライズをラストで味わうことができる一品。しかもその伏線があからさまに張られている。しかし徹頭徹尾ダークでありポジティブな話。


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