皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ 冒険/スリラー/スパイ小説 ] 甘美なる危険 キャンピオン氏/別邦題『水車場の秘密』 |
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マージェリー・アリンガム | 出版月: 2007年12月 | 平均: 5.00点 | 書評数: 1件 |
![]() 新樹社 2007年12月 |
No.1 | 5点 | nukkam | 2011/09/06 11:55 |
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(ネタバレなしです) 国内では「水車場の秘密」というタイトルで別冊宝石68号(1957年)で初めて翻訳紹介された1933年発表のアルバート・キャンピオンシリーズ第5作ですが、冒険スリラー小説に分類できる作品です。アリンガムの作品は導入部がとても難解な作品がありますが本書もその一つです。キャンピオンがなぜ事件に巻き込まれているのかの十分な説明がないまま話がどんどん進む展開は、私のように読解力に難ありの読者にとっては厳しいです。消えた死体という魅力的な謎が中途半端な扱いなのも不満です。後半になると劇的に盛り上がって冒険スリラーらしさを堪能できます。キャンピオンのパートナーとなるアマンダ初登場ということでシリーズファンには重要作です。なお新樹社版にはキャンピオンものショート・ショート「クリスマスの言葉」が一緒に収められており、こちらは非ミステリー作品ですが幻想的な雰囲気が印象的でアリンガムの文学性の一端を覗かせています。 |