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[ 冒険/スリラー/スパイ小説 ] 検屍官の領分 キャンピオン氏 |
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マージェリー・アリンガム | 出版月: 2005年01月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 1件 |
論創社 2005年01月 |
No.1 | 6点 | 空 | 2016/09/02 21:44 |
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タイトルにもかかわらず(原題 "Coroner' s Pidgin"。pidginは仕事のこと)、検屍官が登場する場面は最後の方5ページもないぐらいです。
本作ではキャンピオンが最初から活躍しています。彼が風呂に入っている時、偶然彼の家に死体が持ち込まれるという冗談みたいな冒頭から、話はもつれていき、戦時下、ドイツが裏で糸を引いている大規模な連続文化財盗難事件も絡んできて、検屍官が登場する最終章の前までは、実におもしろかったのです。 しかしその最終章での解決はあっけなく、もうちょっと盛り上げられなかったのかなという気もしました。その検屍官のセリフによる解決はキャンピオンが演出したはずですが、それも前章の終りからそうであると推測できるだけで、直接的な描写は全くないというさりげなさです。事件解決後に明かされるカラドス侯爵の不可解に思えた行動の理由については、なるほどと思わせられました。 |