皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ 本格/新本格 ] 封鎖館の魔 |
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| 飛鳥部勝則 | 出版月: 2026年02月 | 平均: 7.67点 | 書評数: 6件 |
![]() 星海社 2026年02月 |
| No.6 | 8点 | みりん | 2026/08/08 00:14 |
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| ほう…ここにきて王道の館ものとはずいぶん守りに入ったなアスカベさんよと心配したが、読んですぐに飛鳥部節炸裂で安心だ。この作者の女性キャラは今のところ2パターンくらいしかないと思われる(笑)
密室での顔面切断死体事件と、容疑者が全員密室に封鎖されていた中での殺人事件の2つが真逆の密室状況となっていて、過去の不可解な事件ともリンクするのが素晴らしい。流石カテリナ車輪の作者だなあ… また、犯人の動機についても、この登場人物達でしか説得力の持たないかつ他に類例の無さそうな禍々しいものであった。『抹殺ゴスゴッズ』と比べるとお話は結構退屈なんだけど、本格ミステリーとしては数段上かと思われます。堂々たる今年のベスト級(語れるほど読めてないけど) |
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| No.5 | 8点 | まさむね | 2026/07/23 23:17 |
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| 直球ど真ん中の館ミステリ、であると思う。過去から現在までの6つの事件に関わる謎が、それぞれに魅力的で、かつ、結末に結び付いていることが素晴らしい。開かれた密室での餓死、逆に密室に閉じ込められた中での死体の発覚など、大いに心をくすぐられます。そのうえでの、最終版の捻りも加えた絵解きは、グイグイと読まされました。動機がこれまた…。
これは、今年の各種ランキングで結構上位に位置付けられるのでは。(個人的には現時点での最高峰なのだけれど、未読の注目作品もあるからなぁ…。)ともかく、読んで損はない気がするのだけれども。 |
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| No.4 | 7点 | メルカトル | 2026/07/13 22:23 |
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| 封鎖館ーーそれは増改築を繰り返し無数の開かずの間を抱えた魔窟にして、妖しき殺人譚が伝わる怪奇の檻。
かつて芸術家たちが青春を謳歌した狂騒の館は、令和に至り新たな流血を求めた。 密室での顔面切断死体の発生から殺人は連続し、僻地に隔離された館は再び狂騒に満ちる。 芸術に身をやつす者たちの狂気の坩堝から、昭和、平成、令和を超えてついに示される「封鎖館の魔」の姿とはーー!? Amazon内容紹介より。 男女の絡みが多いせいか、ねっとりとした質感の作品になっていると思います。しかし館ミステリである事は間違いなく、隅々まで精緻に計算された出色の出来です。実質的な読者への挑戦も挟まれています。これは正に飛鳥部ファンの為に書かれた小説として屹立する質の高いミステリと言えるでしょう。 物語前半はやや間延びがして少々退屈でした。小出しにされる過去の事件は興味深いものがありますが、それ程詳しくは触れられていません。それが私にとっては残念ではありました。又登場人物は目立つ人間と没個性の人間に二分され、アンバランスな印象です。 メインとなるのは密室での顔面切断殺人事件で、そのトリックはちょっとアレですが・・・それにしてもそんなに上手く行くのかという疑問は抱かずにはいられませんでした。それに顔面切断だけで死ぬものですかねえ。 這う館、出入り可能な部屋での餓死死体、謎の蜘蛛男、車椅子の少女、美少年など魅力的なガジェット満載で、多くの伏線も回収されて、しかしミステリを取り除いてみれば最後に残ったのは男女の愛憎劇だったというね、悲劇ですよ。 |
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| No.3 | 8点 | レッドキング | 2026/06/05 06:23 |
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| 昨年、十数年ぶりに新作長編で復活し、それがまた、随分と張り切って盛った"大作"で、逆に心配したが、間を置かずに発表された今作は、おお、"本来"の飛鳥部勝則・・暗い美術ネタ、歪んだ情緒、露悪的なキャラ、ぐろコミカルな人間関係、見事な本格トリック技巧・・相変わらずの作者であった。
どんな偽悪的な"イヤミス系"でも女流作家ならば書かない(たぶん)様な・・島荘「占星術」サブねたの性別錯視トリックもそうだが・・そんなネタが、Whyダニット中央に居座っていて、エゲツないナぁ思ったが、考えてみたら、東野「白夜行」の主役男女を貫く重要な主題でもあった。 |
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| No.2 | 9点 | 虫暮部 | 2026/06/01 11:14 |
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| 単独で読めば十二分にぶっ飛んだ本格エログロ館ミステリなんだけど、なにしろ『抹殺ゴスゴッズ』の後だから比較的 “普通” に感じてしまったよ。
顔面切断って厳密な死因は何なんだろうか。顔の皮を剥がしても多分それだけでは死なないよね。頭蓋骨ごと脳が切断されるから? 呼吸や血流の問題? 生存そのものに不可欠なのは顔のどの部分? 登場人物達の奇矯さの方向性が相変わらずで、(愛読者にとっての)新味に欠けるとは言える。しかしトリックも思想も着地点も地に足が着いている。実は飛鳥部勝則史上最も破綻の少ない正統的長編かも。 |
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| No.1 | 6点 | kanamori | 2026/04/17 10:00 |
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| 人里から隔離された僻地に立ち、増改築を繰返し、多くの開かずの間を持つ歪な形態の「封鎖館」。持ち主や居住者を変えながら、過去、昭和平成の時代に妖しげな殺人や、不可解な事件が起きていたが、令和になって再び血塗れた連続殺人が起きる………。
昨年出たばかりの乱歩の通俗スリラー風の大作「抹殺ゴスゴッズ」に続く作者の復活作の第2弾は、一転して割とオーソドックスな”舘もの”の本格ミステリです。芸術家探偵・妹尾悠二が登場するシリーズの3作目になるのかな。 館の形態からして、いかにも”斜め屋敷”系のトリックが予想出来てしまうのがアレですが、出入り可能な部屋の中での餓死という不可解な事件や、密室の首切断死体、容疑者全員が部屋に封印された逆密室状態の殺人など、魅力的な謎の連打が読ませます。 関係者が画家や彫刻家・画廊オーナーと、絵画教室に来た高校生で、エキセントリックで個性的な人物が揃うのも作者らしい。なかでも車椅子の美少女の豹変ぶりには笑った。 狂言回しというか、二人の語り手がいて、屋敷に長年住み込んでいる物語の中心人物でもある洋画家・館真一と、高校生の小玉正に関して、それぞれ「恣意的な語り手」と、「客観的な語り手」と見抜く妹尾の洞察力がなかなか面白い。 |
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