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[ 本格/新本格 ]
黒と愛
飛鳥部勝則 出版月: 2010年09月 平均: 6.43点 書評数: 7件

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早川書房
2010年09月

No.7 6点 メルカトル 2024/07/06 22:12
奇妙に傾く狂気の城、奇傾城――血と内臓と腐肉が主題の絵画が集う一室に幽霊が出没する噂がたち、「探偵」亜久は心霊特番に協力して城を訪れる。遅れて「霊能リポーター」役の女子高生、全身黒服の少女・黒が現れ、亜久にそっと囁いた。「あなたは、鋏が好きですか」……やがて密室状況で、黒と親しい男がくだんの部屋で首を切断された。これは幽霊の凶行か? 呪わしく美しい純愛(変愛)本格ミステリ
Amazon内容紹介より。

力作であることは間違いないと思いますが、力の入れる方向があらぬ方へ行ってしまって、異形の作品になってしまっている、というのは作者の意図した事なのかどうか。私には判断できません。取り敢えず序章で私の心が鷲掴みにされたのは確かです。その後はとても真面な本格ミステリとは思えない程様々な要素が入り混じり、何がどう絡んでくるのか見当も付きません。

密室のトリックは最初の方がやられた感がありましたね。二つ目はなんだかよく理解出来ませんでしたが、一応そうなのかとは思えました。あまり感心はしませんけど。
まあ、愛と憎悪と怪奇と意表を突くトリックと血の濃い臭いと奇形と狂気と夢現などがカオスの如く脈動する、怪作と呼んで差し支えないと思います。好き嫌いがはっきり分かれる類の小説でしょう。

No.6 8点 虫暮部 2022/07/09 15:03
 歪な少年少女の青春物語からは目が離せない。破れかぶれのカタストロフも此処ではアリだと思う。
 ただ、名前を利用したあのトリック(しかも単に偶然共通なだけ)には脱力してしまった。舌先三寸でもいいから、あれに何らかの必然性を付与出来ていれば、隙無しだったんだけどな。
 タイトルは梶原一騎か。漫画からの引用はもう控えた方が良かったのでは。懲りない人だ。

No.5 5点 じきる 2021/01/20 01:41
伏線は一応張ってあるし、トリックもなるほどと思わされる部分はある。
ただ、ストーリーにいまいち入り込むことが出来ず、示門黒のキャラクターも好きになれなかった。

No.4 7点 レッドキング 2018/08/12 15:39
SFホラー(「孤島の鬼」オマージュの様な化物改造フリークネタ)と本格ミステリと学園ダークラノベのごった煮。で、本格ミステリとしては、新旧二つの密室殺人トリックと犯人叙述トリックを含み、評価はこの部分。新事件の方の密室トリックはベタベタの機械トリックでいただけないが、旧事件の密室錯視トリックは素晴らしい。

※作者はこの作品を最後に 以降まとまった長編を出していない。筆を折ってしまったのかな、今何してるんだろ。
その全作品を二読三読している作家は、この人と麻耶雄嵩くらいだ。傑作「殉教カテリナ車輪」以来どの作品にも魅力と同時に嫌悪を感じてきた。実は小説としてはあまり好きでない。が、ミステリ、特にトリックに対する真摯で愚直な研究と描写(模倣とも言えるが・)にはとても魅かれる。

No.3 4点 蟷螂の斧 2016/07/10 10:11
裏表紙より~『奇妙に傾く狂気の城、奇傾城―血と内臓と腐肉が主題の絵画が集う一室に幽霊が出没する噂がたち、“探偵”亜久は心霊特番に協力して城を訪れる。遅れて“霊能リポーター”役の女子高生、全身黒服の少女・黒が現れ、亜久にそっと囁いた。「あなたは、鋏が好きですか」…やがて密室状況で、黒と親しい男がくだんの部屋で首を切断された。これは幽霊の凶行か?呪わしく美しい純愛(変愛)本格ミステリ。』~
ツイッターベスト100の83位、読書Mでも高評価なので手に取りましたが、肌に合わず残念。純愛(恋愛)ものではありませんでした。序幕で「彼女は、両の肩から手首まで、びっしりと―」とあり、以前「ラミア虐殺」(低評価)を読んでおり、その続編か?と嫌な予感。主人公の女子高校生・黒に全く魅力がないので感情移入できず(登場人物の数人が彼女に魅了されるのですが・・・)。構成(犯人拘束の章→犯人の前日談の章)は奇をてらったものですが、果たして効果的であったかどうか疑問。その章に仕掛けがあるのですが、伏線が弱すぎアンフェア気味でしたね。動機も良くわからないし、犯人がそんなところにいていいんですか?と突っ込みどころが多し(苦笑)。

No.2 8点 黒い夢 2012/10/17 08:11
物語の構成が面白かったです。
そしてある仕掛けについては無理を感じるところもあったのですが、真相についてもとても満足しました。
終盤とんでもない展開もありますが、全体的な雰囲気も作者の作品にみられる独特なものでよかったと思います。

No.1 7点 いけお 2012/05/27 02:07
性別や名字等単純かつ不自然な叙述をわざと使用していて、深い。


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