海外/国内ミステリ小説の投稿型書評サイト
皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止 していません。ご注意を!

[ 本格/新本格 ]
ヴェロニカの鍵
飛鳥部勝則 出版月: 2001年09月 平均: 6.25点 書評数: 4件

書評を見る | 採点するジャンル投票


文藝春秋
2001年09月

No.4 7点 メルカトル 2024/03/19 22:46
創作に異様な執念を燃やす画家の謎の死。密室殺人、移動する死体、そして首の無い怪人。本格ミステリの醍醐味が凝縮された傑作!
『BOOK』データベースより。

飛鳥部勝則の長編の中で、おそらく最も絵画に寄った作品だと思います。と言うか片寄り過ぎてそれが何だかなあとなる人もいるでしょう。しかし、画家がこれ程、狂気を孕んだ人種なのかという本質に迫れるミステリ作家は他にいないのではないかと。勿論普遍的な意味ではありません、例えばある画家がいたとして、その人物が如何に偏執的に絵画に相対しているのかがしつこく描かれています。

ミステリ的には密室と死体がなぜ移動したのかの二本立てで、事件そのものはそんなに複雑なものではありません。言わばハウとホワイに尽きる訳で、単純なのに誰が探偵で誰が犯人なのかさえ最後の最後まで分かりません。終盤の謎解きは圧巻で構成も凝っています。確かにバランスは良くないかも知れませんが、飛鳥部らしい異端の本格ミステリであると評価してこの点数にしました。

No.3 6点 虫暮部 2021/06/03 11:17
 確かに一人の画家の死が描かれるものの、それと関係の乏しいサイド・ストーリーにもページが費やされ、読み終えて振り返るとミステリとしては歪な形で、それも作者は承知の上のようだが、謎がポツンと孤立する配置ではなく周囲との有機的なつながりがもっと欲しかった。某が冷静に対処していれば死ななかったかも、と言う皮肉な指摘には唸らされたけどね。

No.2 7点 レッドキング 2018/07/16 17:30
密室だ、やっぱり本格ものには密室が出てこないと。その上、「終わりゆく青春」の文学がハードボイルドちっくに展開し苦く決まり、個人的にハマった。

No.1 5点 いけお 2009/09/05 02:28
全体的な雰囲気はいいが、トリック?の内容や犯人、結末を知るともう少しコンパクトにまとまってもよかったと思う。


キーワードから探す
飛鳥部勝則
2010年09月
黒と愛
平均:6.50 / 書評数:6
2008年01月
堕天使拷問刑
平均:6.50 / 書評数:10
2005年07月
鏡陥穽
平均:2.67 / 書評数:3
2005年05月
誰のための綾織
平均:7.12 / 書評数:8
2004年08月
レオナルドの沈黙
平均:6.83 / 書評数:6
2003年10月
ラミア虐殺
平均:3.75 / 書評数:4
2002年04月
バラバの方を
平均:4.75 / 書評数:4
2001年09月
ヴェロニカの鍵
平均:6.25 / 書評数:4
2001年08月
冬のスフィンクス
平均:5.00 / 書評数:6
2000年11月
砂漠の薔薇
平均:6.00 / 書評数:7
1999年11月
N・Aの扉
平均:4.00 / 書評数:6
1999年09月
バベル消滅
平均:5.90 / 書評数:10
1998年10月
殉教カテリナ車輪
平均:7.35 / 書評数:20