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[ 短編集(分類不能) ] モース警部、最大の事件 モース主任警部シリーズ ほか |
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コリン・デクスター | 出版月: 1995年02月 | 平均: 5.75点 | 書評数: 4件 |
早川書房 1995年02月 |
早川書房 1999年12月 |
No.4 | 6点 | レッドキング | 2022/10/08 13:32 |
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デクスター短編集。 長さからしても、本格より小噺・ファルス・コントの匂いがして・・・
「エヴァンズ、初級ドイツ語を試みる」 超ルパン級脱獄名人のテク噺し。6点 「ドードーは死んだ」 半世紀昔の幻の女を求めて・・知らぬが華とも言うが・・6点 「世間の奴らは騙されやすい」 懐かしき映画「スティング」思わせるカモり譚。5点 「近所の見張り」 警部・博士・怪盗、三つ巴の「赤毛連盟」合戦 7点 「花婿は消えた」 ドイル「(花婿の)正体」の変奏曲「女の正体」に、二重ツイスト楽章が追加され・・8点 「内幕の物語」 夫・妻・夫の愛人・妻の愛人、作中作をはめた二重騙し絵パズルが見事。8点 「偽物」 堀の中でしか生きられない囚人のドンデン返し小噺。5点 「最後の電話」 教授、妻の学者、高級娼婦の愛人・・殺人ドンデン(でなくトントン)返し劇。5点 その他、「信頼できる警察」「モンティの拳銃」及び表題作は・・うーん、採点対象外。 |
No.3 | 6点 | 雪 | 2019/08/08 08:26 |
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モース主任警部もの5作にツイストを利かせた作品やホームズパスティーシュなど中篇2作を含む、全11編を収録した多彩な作品集。年代的には「世間の奴らは騙されやすい」からボーナストラックの「信頼できる警察」まで、ほぼ十五年間に渡ります。これは英国では、短篇小説のためのマーケットが極めて限られているからだそう。原題 "Morse's Greatest Mystery and Other Stories"。1993年刊。
かなり良い短編集で、特にモース物はキャラや世界観がきちんと確立しているだけに、ウィスキーの香りというか読んでてコクがあります。イギリス・ミステリ傑作選既収の二作を筆頭に、非モース物の方が捻りは利いてはいますが。アイデアに加えてプラスアルファがあると強いですね。 そんなわけでトップ3はいずれもモース登場作品で、皮肉な盗難張り込みの顛末を描いた「近所の見張り」、若島正さんお薦めの「ドードーは死んだ」、被害者がコンクールに応募した短篇ミステリを分析し、殺人事件を解決するミニ長編「内幕の物語」。この三つ。いずれも中身が詰まってます。ドイルの「花婿失踪事件」を下敷きにした「花婿は消えた?」と、艶笑譚「モンティの拳銃」も悪くないですが。 中軸は充実してますが、巻頭と巻末は少し弱い。これらが同レベルなら7点は固かったでしょう。なおクリスマス・ストーリーでもある表題作のタイトルは、「モース警部の大いなる謎」くらいに解釈すべきだと思います。 |
No.2 | 6点 | E-BANKER | 2015/09/23 17:43 |
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十五年間に渡り、雑誌等の媒体にランダムに発表された短編をまとめた作品集。
巻末解説者によると、作者の短編集は他に発表されることはないだろう、とのことだが・・・ ①「信頼できる警察」=モース警部もので中編と呼べる分量の一編。タイトルからして皮肉な雰囲気だが、実際のストーリーも皮肉orツイストの効いている。短編でもモース警部=ルイス部長刑事のコンビは不変。 ②「モース警部、最大の事件」=タイトルからすると「フレンチ警部最大の事件」を意識しているのかと思いきや、この分量の短さは何だ!? 『最大』の意味がイマイチ伝わってこなかったのだが・・・ ③「エヴァンス、初級ドイツ語を試みる」=囚人であるエヴァンスがドイツ語の検定を受けることに・・・。で、やっぱり途中で大事件が発生することになる。これは非モース警部もの。 ④「ドードーは死んだ」=巻末解説者もお勧めの一編。確かにこれが一番短篇っぽいプロットかも。 ⑤「世間の奴らは騙されやすい」=これも非モースもの。カジノを舞台にして、ブラックジャック(だよね)での単純なイカサマを巡る虚々実々の駆け引きが描かれる・・・と思いきやアッというラストが用意されている。 ⑥「近所の見張り」=再びモースもの。これは短篇ぽくって個人的に好きなプロット。道化師役を演じさせられるモース警部が哀れだが、その姿が実に映像的に頭に思い浮かんでしまった。これって詐欺なんかの典型的手法だよね・・・ ⑦「花婿は消えた!」=シャーロック・ホームズの名短編「花婿失踪事件」(「シャーロック・ホームズの冒険」収録)を下敷きとしたパスティーシュ作品。ホームズの実兄・マイクロフトも登場するのだが、兄弟間の皮肉の効いた応酬もさること、ツイスト効かせまくりのラストがさすがに旨い! ⑧「内幕の物語」=①と並び中編レベルの一編。いわゆる“作中作”のプロットを採用しているが、日本の新本格みたいに叙述系トリックが用意されているわけではない。 ⑨「モンティの拳銃」=職場の上司に妻を寝取られた夫が、上司の男に向かって銃口を向ける、のだが・・・。結局、女性の方が一枚も二枚も上ということだろう。 ⑩「偽物」=模範囚⇒脱獄、を繰り返す囚人。今回も監視員の目を盗んで脱獄したのだが、やはり途中で捕まってしまう。でも、これは本物or偽物? ⑪「最後の電話」=毒殺された男に最後に電話をかけたのは妻or愛人? というわけなのだが、ラストはちょっとよく分からなかった。 以上11編。 実にバラエティに富んだ作品集。モース警部ものがメインだが、非モースものにむしろ佳作が多い感じ。 ちょっと分かりにくい表現も多くて、100%面白さが理解できているかというと微妙なところがやや残念。 まっでも、デクスターファンなら必読。それ以外の方でも十分楽しめる水準ではあった。 ただ、モース警部ものならやっぱり長編だな。 (個人的ベストは⑦のパスティーシュ。④⑥の非モースものが次点って感じ・・・) |
No.1 | 5点 | ボナンザ | 2015/07/20 11:32 |
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モースものを含めた多彩な11編。皮肉がきいたものから上質なパズルまで粒ぞろい。 |