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[ SF/ファンタジー ]
宇宙戦争
ハーバート・ジョージ・ウェルズ 出版月: 1963年01月 平均: 7.00点 書評数: 1件

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早川書房
1963年01月

角川書店
1967年01月

早川書房
2005年04月

東京創元社
2005年06月

KADOKAWA
2016年03月

No.1 7点 クリスティ再読 2021/04/19 23:19
SF大古典だけど、予断をなくして読むと、これは「戦争」の小説のように思われる。
突然の脅威と、それにパニックを起こして逃げ出す人々。軍隊は時折一矢報いるように見えるが、初めて目にする兵器に手も足も出ず、圧倒的な戦力差に蹂躙される都市....
いや、この小説を読んでいて、脳裏に浮かんだのは、なによりもゴジラ第1作だった。あの映画も、遅ればせながらの「戦争」の映画であり、ゴジラの猛威という「架空」によって、あらためて戦災の理不尽を噛みしめなおした映画のように感じられる。しかしこの「宇宙戦争」とはベクトルが真逆なのが、面白い。「宇宙戦争」は普仏戦争以降50年近くヨーロッパに平和が続いたそのただ中で、来るべき第一次世界大戦を幻視していたようにも感じられるのだ。毒ガスと戦車、飛行機、ロケット弾による戦争が作家の空想の中から、現実化していった...と思うと、実にこれが「SFならざるSF」のようにも思えて、文明評論家ウェルズの面目躍如のようにも感じられる。
そういう、戦争と難民の小説である。


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ハーバート・ジョージ・ウェルズ
2010年07月
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