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[ 本格/新本格 ]
虚無への供物
1964年の元版および複数の版は「塔晶夫」名義で刊行
中井英夫 出版月: 1905年05月 平均: 7.25点 書評数: 40件

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講談社
1905年05月
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No.20 8点 TON2 2012/11/20 18:08
ミステリーの三大奇書といわれる古典的名作。正直衒学趣味満載の「黒死館」より読みやすく、分かりやすかったです。しかし、結末は情緒的で殺人事件の謎も残ったままで中途半端ですが、そこにも人気があるようです。
途中の素人探偵たちの推理合戦は、どのアイデアでも1冊の小説ができそうで、ぜいたくな内容だと思いました。
ネタばれもありますが、古今東西のミズテリーの名作も引用され、それらの作品を読んでいることも不可欠かもしれなません。あるいは、そうしたマニアしか作者の眼中にないのかもしれません。
何度も読み返すことができる作品だと感じました。

No.19 4点 好兵衛 2011/04/24 01:06
元祖というところを評価して4点。

それ以外はつまらないミステリといった感じ。
なんといっても、
探偵の推理合戦などを生み出したことには
価値があるだろうと思う。
上下巻分かれたものを読んだが引きが面白かっただけに
下巻(謎解き部分)は面白くなかった。

謎解き部分だけだったら腹が立つ出来栄え。

全部やった、って感じでしょうか。
論理的には穴だらけだし、
解決を何故あんなに普通にしたのだろう。
あれだけ推理合戦で膨らませておいて。
こんなんだったらそこらじゅうにある。
どうせなら解決もぶっ飛んだ方がよかったのでは。

アンチミステリとしてのとび具合もいまいち。
幻想的小説の方が中井氏は好きだ。

No.18 6点 メルカトル 2010/06/12 23:49
著者自身が本作を評して、初めて「アンチミステリ」と呼んだといわれている。つまり元祖アンチミステリ、という事になるだろう。
みなさんおっしゃるように、三大奇書の中では格段に読みやすい。
しかし、その後のアンチミステリの進化を見てみると、もはや「元祖」という存在意義以外はそれ程の重要性や特化性を見出せない。
当時としては画期的だったと思われるアンチ形態も、現在では色褪せてしまっているようだ。
今や、ミステり界における過去の大いなる遺産となってしまったのだろうか。

No.17 9点 kanamori 2010/03/14 22:09
―――その人々に

「アンチ・ミステリの金字塔」はともかく「すべての探偵小説はこの一作を超えられない運命にある。」というのは、ちょっと大袈裟だと思いますが、物議をかもす怪物的小説であることはたしかでしょう。
連続密室殺人や五色の薔薇の暗合に引き込まれ、推理合戦に狂喜した段階で、作者の術中にはまっていることになるのかな。
読者をある方向に誘導するためだけに、小説のほとんどが費やされている感じです。
さしずめ、ミステリ書評サイトに投稿して好き勝手なことを書き、嬉々として点数をつけてるような輩は、まちがいなく、献辞に書かれた「その人々」の最前列に位置することになるんでしょうね。

No.16 6点 STAR 2010/02/23 11:40
有名なのだし、新装版が出ていたので、「どんなものか」と読んでみました。良くも悪くもすごいものを読んだという感じです。
長すぎる気がします。でも登場人物が麻雀しながらの推理とか部分的にはおもしろいところもありました。

No.15 9点 okutetsu 2010/02/17 15:53
凄いものを読んでしまったなという感想。
というか今でも全然理解しきれてない感じはあります。
物語としては無駄じゃないかと思えるほど冗長な部分もありますがそれもある意味では伏線なんでしょう。
評する言葉は見つかりませんがアンチミステリというものに触れられた満足感はあります。

No.14 4点 文生 2010/01/22 13:27
日本ミステリー史上に残る名作だが、私には得々として迷推理を語る登場人物たちについていけませんでした。

No.13 9点 いけお 2009/10/21 01:44
重厚な内容に満足だったが後半はややテンポが悪いかも。
惜し気もなくちりばめられたトリックの一つずつに、もう少し説得力があるとさらに良かった。

No.12 9点 isurrender 2009/07/22 01:18
初めて読んだ、アンチ作品ですかね
探偵たちの推理合戦でどんな結末が待っているのかと思いきや予想をはるかに裏返す結末
衝撃はかなりありました

No.11 5点 江守森江 2009/07/10 04:56
読まねばなるまいと思いつつ後回しにしていた。
3大奇書との評判と厚さから長期戦覚悟で読んでみた。
読みやすくサラッと読了した(解説等が沢山付され、そっちは読みにくい)
今となってはどこが奇書なのか?と悩む辺りに時代の隔たりを感じる。
結末からアンチ・ミステリと称されるが、それを書く上での本格ミステリ部分にも時代の隔たりを感じる為、元祖アンチとしての歴史的価値以外はさほど評価できない。
現在の作家達にも転用されている推理合戦やダミー推理は大好きな構成なので、その点は非常に楽しく読んだ。

No.10 5点 測量ボ-イ 2009/05/03 16:49
この作品の良さを理解するには、僕は少し頭悪いのかも・・
評価が難しい作品です。謎の解明もよく判らないところがあ
りました。

No.9 4点 nukkam 2009/03/11 11:51
(ネタバレなしです) 1964年発表の本書は幻想文学作家の中井英夫(1922-1993)の唯一のミステリーにして作者自らアンチミステリーと宣言した問題作です。但しなぜアンチなのかの説明はされず、現在もアンチの定義については諸説が飛び交っているようです(私はさっぱり理解できませんでした)。小栗虫太郎の「黒死館殺人事件」(1934年)、夢野久作の「ドグラ・マグラ」(1935年)と共に国内ミステリー3大奇書と評価される作品です。他の2作品に比べれば読みやすい作品ですがそれでも奇書は奇書、事件は起きるが臨場感のない描写、推理とも空論とも判断しがたい会話の連続とプロットは微妙に抽象的でどこか居心地が悪いです。そして曖昧で空虚な印象を残す結末、これは読み手を選ぶ作品ですね。

No.8 4点 VOLKS 2008/11/16 17:37
読解力の低さ故か、読み終わってみれば心に響くものも無く、読んでいる最中もあまり引き込まれなかった。
正直、長かった。

No.7 10点 touko 2008/09/10 19:06
もう15年近く前、ミドルティーンの頃に読んだけれど、まだ初読の際のドキドキ感や面白かった場面を覚えています。麻雀しながらの推理合戦とか本当に面白かったなあ……。
推理小説って読んでいる間は面白くても、オチで感心したら、すぐに忘れてしまう私にも、普通の物語としても印象に残っているんです。

中井氏の他作品を読むと(ほぼ著書は読んでいます)、経歴上、この結末にせざるを得ない、切羽詰った心情はわかるのですが、ミステリマニアには不満かもしれません。
そのためアンチミステリと言われてますが、見世物小屋的なエンターティメントとしても一級品で、読みやすいし、とにかく楽しめますので、古い作品だからと敬遠しないで、まだ読んでいない方はぜひ。

No.6 3点 ロビン 2008/09/07 19:07
読後に、実際に起こった事件から着想を得たということを知り、「犯人の御見物衆に対する指摘」の意味が分かった。アンチってこういうことですか。
古典のわりには読みやすいという感想が多いが、現代っ子の自分には言葉も世界観も、登場人物たちが次々と披露する見当違いの迷推理も、ほぼ理解できませんでした。
ただ、最後の最後にようやく明かされる真相だけが唯一論理的だったので、それが救いです。

ちなみに久生は大嫌いです。

No.5 9点 ぴあん 2008/06/25 22:33
贅沢の極み。
何本か長編が書けそうな位のネタを惜しげもなく使い、せっせと積み重ねてきたミステリという世界観を、最後の最後でドカンと叩き壊してみせる。アンチの頂点に立つにふさわしい作品では。なんかもう、お腹いっぱいですって感じ。

No.4 4点 こう 2008/05/12 00:17
 アンチミステリ好きであれば10点だと思います。長い割りには文章も読みにくくはないと思います。採点はかなり分かれると思いますが個人的には合いませんでした。

No.3 10点 にくきゅう 2008/03/15 12:54
日本推理小説史上の最高傑作

藤木田老が面白い

No.2 7点 Tetchy 2008/02/12 23:05
ヒヌマ・マーダー・ケース。
サロメとか色々なガジェットが楽しかった本書。
『黒死館殺人事件』、『ドグラ・マグラ』と並んで3大ミステリと評される本書だが、確かに意外と読みやすい。
でも内容はちょっと古めかしいかな。
二階堂黎人の作品を読み慣れた人なら、そうは思わないかもしれない。
ただ殺人現場の真相が図面もないのに、アレでは納得が行かないんだけど・・・。

No.1 8点 vivi 2008/01/30 01:56
アンチミステリと呼ばれるこの作品。
普通のミステリ好きな私には敷居が高かったけれど、
色々な作家の先生方が名前を挙げる書名なので読んでみました。

読んで驚いたのは、思ったほど文章やキャラが古臭くないこと。
怒涛のごとく進んでいく事件にどんどんのめり込んでいきました。
そして、最後の結末。
なるほどな~と、つい納得させられました。


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中井英夫
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