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章の終り
ナイジェル・ストレンジウェイズシリーズ
ニコラス・ブレイク 出版月: 1958年01月 平均: 5.50点 書評数: 2件

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早川書房
1958年01月

早川書房
1958年01月

早川書房
1977年02月

No.2 5点 nukkam 2020/01/10 21:26
(ネタバレなしです) 1957年発表のナイジェル・ストレンジウェイズシリーズ第12作の本格派推理小説です。出版社を舞台にした1種のビブリオ・ミステリーですが、半世紀以上前の作品ですから本書で語られる出版業界描写が現代の出版業界とどれだけ相違点があるかは私には未知数です。ナイジェルへの依頼は原稿から削除されるはずの描写が何者かによって削除取消(イキ)の処理をされてそのまま出版、名誉毀損の訴訟に発展した事件の犯人探しです。ユニークな謎ですが長編ミステリーを支える謎としては弱いと思います。ブレイクよりはF・W・クロフツが扱いそうな企業犯罪の謎ですね(そういえば本書の出版年にクロフツが亡くなったのを思い出しました)。殺人事件がすぐに起きない展開ということもあって序盤の伏線は大概スルーされるでしょう。事件が起きてからも地味な展開に終始しており、推理説明はしっかりしているし動機に絡む心理分析が丁寧なのもこの作者らしいですが、やはりもう少し全体を盛り上げる工夫は欲しかったです。

No.1 6点 2011/10/05 22:19
ブレイクの作品は、ずいぶん前に例の『野獣死すべし』を読んだことがあるだけだったのですが、本作はそのような構成の工夫はない、普通のフーダニットです。
ノンフィクションを中心とした出版社が舞台ということで、目次は「組み始め」から始まり、「初校」だの「戻す」だのがあって「校了」で締めるという印刷業の言葉を集めているのですが、読んでみると内容が小見出しとうまくからんでいるというほどではありませんでした。
途中ストレンジウェイズとライト警部の間で交わされる推理は、ああも考えられる、こうも考えられるとやりあっていて、真相がどちらなのか、あるいは他に可能性はないのか、不明瞭なままに読者を放置します。犯人は一列に並んだ容疑者のうちの一人ということで、特に強烈なミスディレクションもないので、誰が犯人であってもさほど意外性はありません。それでも、捜査の展開はうまく、最後まで楽しませてくれました。最後の犯人に対する罠の意味も、さわやかにまとまっています。


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ニコラス・ブレイク
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死の翌朝
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章の終り
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野獣死すべし
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不明
ビール工場殺人事件
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