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[ クライム/倒叙 ]
最後の審判
ウィリアム・P・マッギヴァーン 出版月: 1962年10月 平均: 5.00点 書評数: 1件

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東京創元社
1962年10月

No.1 5点 クリスティ再読 2017/07/27 21:05
マッギヴァーンでも初期の作品。悪徳警官でも文学性が高いわけでもない、「郵便配達は二度ベルを鳴らす」調の標準的な犯罪小説。
シカゴのノミ屋ジョニーは、惚れた女アリスの亭主フランクが、戦地から帰還したことで、うまく亭主を片付けてアリスを手に入れる賭けにでざるを得なかった...フランクをハメる罠をジョニーは仕掛けるが、どんどんと想定外のことが起きていって、ジョニーは次第にドツボに嵌まっていく
という感じの小説。ノミ屋に道徳を期待しちゃいけないが、ジョニーはかなりワルい奴。それこそ夜鷹を殺して堀に蹴こんで「こいつぁ春から演技がええわえ」と嘯くお嬢吉三風の、しれっとした悪党。なので、ドツボに嵌まっていくのにあまり同情の余地はないな。犯行計画は他力本願なのがリアルだが、その分面白味は薄い。少しだけ捨て台詞風のうっちゃりもあるが、大したものではない。
スルスルと読めてそこそこ楽しめるが、それだけ。けなす必要はないが、積極的にほめる材料には乏しい。マッギヴァーンで最初から器用だけど、深まるのはもう少し後だしね。


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