home

ミステリの祭典

login
spam-musubiさんの登録情報
平均点:5.70点 書評数:192件

プロフィール| 書評

No.152 4点 三つ首塔
横溝正史
(2010/08/26 15:41登録)
ミステリではあるが、サスペンスというか活劇的な部分がメイン。
それなりにスリリングな部分があるが、謎解きとしての面白さは今ひとつ。
途中まで大した伏線もなく、終盤のある場面で突然、「あ、こいつ犯人なんだ」と
わかってしまい(誰でもわかる)、違う意味でびっくりした。

全くの余談ですが、この本、30年ぶり(中学以来)の再読。
ストーリーは全く覚えていなかったのですが、「エロかった」ことだけは
鮮明に覚えていました(笑)


No.151 7点 レイクサイド
東野圭吾
(2010/08/24 21:55登録)
ずっと主人公に共感を持てずに進んだが、最後の最後で
(倫理的にどうかという問題はあるが)すっきりした。

この先この家族は、それぞれに心に闇を抱えながらも、
それでも寄り添って生きていくんだろう。
それはそれで幸せなのではないかという気がする。


No.150 3点 向日葵の咲かない夏
道尾秀介
(2010/08/19 10:14登録)
世界観に納得がいかない。後味が悪い。
好感が持てるキャラクターはミカちゃんくらいで
主人公へ感情移入もできず仕舞い。


No.149 7点 女王蜂
横溝正史
(2010/08/05 12:21登録)
琴絵・智子親子の美しさ・魅力、いや魔力に尽きるのでしょうね。
周囲の人間は、あの人もあの人もあの人も、この魔力に呑まれて
身を持ち崩してしまった。

ミステリーとしては、whoもwhyもhowも正直驚きはありませんが、
智子萌え小説として十分に楽しめました。
生まれながらに女王としての貫禄があり、かつコケティッシュで
周囲の男が虜にならざるを得ないような・・・
今の若い女優さんだと誰がいいですかね~~、難しいw

次々と人が死んでいく陰惨な物語にも関わらず、
最後がハッピーエンドなのもいいですね
(金田一シリーズでは八つ墓村に次ぐハッピーさ)。

ただ、金田一、お前はな、目の前で人を殺されすぎだろ。
せめて最後の2人は殺さずに済んだんじゃ・・・


No.148 6点 転・送・密・室
西澤保彦
(2010/08/02 19:42登録)
短編なので仕方ないが、保坂さんが鬼のように
きれっきれ。推理というほど推理をする場面もなく
唐突にスパーーーーーーーンと真相を口にする。
SFミステリとしては、まずまずといった感じ。

シリーズ物として捉えると、本篇の意味というのは
響子ちゃんと謎の女性編集者(リキ)が登場したこと。
女性編集者は、謎を残したままなので先行きが大いに
気にかかる。

ま、このシリーズは神麻さん萌えに徹している私なので、
単純に楽しめました^^


No.147 6点 焦茶色のパステル
岡嶋二人
(2010/07/26 17:13登録)
ミステリよりは競馬に詳しいので(笑)、この動機はまぁ納得。

今さら「タニノギムレットはブライアンズタイムの
仔ではなかった」→「じゃあウオッカの記録は全て無効??」
とかなったら、まさに日本競馬はパニック状態だもんね。

ただ、殺人方法とその隠蔽方法(アリバイトリック)は
比較的平凡で、何も心動かされるところはなかった。
競馬好きでない限りは点数が低くなると思う。


No.146 7点 奇想、天を動かす
島田荘司
(2010/07/19 10:23登録)
一歩間違えば荒唐無稽とも思えるこの壮大さ。
この作者にしか描きえない作品です。吉敷シリーズは比較的
地味目な作品が多いですが、これは作者らしさが存分に出ていて
実に楽しめます。

列車をつまみあげる大入道、歩き出す首無し死体、消えるピエロ・・・
これをファンタジー方向に向かわず、徹頭徹尾理屈で解決し切るあたり、
弟子の綾辻氏あたりと比べ、役者の違いを感じてしますところ。

ただ、歴史的に事実関係について明確になっていないはずの朝鮮人連行問題等に
ついて、やや入れ込み過剰気味なのが残念。


No.145 4点 猿島館の殺人~モンキー・パズル~
折原一
(2010/07/19 10:18登録)
パロディ部分を楽しめるかどうか、でしょうね。

そこが肝の作品。


No.144 6点 点と線
松本清張
(2010/06/24 19:46登録)
社会派推理小説時代の幕を開いた記念碑的作品。

犯人は途中で明確になるので、膨大なアリバイを
どう切り崩すかという点での、警察と犯人の勝負を
追ったストーリー。
本当に「鉄壁」に思えるアリバイ崩しは見ごたえがある。

が、途中でなぞ解きを意識しないタチの自分ですら
「飛行機はこの時代飛んでなかったのかな・・・?」と
思ってしまったくらいで、警察が気づくのが遅すぎないか。

また、最後に犯人との対決場面がないのももう一つ
拍子抜け。

名作に敬意を払いつつこの点数。


No.143 6点 諏訪湖マジック
二階堂黎人
(2010/06/21 18:50登録)
時刻表ミステリ。
全体にキレイな流れで伏線を回収しており、
最後のちょっとしたどんでん返しも用意されていて
よくできた作品だと感じる。

ただ、エピローグ(逮捕後)でもまだ犯人は犯行を
否認しているあたり、(状況証拠は山ほどあったが)
物的証拠が弱かったんではないか?という疑問が
少々残った。

このシリーズ初読ですが、少々とぼけた探偵役というのは
雰囲気が軽くなって個人的には好きですね
(御手洗潔、金田一耕介等々)。


No.142 6点 鬼流殺生祭
貫井徳郎
(2010/06/21 18:38登録)
全体の流れはなかなか面白かった。殺人トリックと
霧生家の秘密で引っ張る筆力はさすが。

ただ、ミステリの種として、精神的障害・肉体的障害
(例:多重人格、両性具有)持ちこむのはあまり好き
ではない。

それからあの家の構造。他の部屋を通らないと廊下へ出られ
ないとか、あまりにもおかしすぎる。


No.141 5点 天国からの銃弾
島田荘司
(2010/06/09 13:33登録)
短編が3編。
さすがの筆力で引き込まれたが、いわゆる本格ミステリではないので、
このHPではこの点数。

表題作は、被害者やその家族も真っ当な人間とは言い難く、
感情移入がしづらかった。


No.140 7点 死者が飲む水
島田荘司
(2010/06/04 11:50登録)
御手洗の対極にあるような、牛越刑事の地道な地道な
捜査活動にひきこかれるものがあった。

この手の派手なトリックは、ともすると理由が薄く
「トリックのためのトリック」になりがちだが、
犯人がこのトリックを弄した理由も納得性が高く、
すっきりと腑に落ちる。


No.139 5点 高山殺人行1/2の女
島田荘司
(2010/05/29 21:57登録)
探偵役不在。それ以前に殺人が起こらないミステリー。
一本道で途中だれたが、解決編の小気味よさはまずまず。

トラベルミステリ=鉄道、という状況に
一石を投じた、という意味あいは大きいと思うが、
本格ミステリとしてみたときにはいまいち。


No.138 4点 確率2/2の死
島田荘司
(2010/05/28 13:52登録)
ページ数も少なく、内容的にもあまり残らない。

が、今(2010年5月)たまたま琴光喜の野球賭博事件が
話題になってるので、妙にリアリティーがあったw


No.137 4点 沈黙者
折原一
(2010/05/24 03:00登録)
沈黙者の正体が最大のキーなのだが、
誰だかわかっても(当てられはしなかったが)
「あぁ、なるほどね~」といった程度にしか
感じられなかった。


No.136 3点 ジェシカが駆け抜けた七年間について
歌野晶午
(2010/05/19 17:25登録)
時刻の数え方が違ったところで、暦も疑わなければ
ならなかったか……って、わかるわけないだろ。

叙述トリックもさることながら、ストーリー構成にも
疑問が残る。日本人男性2人が出てきた章は
完全に読者を惑わせるためだけのものなのだろうか。
だとしたらあまりにあざとすぎる。


No.135 3点 プリズム
貫井徳郎
(2010/05/16 09:00登録)
全体の構成はとても面白く、ぐいぐいと引き込まれながら読んだ。
が、この宙ぶらりんなラストはどうにも受け付けられない。


No.134 7点 世界の終わり、あるいは始まり
歌野晶午
(2010/05/13 12:43登録)
てっきりミステリだと思って読み進めたので
ものすごい裏切られ感。

読み進むうちに、「一体これはどんなラストを
用意しているんだろう」ということに非常に
興味が出始め、読みやすい文章もあってどんどんと
ページが進んだ。
こんなにオチが楽しみだったのは久しぶり。

オチもある意味でびっくり。こんなんでいいの???
という気もするが、ま、徹頭徹尾裏切られ続けるのも
たまにはいいかも。

結局雄介くんは犯人なのか否か。
読者の想像にお任せします、というのはある意味、
東野圭吾の「彼女を殺した」シリーズに通ずる
ものがあるのかな。


No.133 7点 本陣殺人事件
横溝正史
(2010/04/29 08:10登録)
わたしのアタマでは、トリックを想像しきれなかったのが
残念。映像で見たい。

この人の作品には、犬神家の逆さま死体、悪魔が来たりて
笛を吹くのメロディに隠された秘密、獄門島他の見立て殺人
などなど、映像化されたときにより際立つ作品が多い
気がする。

192中の書評を表示しています 41 - 60