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ミステリの祭典

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八二一さんの登録情報
平均点:5.77点 書評数:445件

プロフィール| 書評

No.25 5点 庵堂三兄弟の聖職
真藤順丈
(2019/10/11 19:47登録)
第十五回日本ホラー小説大賞受賞作だが、いわゆるホラーを期待して読むと肩透かしを食らう。グロテスクに装飾された、兄弟の再生の物語。題材の選択、設定のふくらませかた、キャラクターなど、全てが奇跡的にうまく噛み合って生まれた、他に類のない作品。


No.24 6点 ルシアナ・Bの緩慢なる死
ギジェルモ・マルティネス
(2019/10/06 20:35登録)
ミステリのためのミステリをメタ方式で熟考する邪推する喜びの書。心理サスペンス調だが、一種のホラーとしても読める。南米は馬鹿にできないと思った作品。


No.23 4点 夢で殺した少女
ベネット・ダヴリン
(2019/10/06 20:31登録)
出だしからは予想もつかない着地点。薬の謎とトリップ中の映像がリンクし、疾走感に富むサスペンスに仕上がっている。ややオカルトがかった設定で、物語半ばで明かされるネタに思わず本を落としそうになる、衝撃のバカミス。人物造詣は今ひとつ。


No.22 5点 無伴奏
太田忠司
(2019/10/06 20:25登録)
ミステリの幅と奥行きを思い知る、しみじみと味わい深い作品。ハードボイルドだが、故郷へ帰った元警察官の感慨に情緒あり。


No.21 5点 死を騙る男
インガー・アッシュ・ウルフ
(2019/10/01 20:33登録)
小さな街の警察署が、広域殺人事件に巻き込まれる。心理描写、キャラ設定が秀逸。独創的な設定と圧倒的な迫力で物語に引き込まれる。主人公は六十代の女性警部補。痛む体に鞭打っての捜査は、つい応援したくなる。


No.20 5点 リトル・ブラザー
コリイ・ドクトロウ
(2019/10/01 20:30登録)
国家権力の横暴に若い力で対抗する、反骨精神あふれた青春小説。「自由」であることの意味を再確認させられる重いテーマでありながら、青春小説としてのライトな部分もしっかり残したエンターテインメント。


No.19 5点 冷血の彼方
マイケル・ジェネリン
(2019/10/01 20:27登録)
中年の女刑事ヤナと、ロシアのお坊ちゃん刑事の取り合わせの妙。「驚愕の」などという形容詞がつくような派手なストーリーではありませんが、地味なのに読ませる。スロヴァキアが身近に感じられるようになった。


No.18 4点 コンラッド・ハーストの正体
ケヴィン・ウィグノール
(2019/09/26 22:15登録)
あれよあれよという間に意外な方向に進む物語が、非常に皮肉で面白い。殺し屋の自分探しの旅。謀略・暗殺物語のみならず、純愛ものとして読めばまた一興。


No.17 5点 この世界、そして花火
ジム・トンプスン
(2019/09/26 22:12登録)
禁断の愛を描いた表題作他、暗黒ノワール作家のエッセンス満載。どん詰まり感に酔い、奇妙な味を愉しみ、ホラー作家としての可能性を再認識。


No.16 6点 極限捜査
オレン・スタインハウアー
(2019/09/26 22:10登録)
鋼鉄のワイヤーを張り詰めたような緊迫感が全篇を覆う、中年男の懊悩を描いた警察小説。とにかく最後の三十五ページが強烈。国家の独裁化が進む中で、アイロニーと恐怖に彩られた主人公の運命に固唾を呑んだ。


No.15 5点 ポルトガルの四月
浅暮三文
(2019/09/23 10:29登録)
シリアスで濃密な文体が、タッチはそのままスラップスティックと化していく奇妙さ、人の五感の奥深さが作者らしい変態さで表現されていて良い(誉め言葉です)。記憶を巡って右往左往する悪党たちがコミカルで楽しい。


No.14 5点 TOKYO BLACKOUT
福田和代
(2019/09/23 10:23登録)
一流のプログラマーが書き上げたかのような、無駄も無理も余剰もない精緻にして機能美に満ちたサスペンス。犯人の行動に納得できない点はあるが、アクション小説としても楽しませてくれる。


No.13 5点 緑の毒
桐野夏生
(2019/09/23 10:19登録)
男性優位社会の愚かな一面を連続レイプという犯罪を通して描く、滑稽小説。連続レイプ魔と被害者たちの大戦争。誰かが口をつぐんだり保身に走ったりは一切なしの自爆戦。怖いです。


No.12 5点 バイロケーション
法条遥
(2019/09/20 07:31登録)
緊密なルールに基づくホラーサスペンス。ロジカルに制御された緊迫した展開が全編を覆いつくす。ホラー的題材をSFミステリに仕立てており、幕切れも美しい。


No.11 5点 狩場最悪の航海記
山口雅也
(2019/09/20 07:27登録)
幻想冒険譚とミステリが融合した作品。奇想と珍談で構築された壮大なホラ偽史が楽しく、過剰な註釈も蘊蓄満載で愉快。


No.10 5点 栄冠を君に
水原秀策
(2019/09/20 07:23登録)
ことごとく予想を裏切るプロットに楽しませてもらった。心の中の獣性を描いた小説としても水準作。甲子園を目指す野球部の高校生と殺人事件を絡ませるという設定が泣かせる。


No.9 4点 ライフ・ゴーズ・オン
東山彰良
(2019/09/17 14:09登録)
ミステリか微妙だが、この透明な死生観とクールすぎる文体のもたらす酔いはパルプ・ノワールのそれといえる。少年の心のダークサイドをビビッドに描いて、読み手の心をヒリヒリさせる成長の物語。


No.8 5点 死美人辻馬車
北原尚彦
(2019/09/17 14:05登録)
ヴィクトリア朝英国に怪異が発生するという、我々にとって二重の異界化。自家薬龍中のディテールに加え、飄々とした語り口も魅力。


No.7 5点 かいぶつのまち
水生大海
(2019/09/17 14:01登録)
謎解きはストレートだが、そこに至るまでのヒリヒリした青春が痛々しくほろ苦い。「少女たちの羅針盤」の続編。あえて前作のメンバー三人を起用することで効果を上げている。


No.6 6点 無縁塚 浪人左門あやかし指南
輪渡颯介
(2019/09/13 14:41登録)
怪談がミステリに取り込まれ、ミステリが怪談に食い破られ、を繰り返す、怪談の機能に自覚的な佳作。シリーズが進むにつれて展開が地味になるが、小技も含めた謎解きのレベルは高い。

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