アンダー・ザ・ドーム |
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作家 | スティーヴン・キング |
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出版日 | 2011年04月 |
平均点 | 8.50点 |
書評数 | 2人 |
No.2 | 9点 | 八二一 | |
(2019/11/05 21:09登録) 前作「悪霊の島」とは対照的に、質量共に圧巻の群像劇。衰えることのないキングの筆力に驚嘆。あきれるほど荒唐無稽な設定で、長い作品でありながら、飽きさせず読ませ切ってしまう力技に脱帽。 |
No.1 | 8点 | 小原庄助 | |
(2017/11/03 13:09登録) 良くも悪くも過剰に物語るのがキングである。 小さな町が突如、透明なドームに囲まれてしまう。空高く、また地中深くまで障壁が及び、かろうじて空気と水と電流を通すのみで、住民たちはパニックに陥り、すさまじい戦いが発生する。 という紹介をするとドームの存在の解明と新たな戦闘を期待してしまうが、それは終盤あっさりと片付けられる。作者の眼目はあくまでも町を舞台にした群像劇にある。住民たちが持つ恐れ、憧れ、悔い、憎しみといったものが異常な状況下で顕在化し、エスカレートしていく恐怖をとことん描いている。そして数十人の人生模様を鮮やかに交錯させていく。 同じくモダン・ホラーの旗手ディーン・クーンツなら急発進、急ブレーキ、急ターンのジェットコースターを体験させてくれるが、キングはあくまでも優しく劇的に進路を変え、住民たちの人生と内面をクルージングする。 クーンツは愛と希望を主人公に即して感情豊かにうたいあげるけれど、キングは感情を表白させつつも象徴の極みへと向かう。 冗長だが、代表作であることは間違いないでしょう。 |