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ミステリの祭典

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八二一さんの登録情報
平均点:5.76点 書評数:397件

プロフィール| 書評

No.157 6点 マルドゥック・ヴェロシティ
冲方丁
(2021/03/12 20:21登録)
リーガルSF+風太郎忍法帖の作りのはずの物語が、前作の敵役を主役に迎えたことで、何故かエルロイ一色になってしまう。


No.156 5点 青に候
志水辰夫
(2021/03/12 20:17登録)
ミステリ的要素を含んだ青春時代小説。全てを失くした主人公が、まだ失っていない者に気付いて、もう一度すっくと立ちあがる清々しい物語。時代もの苦手でも苦にならないと思う。


No.155 6点 越境捜査
笹本稜平
(2021/03/12 20:14登録)
誰が味方で誰が敵なのか、判らないままに腹の探り合いをする様子には、緊張しっ放し。暗中模索とか疑心暗鬼なんて言葉が、頭の中をぐるぐる駈け回ります。


No.154 5点 制裁
アンデシュ・ルースルンド&ベリエ・ヘルストレム
(2021/02/25 21:19登録)
我が子を幼女強姦魔に殺された父が、制裁を決意する。その結果と、その後に起きてしまうことが重苦しい。人の心のダークサイドを描き、沈鬱な思いに引き込んでいく。その辺りが北欧らしい。


No.153 7点 ハリウッド警察25時
ジョゼフ・ウォンボー
(2021/02/25 21:15登録)
作者自身が勤務したLA警察の最近の凋落ぶりや過去の栄光をモジュラー形式で描いている。
六十八歳になる現役最古の巡査部長の語り口が圧巻。


No.152 6点 治療島
セバスチャン・フィツェック
(2021/02/25 21:11登録)
何が事実で何が虚構なのか、誰が正常で誰が異常なのか。圧倒的な迫力で次から次へと押し寄せる不可能状況に鼻面を引き回され眩暈がしてくる。


No.151 8点 ずっとお城で暮らしてる
シャーリイ・ジャクスン
(2021/02/10 21:13登録)
読んでいて不安になる小説。幻想的で美しく、恐ろしい。人の悪意と狂気が渦巻いている。読んだ後には嫌な夢を見そうだ。


No.150 6点 赤き死の訪れ
ポール・ドハティ
(2021/02/10 21:11登録)
托鉢修道士と検死官のコンビが中世ロンドンを舞台に活躍する二人は、それぞれ過去に問題を抱えながらも事件を追う。トリックだけでなく登場人物の心の動きなどのサイドストーリーも魅力的。


No.149 7点 大鴉の啼く冬
アン・クリーヴス
(2021/02/10 21:05登録)
北極圏に近い、イギリス最北端のシェットランド諸島という荒涼たる舞台と、土地の濃密な人間関係が面白い。


No.148 5点 傷痕
コーディ・マクファディン
(2021/01/25 20:16登録)
自分を切り裂きジャックの末裔だと言う犯人の犯す殺人はなるほど目を背けたくなるような残酷なものだが、話に引き込まれ一気読み。


No.147 5点 わたしが殺された理由
アン・アーギュラ
(2021/01/25 20:14登録)
更年期障害に悩む中年の女性警官と若い男性警官とのやりとりが面白い。輪廻転生ミステリという類まれな設定でありながら無理なくストーリーが展開しているところに感心。


No.146 5点 ゴッホは欺く
ジェフリー・アーチャー
(2021/01/25 20:12登録)
登場人物の居場所や名画の在りかを見失わないように慎重に読むことをおすすめする。美術コンサルタントとしての知識や人脈を存分に発揮し、名画を死守しようとする主人公の数々のアイデアから目が離せない。


No.145 7点 夏に凍える舟
ヨハン・テオリン
(2021/01/12 19:04登録)
四部作の味わい深さといったらない。四季それぞれの島の光景が目に浮かぶ、描写の鮮やかさ。登場人物たちの来歴と人生の、果てしない奥行き。錯綜し意外性も具備しつつ、落ち着くべきところに落ち着いたと思える、ストーリー展開の質実。そしてあの、人生の条理と不条理を同時にたっぷりと味わえるような、これ以上ないほど見事で確かな読後感。


No.144 5点 虚構の男
L・P・デイヴィス
(2021/01/12 18:57登録)
ジョン・ブラックバーンみたいなことを考える変わり者がまだいたとは。あれよあれよという間にとんでもない光景に辿り着く怪作だが、実に愛らしい。


No.143 8点 ささやく真実
ヘレン・マクロイ
(2021/01/12 18:54登録)
読み心地の良い的をえた描写、ウィット溢れる会話などのマクロイの特徴はそのままに、飲めば誰でも真実を語ってしまう自白剤という魅力的な小道具を象徴的に用いて、真実と嘘というミステリの本質に正面から挑戦している。


No.142 7点 ラスト・ウェイ・アウト
フェデリコ・アシャット
(2020/12/25 20:43登録)
万華鏡を回していくように展開される「テッドの世界」は幻想的な装いを纏って鮮やかに移り変わる。展開の読みようがない奇書。


No.141 7点 チューリップ : ダシール・ハメット中短篇集
ダシール・ハメット
(2020/12/25 20:37登録)
この作品に添付された十篇の中短篇集が、いつもながら饒舌をそぎ落とした作品であるが、「チューリップ」では原作者の心理描写など、長々と述べられていて、いわゆる従来のハメット節と異なる点が面白い。


No.140 5点 過ぎ去りし世界
デニス・ルヘイン
(2020/12/25 20:34登録)
主人公は犯罪集団に入り、階段を駆け上って頂上を射止めた男の引退後の物語。一度トップを極めた男の身辺は安穏ではいられない。終局の悲しみは秀逸。


No.139 7点 彼女がエスパーだったころ
宮内悠介
(2020/12/08 15:00登録)
もともと持っている、どこか渇いた文体と疑似科学を取材するという題材が程よく合わさって生まれた妙な迫真性が、強烈に記憶に残った。


No.138 5点 クララ殺し
小林泰三
(2020/12/08 13:53登録)
不思議な国と地球、ホフマン宇宙という三つの世界のリンクやそのカギとなるアーヴェタールの設定が秀逸。

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