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ミステリの祭典

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八二一さんの登録情報
平均点:5.75点 書評数:411件

プロフィール| 書評

No.171 6点 市民ヴィンス
ジェス・ウォルター
(2021/05/26 20:30登録)
組織を裏切り、マフィアの犯罪を裏付けるために刑事事件の証人となり、証人保護プログラムの下に、新しい生活を始めたヴィンスの再生の物語。一九八〇年の大統領選挙が背景となっている。イランの米国大使館占拠事件で苦境に立つカーターがレーガンに敗れるのだが、どうでもいいような一票が世界を大きく動かしていることを、静かに語りかけてくる。


No.170 6点 通訳/インタープリター
スキ・キム
(2021/05/26 20:25登録)
ニューヨークに生きるコーリア系の一・五世のスージーの物語。法廷通訳をしているスージーは、法廷で両親を殺害した犯人の手掛かりをつかみ、真相にたどり着くのだが、その過程で、あぶり出されていく自身の不安定なアイデンティティの世界がスリリング。


No.169 6点 苦いオードブル
レックス・スタウト
(2021/05/12 20:44登録)
名探偵テカムス・フォックスの虜になる作品。綿密に容疑者の間を調べ上げる正統的な推理小説の面白さはもちろん、おしゃれでウィット富んだ会話で楽しませてくれる。


No.168 6点 双生児
クリストファー・プリースト
(2021/05/12 20:36登録)
第二次世界大戦、ヨーロッパ戦線に表と裏を双生児一人一人に語らせる。対立する二人の男の目を通して描く壮大な「騙り」の世界に感動。


No.167 7点 切り裂かれたミンクコート事件
ジェームズ・アンダースン
(2021/05/12 20:34登録)
キャラクターは楽しいし、ユーモア抜群だし、展開は意表を突いているし、本格ミステリとしてのインパクトも強い。このような遊び心満点の小説を読むとエレガントな気分になれる。


No.166 5点 病める狐
ミネット・ウォルターズ
(2021/04/27 20:41登録)
ヒロインの颯爽たる魅力、中年男性の大逆襲、無欲の勝利とも言うべき快い結末が印象的。


No.165 5点 血と暴力の国
コーマック・マッカーシー
(2021/04/27 20:39登録)
ほとんど神話的な広がりをもつ、まさに圧倒的なノワール。コーエン兄弟が映画化する理由がよく分かる。


No.164 4点 グランダンの怪奇事件簿
シーバリー・クイン
(2021/04/27 20:35登録)
オカルト探偵ものの中でも、レ・ファニュやブラックウッドやホジスンや、ラムレイに較べて格段に軽く、いってみれば、オカルト探偵ものの軽ハードボイルドといったところ。


No.163 5点 中庭の出来事
恩田陸
(2021/04/12 20:16登録)
シンプルな情景が少しずつ微妙に表情を変えながら何回となく繰り返し語られていく。登場人物がもう少し個性的だったらと欲張りつつも、入れ子構造に引き込まれた。


No.162 6点 螢坂
北森鴻
(2021/04/12 20:13登録)
ビア・バーに出入りする客を描いたシリーズ作の一つ。人情味あふれるエピソードのひねりが絶妙だし、マスターの作るつきだしにもよだれが出る。


No.161 5点 いつか陽のあたる場所で
乃南アサ
(2021/04/12 20:11登録)
下町でひっそり生きる元受刑者の女を描いた物語。つつましく引っ込み思案な芭子と、臭い飯を食った仲間である、陽気な綾香の日常生活が面白おかしく綴られるうちに、じんと胸を打つものがある。


No.160 7点 赤朽葉家の伝説
桜庭一樹
(2021/03/27 20:49登録)
時間のつながり、人のつながり、広がり、深まり、一つの物語になる今とは違う時、人生を感じながら読むことが出来た。


No.159 6点 玻璃の天
北村薫
(2021/03/27 20:48登録)
今時のミステリに珍しいゆったりした時間の流れと優雅さ、そこにある毅然とした言動もよい。


No.158 7点 聖餐城
皆川博子
(2021/03/27 20:47登録)
十七世紀初頭のヨーロッパ。あの複雑極まりない世界に縦横に切り込みつつ、読み手をグングン引き込む力量に感服。


No.157 6点 マルドゥック・ヴェロシティ
冲方丁
(2021/03/12 20:21登録)
リーガルSF+風太郎忍法帖の作りのはずの物語が、前作の敵役を主役に迎えたことで、何故かエルロイ一色になってしまう。


No.156 5点 青に候
志水辰夫
(2021/03/12 20:17登録)
ミステリ的要素を含んだ青春時代小説。全てを失くした主人公が、まだ失っていない者に気付いて、もう一度すっくと立ちあがる清々しい物語。時代もの苦手でも苦にならないと思う。


No.155 6点 越境捜査
笹本稜平
(2021/03/12 20:14登録)
誰が味方で誰が敵なのか、判らないままに腹の探り合いをする様子には、緊張しっ放し。暗中模索とか疑心暗鬼なんて言葉が、頭の中をぐるぐる駈け回ります。


No.154 5点 制裁
アンデシュ・ルースルンド&ベリエ・ヘルストレム
(2021/02/25 21:19登録)
我が子を幼女強姦魔に殺された父が、制裁を決意する。その結果と、その後に起きてしまうことが重苦しい。人の心のダークサイドを描き、沈鬱な思いに引き込んでいく。その辺りが北欧らしい。


No.153 7点 ハリウッド警察25時
ジョゼフ・ウォンボー
(2021/02/25 21:15登録)
作者自身が勤務したLA警察の最近の凋落ぶりや過去の栄光をモジュラー形式で描いている。
六十八歳になる現役最古の巡査部長の語り口が圧巻。


No.152 6点 治療島
セバスチャン・フィツェック
(2021/02/25 21:11登録)
何が事実で何が虚構なのか、誰が正常で誰が異常なのか。圧倒的な迫力で次から次へと押し寄せる不可能状況に鼻面を引き回され眩暈がしてくる。

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