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ミステリの祭典

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路上の事件

作家 ジョー・ゴアズ
出版日2007年07月
平均点8.00点
書評数2人

No.2 8点 八二一
(2021/06/21 20:28登録)
淡々とした筆致で五十年代アメリカの様々な顔を描き出す。出だしはヘミングウェイ的であり、途中はケッペル的であり、終盤はゴアズならではの世界。
才人の意欲的な作品に出会う喜びを満喫した。

No.1 8点
(2012/01/06 21:21登録)
ロード・ノベルなどとも言われている作品で、前半はヘミングウェイにあこがれる青年ダンクがアメリカ荒野をヒッチハイクで旅しながら、様々な事件に巻き込まれていきます。半ばでサンフランシスコに落ち着き、私立探偵事務所に勤めるあたりは、作者自身の実体験に基づいていることがまえがきにも述べられています。自伝的要素を持った作品ということで、最後近くにならないとミステリという感じはほとんどしてきません。それまでにもいくつも殺人は起こるのですが。
設定時代は1953年。当時の音楽(ジャズが中心)や映画がふんだんに出てきますが、ミステリでは何と言っても発表されたばかりの『長いお別れ』で、チャンドラーの名作に対するダンク(つまり作者自身)の感動が伝わってきます。
前半のラスヴェガスでの事件が最後の真相とつながってくるところには、論理的に明らかな無理があるのですが、それが気にならないほどおもしろく、感動的な読みごたえ充分の大作です。

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