リヴァイアサン号殺人事件 ロシア外交官エラスト・ファンドーリン |
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作家 | ボリス・アクーニン |
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出版日 | 2007年02月 |
平均点 | 6.00点 |
書評数 | 3人 |
No.3 | 6点 | 八二一 | |
(2021/06/09 20:20登録) 大型客船に乗り込んだ客の中に大量殺人犯がいるという本格グランド・ミステリ。それぞれの国の歴史を背負う登場人物たちがよく描き込まれている。文学的香り高い作品。 |
No.2 | 6点 | nukkam | |
(2014/09/03 12:05登録) (ネタバレなしです) ボリス・アクーニン(1956年生まれ)はロシア(但し出身地はジョージア)のベストセラー作家です。日本との関係が大変深く、日本留学経験があり三島由紀夫などの文学作品をロシア語翻訳しており(ということは漢字も読める?)、アクーニンというペンネームが「悪人(あくにん)」に由来しているという冗談みたいなエピソードも伝わっています。19世紀を舞台にしてロシア外交官エラスト・ファンドーリンがスパイや殺し屋や秘密組織と対決する冒険スリラーのシリーズ作品ですが1998年発表のシリーズ第3作である本書は例外的に本格派推理小説でした。ファンドーリンの推理には粗いところも多いのですが(犯人にまで指摘されている!)、国際色豊かな登場人物や冒険スリラー作家ならではの事件の背景など読みどころは多いです。ロシアの小説というと暗いとか重苦しいとかいうイメージがありますが本書は起伏に富んだ筋立てにユーモアも交えて読みやすい作品に仕上がっています。 |
No.1 | 6点 | kanamori | |
(2010/04/23 22:12登録) ロシア外交官ファンドーリンを探偵役とする歴史ミステリ。 時代は19世紀末、舞台はインド行き豪華客船ということで、本格ミステリの美味しい雰囲気作りは満点です。 乗船しているパリの富豪一家殺人犯はだれか、日本人を含め多国籍の乗客の多視点で描写される人間模様は面白く読めます。 犯人当てとしては詰めの甘さを感じますが、ロシア人作家が書いた本格編ということで、珍品ではあります。 |