home

ミステリの祭典

login
市民ヴィンス

作家 ジェス・ウォルター
出版日2006年12月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 6点 八二一
(2021/05/26 20:30登録)
組織を裏切り、マフィアの犯罪を裏付けるために刑事事件の証人となり、証人保護プログラムの下に、新しい生活を始めたヴィンスの再生の物語。一九八〇年の大統領選挙が背景となっている。イランの米国大使館占拠事件で苦境に立つカーターがレーガンに敗れるのだが、どうでもいいような一票が世界を大きく動かしていることを、静かに語りかけてくる。

No.1 6点 猫サーカス
(2021/02/15 18:01登録)
一人の男の再生の物語。小さな田舎町でドーナツ屋の店長をするヴィンスには、封印された暗い過去があった。ある犯罪事件に絡み捜査当局との取引に応じ、全く知らない町で別人として過去と対峙する決意をする。過去に何があろうとも、全てを捨てて違う名前で新しい人生をやり直すことが出来るのか。その問いが、ヴィンスの胸には常に渦巻いている。それが彼の煩悩の源であると同時に、ただ漫然と生きるのではなく、いかに自分らしく人生を送るか。そんなことを考えさせられる深い作品であった。

2レコード表示中です 書評