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ミステリの祭典

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切り裂かれたミンクコート事件
ウィルキンズ警部

作家 ジェームズ・アンダースン
出版日2006年11月
平均点6.40点
書評数5人

No.5 6点 ◇・・
(2022/07/26 17:24登録)
一九二〇年代から三〇年代にかけて英国で隆盛を極めたカントリーハウス・ミステリのパスティーシュになっているのが楽しい。あのイネスやアプルビイ警部やマーシュのアレン主任警部と並んでスコットランドヤードの三羽烏と称される名警視がロンドンから乗り込んでくるくだりは、ニヤリとさせられることしきり。遊び心満載の一冊。

No.4 7点 八二一
(2021/05/12 20:34登録)
キャラクターは楽しいし、ユーモア抜群だし、展開は意表を突いているし、本格ミステリとしてのインパクトも強い。このような遊び心満点の小説を読むとエレガントな気分になれる。

No.3 6点 nukkam
(2014/08/28 16:32登録)
(ネタバレなしです) 「血染めのエッグ・コージイ事件」(1975年)の続編にあたる1981年発表の本格派推理小説です。前作のネタバレはありませんが登場人物の一部が共通しているので先に前作を読んでおくことを勧めます。前作のような大トリックこそありませんが黄金時代の本格派推理小説を髣髴させる、絢爛たる謎解きが楽しめるのは本書も一緒。名前だけながら先人作家の名探偵が作中で引き合いに出されるぐらいですから。ユーモアも健在で、23章の終わりでは思わず笑ってしまいました。

No.2 6点 kanamori
(2010/08/06 21:24登録)
疑似古典本格ミステリ、”オールダリー荘”シリーズの第2弾。
前回の事件でパーテイに懲りた荘園主の伯爵ですが、映画撮影に協力し、結果的に荘園に色々な思惑の人々が集まってくるという前回同様のシチュエーションになってしまうのが笑える。
アリバイ偽装のトリックはちょっと拍子抜けの感がありますが、ダミー探偵役を設定して物語を翻弄させながら、今回もヴォリュームのある解決編で楽しませてくれてます。

No.1 7点 こう
(2008/12/22 00:45登録)
 2年前たまたま書店で見つけて狂喜した「エッグコージィ」の続編です。
 今回もオールダリー荘へ様々な人物が集まりそこで殺人事件が起こりそこへウイルキンズ警部がいやいやかけつけ事件を解決する、というスタイルで前作のスタイルを踏襲しています。
 いわゆる古き良き本格のスタイルでありそのミステリパロディシリーズなのですがパロディではなくミステリがメインなので個人的にはとても好きです。
 プロローグは謎の女の独白、それから前作引き続きの伯爵一家の紹介、その後各登場人物が紹介され「お屋敷」に向かう様が描かれ、やがて全員が集合したところで殺人が起きて、というお約束通りです。
 前作同様登場人物が一癖も二癖もあり真相がわかる前に暴かれる登場人物たちの正体、狙いが相変わらず面白いです。
 また今回は海外作品でよく見られる「名探偵への皮肉」を見せる為に「オールグッド警視」というキャラクターを配し効果を上げています。
 ミステリとしての出来は前作の荒唐無稽ぶり、バカミスぶりには及ばず「ミンクコート」もあまり効果を上げていませんが前作が楽しめた方には十分楽しめると思います。解説によると第三作がある様ですが是非出版してほしいです。

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