八二一さんの登録情報 | |
---|---|
平均点:5.76点 | 書評数:397件 |
No.217 | 5点 | パズラクション 霞流一 |
(2021/12/31 20:17登録) 豪快に使い捨てられるロジックの勿体ない素晴らしさ。あまりにカオスな状況から、寸分の隙も無くはまっていくパズルのような展開には思わず笑えて来る。 |
No.216 | 5点 | 帝都探偵大戦 芦辺拓 |
(2021/12/31 20:15登録) 捕物帳の岡っ引きから戦後の探偵まで、五十人もの名探偵を再登場させ、原著の文体も模写してみせた。凝り性の作者らしい仕上がり。 |
No.215 | 5点 | ディレイ・エフェクト 宮内悠介 |
(2021/12/31 20:13登録) 表題作は、モキュメンタリ―タッチの書きぶりがひとつの頂点を極めた感のある一編で、淡々と描かれる二重写しの東京の景色に、小説の力を改めて信じたくなる気持ちにさせられた。 |
No.214 | 7点 | 生き残り 古処誠二 |
(2021/12/18 20:55登録) 生きている兵隊の過酷な運命を乾いた筆致で描いた戦争ミステリ。真相が明らかになった瞬間に突き放されるような、あの感覚は忘れがたい。 |
No.213 | 6点 | 碆霊の如き祀るもの 三津田信三 |
(2021/12/18 20:53登録) 冒頭四編の怪談で恐怖を味わい、解決編で衝撃を受ける。終盤明らかになる謎の数に、刀城言耶は本当に解けるのかと呆然。 |
No.212 | 5点 | 火のないところに煙は 芦沢央 |
(2021/12/18 20:51登録) ミステリ的なサプライズがあり、現実との境が曖昧になる実話系怪談集。 |
No.211 | 5点 | 日曜の午後はミステリ作家とお茶を ロバート・ロプレスティ |
(2021/11/30 20:19登録) 軽妙洒脱ここに極まれり、という表現がぴったりな短編集。 |
No.210 | 6点 | 粘膜探偵 飴村行 |
(2021/11/30 20:17登録) スプラッター描写はやや抑えめだが、その分ミステリセンスを感じさせる長編に仕上がっている。 |
No.209 | 6点 | ブルックリンの少女 ギヨーム・ミュッソ |
(2021/11/30 20:15登録) 予想の斜め上をいく展開とはこのことかといったふうで、最後は思ってもいなかった類の胸の苦しくなる感動が待っていた。 |
No.208 | 7点 | そしてミランダを殺す ピーター・スワンソン |
(2021/11/15 20:52登録) 特異な心理を組み込みつつ、スリリングなせめぎ合いと巧みな語りで先を読ませない。 |
No.207 | 7点 | 蝶のいた庭 ドット・ハチソン |
(2021/11/15 20:50登録) 誘拐された少女たちの暮らしていた美しい地獄を凄絶に描いている。救出後の少女と捜査官との関係性もよい。 |
No.206 | 6点 | 監禁面接 ピエール・ルメートル |
(2021/11/15 20:48登録) ある男の逆転劇として一触即発の緊張感のもとプロットを転がし、騙し合いを制御して読者を離さない。 |
No.205 | 5点 | 真夜中の太陽 ジョー・ネスボ |
(2021/10/23 20:28登録) 同作者の「その雪と血を」の対になる犯罪小説。魂の燃焼の先にある終着点を描いたノワールである前作に対して、今作は魂の再生を迎えるまでの始まりの物語だ。鋭利さと叙情を兼ね備えた作品であり、前作と合わせて読んでほしい。 |
No.204 | 5点 | ダ・フォース ドン・ウィンズロウ |
(2021/10/23 20:24登録) 正義感にあふれた悪徳警官という矛盾に満ちた存在の絶望と転落。ラストがただ悲しい。 |
No.203 | 8点 | カササギ殺人事件 アンソニー・ホロヴィッツ |
(2021/10/23 20:23登録) 溢れる黄金時代への思慕に共感するほど、隠された秘密に驚かされる。古き良き英国ミステリを自家薬籠中の物とした作中作は読み応えあり。 |
No.202 | 5点 | 風の影 カルロス・ルイス・サフォン |
(2021/10/09 20:21登録) 時制を自在に操り、そこに血の通った人間を絡ませながら話を進めていく。陰影に富んだラテンのインテリジェンスに包まれたスリリングな物語。 |
No.201 | 5点 | プランD ジーモン・ウルバン |
(2021/10/09 20:19登録) 歴史改変ものだが、「高い城の男」のリアルな設定版という感じで唸らされる。冷戦終了の意味を考え直すきっかけにもなる。 |
No.200 | 5点 | 世界の終りの七日間 ベン・H・ウィンタース |
(2021/10/09 20:16登録) 三部作の完結編であり、小惑星が地球に衝突するとされた日までの一週間を描いている。元刑事の主人公のただただ真実を追い求める姿に胸を打たれ、主人公が捜索中に出会う世界の終りを前にした人々の生き方が心に残る。 |
No.199 | 6点 | 10ドルだって大金だ ジャック・リッチー |
(2021/09/26 20:11登録) 殺しという物騒な要素があるのに、そこはかとないユーモアが漂い、明るくて嫌みがない。最後には笑顔で、人間が愛おしく思えること請け合い。 |
No.198 | 5点 | 偽りをかさねて ジョディ・ピコー |
(2021/09/26 20:10登録) 登場人物の誰もが自分に都合のいい偽りをかさねていくが、やがてあちこちに綻びが出てくる。真実だと思われていたことが次々と覆されていくところに意外性がある。 |