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ミステリの祭典

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殺したくないのに

作家 バリ・ウッド
出版日1979年03月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 5点 八二一
(2022/03/29 14:36登録)
孤独な超能力者の女性と、その罪を立証しようとする敏腕刑事との息詰まる闘いをサスペンスたっぷりに描いている。
次第にモンスターとして生まれたヒロインの悲哀に心打たれるうちに衝撃のラストへ。

No.1 5点
(2019/08/28 20:41登録)
本作に興味を持ったのは、デイヴィッド・クローネンバーグ監督の映画『戦慄の絆』の原作者(の一人)の小説だからということでした。そして読み始めてみると、なんとクローネンバーグ監督を有名にした『スキャナーズ』―頭が爆発する衝撃映像が話題になった超能力SF映画と同じ題材ではないですか。本作が発表されたのは『スキャナーズ』公開の5年前、1975年です。
しかし、SFと言うには科学的側面が弱いのです。超能力者ジェニファーの周辺と、彼女が正当防衛で殺した(と思われる)強盗の不可解な死因を異様な執念で突き止めようとする警部の視点を組み合わせた構成で、その意味ではミステリ的要素の方が強いと言えます。法律的にはばかばかしい警部の執念の理由は、最後の対決部分で明確になります。筆力がある作家なのは間違いないのですが、警察官がこんなことを考えては、という思いが先に立ってしまいました。

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