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ミステリの祭典

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見えない凶器
プリーストリー博士シリーズ

作家 ジョン・ロード
出版日1996年06月
平均点5.40点
書評数5人

No.5 6点 八二一
(2022/05/04 20:32登録)
二部構成の巧みなプロットに、演繹的な推論の積み重ねで真相を突き止めていく展開は、まさに謎解きの醍醐味そのもの。
英国ミステリ特有の地方色の豊かさも魅力を添えている。

No.4 5点 人並由真
(2019/05/11 16:02登録)
(ネタバレなし)
 直球の謎解き(ハウダニット&フーダニット)パズラーでそれは良いのだが、噂のトリックは……。1938年というミステリ史的にはやや微妙な時期(黄金時代から現代本格への推移期)の作品で、そんななかにたぶん当時にあってももはやレトロな趣向が用いられる。関連する事象が出た時点でまさか? と思ったらソレだった。しかし犯行現場にすぐ踏み込んだんでしょ? 痕跡とか残ってなかったのだろうか。その辺をどう捌くかと思っていたら、特に言及がなくガッカリ。
 
 後半ももうひとつの事件がからむあたりはまだしも、この条件でAでなければBだろうねという感じで犯人の推察が可能なのは、やはり本作の弱点か。
 ナンシー嬢とその仲間たちの描写のくだりは、不必要に物語の軸が横にずれた気がする。捜査陣の尋問のかたちで彼らの人物描写をこなしてくれればもっとスマートな作りになったんじゃないかと。
 この作品に関してはそんなところですかね。

No.3 6点 nukkam
(2009/03/18 17:33登録)
(ネタバレなしです) 1938年発表のプリーストリー博士シリーズ第29作で、密室内の殺害方法不明の事件を扱っています。賛否両論の密室トリックの評価がそのまま作品評価につながっているようですが決してハウダニットのみの本格派推理小説ではなく、犯人当て謎解きとしてもカモフラージュの技巧を凝らしており、一読する価値は十分あると思います。

No.2 6点 mini
(2008/10/12 11:06登録)
ロードは本格マニアが邦訳を待ち望んでいた作家なのに、「見えない凶器」は失望の声が大きかったが、この作品については擁護しておきたい
失望感の最大の理由は、とにかく密室殺人トリックがチャチな事で、たしかに私もこの点だけは正直言って擁護出来ない
このバレバレな殺害トリックはお粗末過ぎる
しかしこの作品の魅力はトリックでは無いのである
トリックだけは別にするならば、プロットは良く出来ている
完全なる二重構造のプロットで、一見2つに割れた感じだ
しかし前半と後半の二重構造というプロットが実に良く活かされているのである

またトリックについてだが、ロードはトリックが全てショボイわけじゃないのは論創社の「ハーレー街の死」を読んでいただければ納得出来ると思う
あと中盤が退屈みたいに言われることもあるけど、ロードは理工系気質なんだろうか、例えば配管工事や建築物の施工設備がどうのこうのとか、その辺にやたらとこだわる描写が多い
理工学的な描写を退屈と見ないで、ロードの特徴と割り切るといいのではないかな
オースティン・フリーマンと並ぶ英国が生んだ2大理工系ミステリー作家って感じだな

No.1 4点 ElderMizuho
(2008/01/27 01:22登録)
やたらと本筋とは関係ない話がだらだら続く割に
肝心の本筋トリックは中学生向けでどっちらけでした。

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