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ミステリの祭典

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パンやんさんの登録情報
平均点:6.49点 書評数:95件

プロフィール| 書評

No.75 5点 毒入りチョコレート事件
アントニイ・バークリー
(2016/11/24 08:01登録)
旧訳を手にしたとはいえ、実に読みづらく、どこまで著者の意図を理解出来たかは自信は無いが、後から次々と新証拠や新証人が出てきて推理の逆転ってズルくないか。と思ったが、5人目までが問題編で6人目を解決編とすれば、アリかなぁと。古典とはいえ、多重解決ものとしては?!


No.74 5点 ウツボカズラの甘い息
柚月裕子
(2016/11/11 23:35登録)
緻密な描写と硬い文体の中に驚きの展開もあるにはあるが、どうにもペースが上がりにくかった本書。というか、デジャブ感満載で、目新しさが感じられずフツーの警察小説に見えてくる。真犯人に迫る過程もあまりに出来過ぎだが、可もなく不可もなくフツーに楽しめる良作。


No.73 7点 虚構推理 鋼人七瀬
城平京
(2016/11/08 04:51登録)
きょっ、きょ、虚構推理とは何ぞやって、真相を解くのではなくウソのロジックを万人に広め、真実を成立させるというもので、物の怪たちの跋扈する設定がどうかはさておき、練りに練られている。そう、このネット社会でこその虚構推理であったか、キャラ立ち最高、続編請う!


No.72 8点 そして誰もいなくなった
アガサ・クリスティー
(2016/10/29 08:41登録)
過去に友人のネタバレで避けてきたが、アレンジ、オマージュ、パロディが溢れてきたのもあり、新訳にて完読。実に読み易く大いに楽しめたが、インディアンが兵隊になっていたりして、古典の邦訳に相当の苦労が窺える。が、『殺しの双曲線』同様、名作は色褪せないのだ!


No.71 7点 忘却のレーテ
法条遥
(2016/10/17 18:09登録)
『リライト』より断然解り易く、サクッと読める記憶リセットミステリー。ミステリーの手練れであれば気付くトリックなれど、あえて作者の術に嵌まっての種明かしを受けて、二度読みの恍惚に浸る作品であろうか。この軽い感覚の中に見え隠れするブラックな味わいが嬉しい。


No.70 6点 アクロイド殺し
アガサ・クリスティー
(2016/10/07 08:28登録)
クリスティーの古典的名作にして、叙述ものの歴史的意義のある本書。ほぼネタバレの為あえて避けてきたが、気にはなっていたので遂に読むに至った。さすがに驚きはないが、何気無い伏線の数々、ポワロの言動がとてつもなく面白い。白紙で臨みたかったなぁ〜(苦)。注意、反省!


No.69 7点 リライト
法条遥
(2016/10/06 08:31登録)
脳みそフル回転で挑戦、タイムパラドックスミステリー!『七回死んだ男』を思わせる本書、よりブラックでより難解で解りにくいが、不安感を抱えたまま突入するラストの畳み掛けは圧巻。『リライト考察』などの検索のお楽しみもあり、シリーズ四部作全て読めば解るの?  


No.68 5点 深く深く、砂に埋めて
真梨幸子
(2016/10/03 07:43登録)
諸作品ほどの読後感の悪さはなく、案外スッキリ纏まっているのが逆に物足りないが、真梨ワールド入門編としては丁度いいかも。狙いとはいえ、どうにも弁護士目線にイライラしてきて、奔放で欲望に純粋な有利子を、どの女優に当てて読み進めるかだけで読み切った次第。


No.67 7点 震える牛
相場英雄
(2016/09/24 07:42登録)
日本経済問題の闇に切り込む警察小説ミステリー。地取り、鑑取り捜査で真相に近づく過程がとってもスリリング。怖いのは安い肉やBSEではなく、危険と知りながら目を背け忘れようとしたり、隠蔽して何も無かったとする倫理の低さ、正義の行動が裏切られる社会なのだ。 


No.66 6点 完盗オンサイト
玖村まゆみ
(2016/09/17 19:36登録)
皇居の名盆栽を盗み出すトンデモクライムサスペンス。荒削りで構成も所々トッチラかっていて、第3の男などよくわからないが、全てを凌駕するパワーが作品に漲っていて、一気に読めてしまう。乱歩賞受賞作としては酷評も見られるが、主人公の造形といい、捨て難い魅力がある。


No.65 7点 ディーセント・ワーク・ガーディアン
沢村凜
(2016/09/10 20:12登録)
ズバリ、労基官連作ミステリー!労使関係の微妙な暗部を明解に暴くので、ミステリーとして中々のカタルシス。又、監督官の心情に同調し揺さぶられ、真摯な姿勢に熱くなる。最終話がそのまとめとして、働く意義を高らかに謳い上げて、ちょいと恥ずいが気持ち良し。   


No.64 6点 東野圭吾公式ガイド
事典・ガイド
(2016/09/08 13:03登録)
確かに1万人の人気ランキングは拍子抜けで、小生が読破していた初期作品群の扱いがほぼ無いのは残念。加えて、21位以下の作品の映像化データも欲しかったところ。映像化作品にハズレが少ないのも東野作品の凄さで、このガイド、自作解説(ボヤキに笑)あっての評価と思われよ。


No.63 6点 Nのために
湊かなえ
(2016/09/02 09:38登録)
それぞれのNがそれぞれのNの為にするそれぞれが、微妙に狂っていくのは真面なNがいないから?これぞ一気読み必至!更に、(それぞれの十年後に)二度読みの面白さもある。それぞれの愛の形より、野バラ荘の件が学生時代の下宿先を思い出して、やっぱり仲間っていいねぇ〜(泣)。


No.62 6点 推定脅威
未須本有生
(2016/08/30 07:56登録)
ズバリ、自衛隊戦闘機ミステリー!スクランブル発進の事故を女性エンジニアが追い、専門用語が飛び交って少々トッチラかるも、実に読み易い。ミステリーとして普通だが、業界ウラ話として楽しめ、何より自衛隊パイロットの心意気が嬉しく、危機意識も高まるのであった。   


No.61 6点 あの女
真梨幸子
(2016/08/20 07:04登録)
夢か現つかの浮揚感の中のミスリード、男女の生々しさに梅毒が絡む怖さ、この不快感こそ真梨ワールド全開か。不動産屋の語りと字体、いろんなタイプの女の登場とその名前、男の鬼畜ぶりの酷さ、真犯人が一番マトモに見える辺り、クセになりますなぁ〜、うぅっ。


No.60 7点 天井裏の散歩者 幸福荘殺人日記
折原一
(2016/08/15 17:30登録)
イラストの可愛さで借りたら、18年振りの再読。ほとんど忘れていたので、新鮮に楽しめ、もう叙述だの、連作構成だのより、ひたすら軽くて明るくて、出てくる住人たちがバカで狂っていて超笑える。すみかわ書店版よりカバーが断然よろしく、これにイカレタ小生も同類か。


No.59 6点 連城三紀彦レジェンド
アンソロジー(国内編集者)
(2016/08/13 17:33登録)
ミステリ作家たちが選んだ連城氏の入門書的アンソロジー。さすがに逸品ばかりで、その流麗で美しい文章に酔うが、短編とはいえど、結構な重量感に疲労困憊。どんでん返しの連続に驚くも、情念の世界が迫って来て、ミステリーを読んだ気がしないのは面白い。


No.58 5点 教場
長岡弘樹
(2016/08/06 08:15登録)
警察学校を舞台にした連作短編集で、次へ次へとリンクして繋がって進む構成が面白いが、『傍聞き』同様、価値観が合わないというか、相性が悪いのか、どうも文章が読み辛く、危うく挫折しかけたのは確か。フィクションとはいえ、人間性より適性、スキル重視の警察官って怖っ。


No.57 7点 総理にされた男
中山七里
(2016/08/03 19:02登録)
ミステリーでは無くポリティカルエンタであるが、現代政治の指南書であり、現政権に一石を投じる内容であると思いたい。売れない役者が総理の替え玉に座る事により、『シン・ゴジラ』よろしく政府の舞台裏に触れ、諸問題に立ち向かう姿に共感、初心忘るるべからずである。


No.56 7点 闇に香る嘘
下村敦史
(2016/07/18 08:19登録)
視覚障害に中国残留孤児の悲劇を絡めて、実に練り込まれた力作で冒頭のナゾが巧い。中途失明者の苦労に感情移入も出来、見えない故の疑念の数々の怒涛の伏線回収、逆転の連続に唸る。が、兄を疑う動機の唐突感、余りに元気な老人たち、余りに綺麗に収まり過ぎる着地って。 

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