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ミステリの祭典

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あの女
「四〇一二号室」の改題

作家 真梨幸子
出版日2012年10月
平均点6.50点
書評数2人

No.2 7点 ミステリーオタク
(2020/04/15 17:23登録)
エログロはさほど強くないが、現実と夢と妄想をモヤモヤグルグル行ったり来たりする展開は真梨ワールドの真骨頂の一つと言えるだろう。しかし主役級の一人のコメント「でも私はパス。ああいうの、・・・・・・・・頭がおかしくなりそう。現実と幻想がごっちゃになっていくあの感じ。薬漬けの人のたわ言を聞いているみたい。わけわかんない」には笑った。

ネットとかで本書の感想を見ると「辻褄が合ってない」とか「無理矢理」とか「尻切れ」とか酷評が多いけれど、そんなんどうでもいいんだよ、読みやすくて入れ込めれば。犯人が誰だろうと知ったこっちゃない。
まあ、全うな本格ファンは手を出さない方が無難でしょうね、マリちゃんには。

ところで主役の二人の女性作家は、もしかしてマリちゃん自身とカナエちゃんがモデルの思いっきり歪曲したデフォルメ?
カナエちゃんと珠美の人物像は全く違うけれど、二人の位置関係が何となくそう連想させるんだよね。

No.1 6点 パンやん
(2016/08/20 07:04登録)
夢か現つかの浮揚感の中のミスリード、男女の生々しさに梅毒が絡む怖さ、この不快感こそ真梨ワールド全開か。不動産屋の語りと字体、いろんなタイプの女の登場とその名前、男の鬼畜ぶりの酷さ、真犯人が一番マトモに見える辺り、クセになりますなぁ〜、うぅっ。

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