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ミステリの祭典

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バードさんの登録情報
平均点:6.15点 書評数:326件

プロフィール| 書評

No.46 8点 ハサミ男
殊能将之
(2013/09/02 10:12登録)
ハサミ男が名乗らないからそこに引っ掛けがあるのは確実と思って読み進めたのでハサミ男=日高とは考えなかった。が、ハサミ男の雰囲気については完全にさえない男だと思って読まされていたので見事に叙述トリックにかけられていた、正体がわかった後に前半の描写を振り返ると確かに納得のいく書き方をしていてすばらしい。

終盤まで8点か9点か悩む面白さだったが、ハサミ男が自身をデブと表現するのは少しミスリード狙いにしてもアンフェア気味なのと真犯人は他に怪しい人物がいなかったので予想どおりだったのが残念だったのでマイナス1点。


No.45 4点 8の殺人
我孫子武丸
(2013/08/27 11:40登録)
今まで触れてきた作品の中で最も早くメイントリックがわかってしまったもの。一応犯人はこのトリックは警察に見破られるのを前提としてやってるとはいえその理由もどうにも納得しかねるもので・・・。木下刑事との掛け合いがおもしろかった以外は特に評価すべきところは無かったかな。


No.44 8点 犬神家の一族
横溝正史
(2013/08/27 11:24登録)
獄門島に続き自分にとって二作目の金田一シリーズ、顔を隠しての入れ替わりは現代のミステリを読みなれている人にはばればれだが指紋や手形でなんとかミスリードできるとは思うので、大昔の作品としては十分。入れ替わりが見破れても話の全貌が見えるわけでもないので最後まで面白く読めた。

特に途中で金田一が提示する謎に対する解決部分での説明がきれいで丁寧な伏線とロジックで獄門島よりも好みだった。


No.43 10点 孤島パズル
有栖川有栖
(2013/08/24 17:32登録)
ちょっと甘いかもしれないがこの点数を。前作の「月光ゲーム」と比べると格段に読みやすくなっていてそこがまずプラス、今回先輩コンビはメインで出てこなかったがかわりにヒロインキャラが登場したのでシリーズ物的にも不満はない。内容に関してはやや地味だったかもしれない。

個人的に最も評価した点は犯人特定のロジックがこれまで読んできたミステリの中でも一番鮮やかであったことである。読者への挑戦が付いている作品はいくつも見てきたがここまで正々堂々とした挑戦状は見たことが無かった。当てさせる気のないミステリもある中犯人当てをさせる難易度としてはすばらしい調整と思えたので満点。


No.42 6点 魔球
東野圭吾
(2013/08/24 17:14登録)
細かいトリックや犯人当てを意識せずに一気に読んだ、続きが気になるようなストーリー展開は流石といったところ。長編のような満足感はないが真相については意外性もあり小粒ながら良かった。


No.41 5点 月光ゲーム
有栖川有栖
(2013/08/22 12:56登録)
作家アリスシリーズに比べると比較的に評価の高い学生アリスシリーズだがこの作品は少し読みにくかったな・・・。
読まれた方の多くが漏らすことだが登場人物が多すぎる、それに一人一人の情報差がありすぎてあきらかに重要でない人物が多いという印象。プラス犯人の動機も好きになれない。

ただデビュー作ということを考えると十分な出来で特に火山の噴火によるパニックの中での殺人と緊張感のあるんだかないんだかの「閉ざされた山荘」という舞台設定は好みだった。


No.40 7点 一の悲劇
法月綸太郎
(2013/08/22 12:41登録)
特別すごいトリックがあるわけでもなく犯人も意外性は無かったので自分の価値基準としては高評価になりにくい作品なのだが次の展開がどんどん気になり一気に読めた。

犯人に関しては半分正解半分はずれといった感じで少しはずされた、あとタイトルで主張するほど一という漢字は重要かな?


No.39 4点 モルグ街の殺人
エドガー・アラン・ポー
(2013/08/14 14:06登録)
内容に関しては意外な展開ではあったものの別に面白みも無くふーんといったもの、言い方は悪くなるがまあ都合のいい解釈や展開だった。

だから現代の作品との相対評価では低評価とせざるをえないが、ミステリの原点の作品、やはり抑えておかなくてはならないとは思う。古典ミステリの教科書と思って読破しました。


No.38 7点 白夜行
東野圭吾
(2013/08/14 13:56登録)
かなり長い話だったが後半は一気に読めてしまえた、それだけ読み物として面白かったということ。この長さで面白く読みきらせるのは流石東野さんといったところ。
ミステリとしてはどんでん返しがあるわけでもないしそもそもミステリという括りではないかな。結末はある意味無難な気がする、ここでもう一波乱あればそれこそ文句のつけようはなかったのだが・・・。


No.37 9点 そして誰もいなくなった
アガサ・クリスティー
(2013/08/05 17:18登録)
個人的にはこれがクリスティの代表作だと思っている、多数の登場人物が全員死んだあと明かされる衝撃の真実。古典ミステリをオマージュしてある新本格ミステリが読まれるようになった現在において古典物は若干物足りなさを感じる場合もあるのだがそれでもこの作品は十分衝撃的だった。

これを基盤としてる綾辻さんの十角館の後に読んだがすっかりしてやられた思い出深い作品。


No.36 4点 ガラス張りの誘拐
歌野晶午
(2013/08/05 16:31登録)
事件の順番が時系列どおりになっていないのに何か仕掛けがあるのかと思いきや特になかった、事件の解決もたいした面白みもなく凡作以下だと思った。ただ登場キャラクターは好みだった。


No.35 6点 どんどん橋、落ちた
綾辻行人
(2013/08/03 11:57登録)
一つずつ採点していくと
どんどん橋 7点
ぼうぼう森 6点
フェラーリ 4点
いぞの家  7点
ラスト   5点 といったところ。
個人的にはこういうアホな短編集は好きで問題のパロティー話はおいおい大丈夫か?と笑えた。
ただギャグ重視の短編ミステリとしては東野さん名探偵の掟がすごすぎてそれと比べると凡作。


No.34 6点 獄門島
横溝正史
(2013/08/03 11:39登録)
見立て殺人の必然性が事実上ないのでただ猟奇的な雰囲気を作るための道具でしかなかったのが残念。それに物語の山場がわかり辛く気づいたら金田一が真相までたどり着いてたという感じ。

犯人に関しては妥当な落としどころだけどすべてが別々の犯行だったのは意表をついてたと思う。


No.33 4点 オリエント急行の殺人
アガサ・クリスティー
(2013/07/24 08:02登録)
名作相手に申し訳ないが低評価。
物語としては終始列車内での取調べで動きもなくひたすら淡々と進み起伏がないそれゆえどうしても退屈さを感じさせてしまう。それでもクリスティ作品なら期待できるとなんとか読んでいったが最後が・・・。
自分は〇〇ものは嫌いなのだがまさか一人以外全員〇〇とはね、これじゃ取調べなんて全部ただの茶番だし犯人当てもあったもんじゃないと思う。新しい試みといわれればそれまでだが自分には合わなかった。


No.32 7点 暗闇坂の人喰いの木
島田荘司
(2013/07/24 07:48登録)
いくつかある謎の中で一番すっきりできたのは巨人の家の説明だった、あの発想はすごいと思った。
物語の中盤くらいから(刑事がでてきたあたり)は御手洗節も堪能できて大楠木による魔的な雰囲気も悪くなかった。

ただ殺害の方法や動機はだいぶ無理矢理な気がしたのとちょっと話が冗長と感じてしまった。


No.31 8点 異邦の騎士
島田荘司
(2013/07/14 14:12登録)
初期の御手洗シリーズ占星術、斜め屋敷、異邦の騎士の中で1番面白かった。トリックの鮮やかさ、大胆さでは占星術に及ぶことはないが読み物としてはこちらのほうがよくできていると思う。
普段純愛要素などミステリにおいてどうでもよいというスタンスの自分でさえ読了後は美しい話と思えた。

御手洗はいいやつだな、ただ自分みたいな人間じゃ全く興味も示してくれなさそう。


No.30 4点 卒業−雪月花殺人ゲーム
東野圭吾
(2013/07/14 13:46登録)
特に何が悪いって感じではないのだがあまり面白くなかった。学生達の妄信的な友情がどうにも気持ち悪くてあわなかったのだと思う、加賀以外のキャラがイマイチ。
ちなみに殺害トリックや犯人はほぼ完璧に当てられたので気分爽快。


No.29 6点 ロシア紅茶の謎
有栖川有栖
(2013/07/10 11:33登録)
短編集のザ・平均といったでき。5~6点の間ぐらいの評価でどうするか迷ったが八角形の真相を当てられて気分が良くなったので6点で(笑)。


No.28 6点 動く家の殺人
歌野晶午
(2013/07/10 11:21登録)
前の二作品よりも登場人物のなりがイメージしやすかった、そのかいあってか製作をこなす信濃には妙な違和感を感じてはいた。和や風間といった脇キャラもよく表現されていたと思う。そういった点では前二作よりも高評価をつけたい。

しかし本物の信濃が出てきてからの謎解きがなぁ・・・、無しではないけど好みじゃなかった。あとやはり違和感こそあったものの信濃が偽者だという伏線が足りなくて終盤の本物登場が唐突すぎた気がする。


No.27 4点 密閉教室
法月綸太郎
(2013/07/06 13:20登録)
終盤まで二転三転するのは好き、そういった好みからか同作者の誰彼は中々面白かった。だがこれはつまらなかった。
トリック云々ではなく舞台が学校なのにまったくキャラ達から学生っぽさを感じられずただただ違和感しかなかった。初法月作品だったので正直「もうこの作者のは読まなくていいかな。」とさえ思ってしまった。(その後別の法月さんの作品を読む機会があり今では好きな作家の一人となったが。)

これは作品の評価とは関係ないが作品内で勘違いされた鍵の絵がはじめから化学構造式にしか見えなかった自分ていったい・・・。

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