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ミステリの祭典

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take5さんの登録情報
平均点:6.59点 書評数:366件

プロフィール| 書評

No.126 7点 AX
伊坂幸太郎
(2019/02/03 15:28登録)
自分が父親だから、
兜に思い入れて読むのかなと思いました。
恐妻家であろうとなかろうと。
ラストのファインが書き下ろしなので、
うまくまとめてくれて良かったです。

「AX」「BEE」「Crayon」「EXIT」「FINE」
各編の頭文字が「A」「B」「C」「E」「F」
となっているのですが、
「D」が抜けているんですよね。

「D」は「Drive」の頭文字です。
「小説 野性時代」2015年11月号に
「Drive/イントロ」が掲載されました。
それは「Drive」の三分の一に当たるもので、
その後、その続きは書かれておらず、
「D」は未完成です。
そのため、幻の「D」となりました。
期間限定で試し読みできる時期もあったようですが
終了しているという情報があります。


No.125 6点 スティール・キス
ジェフリー・ディーヴァー
(2019/01/28 15:23登録)
ライムシリーズ第12弾
個人的な問題で気晴らしをしたく、
五百ページ以上ありますが一気読みしました。
(読みやすいという事です。)
気晴らしにはなっても、血肉にまではならない作品。
過去に起因する犯人の歪んだ思考は、
現代社会への風刺もチラと入っています。


No.124 6点 煽動者
ジェフリー・ディーヴァー
(2018/11/29 20:18登録)
毎度ながら、どんどん読み進められるキネシクスのダンスシリーズ。
初期よりもキネシクスを前面に出さなくなった気がします。
その代わり、ダンス一家の人間関係(特に子供たちとの)が、密に描かれています。
ラストはベタだなぁと思い、あのラストが別なら7点かなあと。


No.123 6点 ゴースト・スナイパー
ジェフリー・ディーヴァー
(2018/11/21 06:51登録)
ライムシリーズとしていつも通り楽しめましたが、
作を重ねる毎に少しずつエンディングが大味になっているような気がするのです。すみません極めて主観的ですが。作品中の包丁同様、作品を常に研ぎ澄ましても慣れがあるのか…アメリカの支配をめぐる今日的課題を取り入れるのも素晴らしい事ですが、
安楽椅子探偵は細部にこだわっていた初期作の良さがあります。そのイメージを壊していく=進化させていくのが、万人受けは難しくなるということでしょう。
ちなみに作者の料理愛は相当のものを感じました。
細部にこだわっていたのはここです。


No.122 6点 百万ドルをとり返せ!
ジェフリー・アーチャー
(2018/11/19 18:20登録)
これぞイギリスのユーモア!という感じ。
難しく考えなくても楽しいコンゲーム物。
ご都合主義?やりすぎ感?確かにあります。
作者の人生が大どんでん返しで、
事実は小説より奇なりということです。


No.121 7点 いまさら翼といわれても
米澤穂信
(2018/11/14 17:28登録)
ある高校の古典部の面々に起きる日常の謎。
それぞれの境遇にあった些細な事件が章毎に起きます。
若い人に読んでほしいですし、
若くない人にも何か感じるところがあるはずです。
表題作に代表される気持ちのよい良品が多いと感じます。



最後、千反田さんはバスに乗ったのか乗らなかったのか、皆さんはどう思われますか?


No.120 6点 東京下町殺人暮色
宮部みゆき
(2018/11/06 16:28登録)
ティーン向けの『刑事の子』で読みました。
中1の子、父、家政婦さんそれぞれの
関わりや立場は宮部みゆきらしい筆力で
よく描けています。
ミステリーとしては弱めですが読みやすかったです。


No.119 7点 笑わない数学者
森博嗣
(2018/10/26 12:44登録)
11章がなければ5点位でしょうか。
オリオンのトリックは皆さんおっしゃる通り
開始数ページで分かりますが、
世の中をどうとらえるか?
この本を読んでいる私とは?
と考える機会に7点です。


No.118 5点 絶望的 寄生クラブ
鳥飼否宇
(2018/10/19 17:11登録)
◯◯的の中では、可もなく不可もなくの作品です。
筆者が言う通りバカミスで下品です。
しかし最終章は小説の叙述的な可能性が
見られ(斬新さは無いですが)ます。


No.117 6点 9の扉 リレー短編集
アンソロジー(出版社編)
(2018/10/15 22:41登録)
収録:『くしゅん』北村薫→
『まよい猫』法月綸太郎→
『キラキラコウモリ』殊能将之→
『ブラックジョーク』鳥飼否宇→
『バッド・テイスト』麻耶雄嵩→
『依存のお茶会』竹本健治→
『帳尻』貫井徳郎→
『母ちゃん、おれだよ、おれおれ』歌野晶午→
『さくら日和』辻村深月。

お題を出し合いリレーして書かれている短編集。
それぞれの作家さんらしさがよく出ているのですが、やはりラストのさくら日和が全体を調和させる名作と感じました。(細かい設定に難はありますが人物がよく描かれています。)


No.116 6点 死と砂時計
鳥飼否宇
(2018/10/14 21:14登録)
異国情緒を満喫できる不思議な作品。
一話ずつの情景がよく描かれています。
最後はちょっと力業でしょうか。


No.115 6点 激走 福岡国際マラソン 42.195キロの謎
鳥飼否宇
(2018/10/07 09:53登録)
深みにたどり着く必要のない
スポーツミステリーですが、
最後に気持ちよく終わるし
詠む甲斐ありました。
サクッと二時間程度で楽しめました。
少しだけ叙述トリックです。


No.114 6点 獄門島
横溝正史
(2018/09/24 08:59登録)
戦争の影響が残る時代背景と
インシュラリズムばりばりの島の様子という
雰囲気を楽しめました。
特に『きち◯い』を巡る金田一の考察に唸らされました。
…で、6点なのは、やはりこちらの側がミステリーの刺激に馴れてしまったのでしょうか。


No.113 7点 カササギたちの四季
道尾秀介
(2018/09/17 18:06登録)
4章からなる連作
春の章がかなり出来か良くないと思ったのですが、
夏、秋とうまく繋げて、冬で大団円です。
春だけ掲載誌が違うのは何かあったのでしょうか?
主人公の事件に対する推理がめちゃくちゃで、
相方がフォローを入れながら正しく解くというのは、
見た目より難しい構成ではないでしょうか。
最終章で、更に一捻りあるのですが余計に
コメディタッチである事が効いてきます。
救われる話がやはり好きなのだと実感しました。


No.112 7点 掏摸[スリ]
中村文則
(2018/09/16 15:11登録)
登場人物が必死に生きているところが
伝わります。
外国で翻訳されて人気と聞きましたが、
裏社会を描いただけではない普遍性を
感じるのでそれも納得です。
200ページ足らずでこのでき。


No.111 5点 迷宮
中村文則
(2018/09/15 17:30登録)
人間の内面を描こうとして、
それほど深みにたどり着けなかったという感じ。
何故なら登場人物の夫婦の歪みに無理があるからです。


No.110 5点 私の男
桜庭一樹
(2018/09/15 16:11登録)
直木賞作品
叙述でさかのぼる二人の関係、
かつて幾つかの店を持っていた人物が主人公にやられるところが私の中の見所でした。


No.109 4点 百舌の叫ぶ夜
逢坂剛
(2018/09/09 17:43登録)
なぜでしょう?
びっくりもしなかったし、
人間が書けているとも思えなかったのです。
皆さんの高評価に対して申し訳ないです。
警察機構についても他のものでもっと詳しく
ありますし。


No.108 5点 湖底のまつり
泡坂妻夫
(2018/09/03 06:01登録)
普通は(物語に入って一人称として感じるところとすれば)ばれます。
しかし叙述トリックなので騙されます。というか気づかないのです。
という男女の有り様を描いた作品。300ページ足らずよくまとまっています。


No.107 8点 刑事のまなざし
薬丸岳
(2018/08/24 21:17登録)
短編集としては最高峰の密度です。
これだけ人間を深く描きながらミステリーするのは、
筆者の技量ならびに熱意の賜物かと思います。
主人公が登場人物を励ます言葉に、
読者である私も踏ん張らなくてはと励まされました。
世の中色々あるんだ、でも…と、
人の弱さや切なさの先にある優しさが沁みます。

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