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ミステリの祭典

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虫暮部さんの登録情報
平均点:6.20点 書評数:2254件

プロフィール| 書評

No.954 7点 櫻子さんの足下には死体が埋まっている 蝶の足跡
太田紫織
(2021/04/30 10:58登録)
 第弐骨。いつになく‟他人の事件に鼻を突っ込んでいる”感が強い。放っておけば某が巻き込まれて死ぬことは多分なかった。‟そういう事にもっと無関心になった方がいいよ”と言う台詞には胸を突かれた、良い意味で。
 このシリーズ、いつの間にか、語り手の揺れ動く心情の描写が鼻に付かなくなってきたな~。


No.953 7点 蒼海館の殺人
阿津川辰海
(2021/04/30 10:53登録)
 語り手の揺れ動く心情の描写が四角張った感じで煩わしい。ユウトの家での一幕は良かった。あなたが蜘蛛だったのですね。
 幾らかの齟齬と言うか記述の不備が含まれる気はするが、これだけ長々と読まされた後ではなんかもう検証する気力も失せた。この分厚さの狙いはそれか? とりあえず一点:文中とタイトルとで館名の表記が違うのは何故?


No.952 7点 ツングース特命隊
山田正紀
(2021/04/27 10:48登録)
 はみ出し者の愉快で不機嫌なチームの珍道中、と御馴染みの設定ながら、エンタテインメントのツボを押さえた書きっぷり。主人公のカラーが薄い気はするが、死に行くキャラクターをドライに描いて切なく読ませる技に酔いしれた。異国や魔境の旅情も満載。ところがこれでも山田正紀作品群の中では地味な方なのである。


No.951 4点 敗者の告白
深木章子
(2021/04/27 10:17登録)
 素人は論理的ではないダラダラした話し方で証言するものだなぁ、対して法曹関係者は正確を期して回りくどい説明をするものさ、と言うジョーク? 
 足引きの山鳥の尾の垂り尾の長々しい文書を読まされたけれど、それに見合う結末(主眼はトリックではなくホワイダニットだと思う)ではなかった。
 いかに子供とはいえ、手書きではなくPCを使っているのだから、あのメールの文章の設定(中途半端な漢字変換)は噓っぽい。わざわざ“山なし”とか、却って面倒だろうに。


No.950 7点 掟上今日子の鑑札票
西尾維新
(2021/04/24 11:47登録)
 ミステリとしては“書かないことで書く”みたいな感じで、ジャンルの枠組みを批評、と言うのはこの作者が何度もやっていることだが、今回は深読み必至。ただ、他のシリーズと重複しそうなネタを承知の上で書いたっぽいのはどうなんだろう。私は愛読者なのでニヤリと出来るけど。あーでも羽川翼みたいなキャラクターが『十二大戦』に出て来たりもしているから、単なる手癖?


No.949 5点 幸せスイッチ
小林泰三
(2021/04/24 11:46登録)
 短編集。まぁ面白いんだけど、“ハードウェアとしての小林泰三”と言う感じ。ソフトを厳選はしなかったんだな。イコライザーの変調で何をかけてもサイケに聴こえるCDプレーヤーである。しかしおかげで私は世界の秘密に気が付いてしまった。短編集。まぁ面白いんだけど、“ハードウェアとしての小林泰三”と言う感じ。ソフトを厳選は


No.948 5点 火喰鳥を、喰う
原浩
(2021/04/22 13:09登録)
 夢の中の情景が繰り返し語られるが、夢=何でもありの設定で怖がるのは難しい。文章が、却って怖さを遠ざけてしまう種類の上手さである気がする。着地点が読めてからは消化試合みたいで、取り返しのつかない領域に踏み込んでしまった怖さが無い。
 但し、そうやって“怖さ”にこだわってしまうのはホラーと言う先入観があるからで、現実改変SFとして読めばまた違った楽しみがあったかもしれない。
 ところで、“ヤムヲエズ”とか書いてあるし、“火喰鳥”ってアレのこと? その点を敢えて作中では伏せ、しかしタイトルに掲げるってのはなかなか強気じゃないか。


No.947 4点 ブラウン神父の知恵
G・K・チェスタトン
(2021/04/20 10:42登録)
 核になる謎や逆説を、こういう風な物語にまとめたい、という“意図”だけを提示して、あとは読者に放り投げたよう。第一集より随分落ちる。断片的な興趣があちこち散らばってはいるが、一編の小説として素直に楽しめたのは「紫の鬘」のみ。


No.946 6点 エンデンジャード・トリック
門前典之
(2021/04/16 12:40登録)
 相変わらず文章は硬く、人物の動きは大味だが、建築の話題に限って饒舌になるあたりにはニヤリ。妙な芸風が確立されてはいる。こういう書き方だから成立するトリックだと言う側面もあるし、この人は“本気かどうか判別しがたい大技を使うヘタウマな作家”として自らの道を邁進してもいいのかもしれない。


No.945 7点 あいにくの雨で
麻耶雄嵩
(2021/04/16 12:39登録)
 初読時は刊行順だったので4冊目に読んだ麻耶雄嵩作品。麻耶らしくないな~と思った。
 最新作まで一通り読んでまた読み返すと、いやいやこれは非常に麻耶らしいじゃないかと正反対の印象になった。らしいと言うか、ダミーの真相を丸ごとああいう位置に配するのは某作も某作もそうじゃないか。大技を繰り返し使い過ぎじゃないですか?
 学園群像劇の体裁を取りつつ、中心の3人以外はノンプレイヤーキャラみたいで、しかしそんな割り切りが寧ろ作品の雰囲気を高めているあたりも麻耶らしい。


No.944 9点 竜の眠る浜辺
山田正紀
(2021/04/10 12:48登録)
 ほのぼの系山田正紀の最高峰。最高峰も何も、こういう味わいの山田作品はほぼこれだけか。しかし作品リストにこの一冊があるだけで或る種のバランスが生まれている。異色作なのに代表作。
 エピローグに至っても事態は全く解決していない。にもかかわらず妙な安堵感に満たされるのは、登場人物を落ち着くべきところに落ち着かせる手際の良さ故か。

 但し、今回読み返して、“男女の役割分担”が作品全体を覆っている、とは感じた。勿論そういう時代の作品だからなのだが、普遍的なテーマの中でそれが目立つような。ああいう“ワイルド・ライフ”に於いては役割分担制に回帰してしまうものだろうか。


No.943 4点 リアル鬼ごっこ
山田悠介
(2021/04/10 12:46登録)
どんでん返しがいつ来るかいつ来るかとドキドキしながら読み進んだが結局来なかった。奇抜な設定と、奇抜ではない展開。


No.942 5点 わが師はサタン
天藤真
(2021/04/10 12:45登録)
 予想を裏切るストーリー展開は良いけれど、辿り着く真相があまり面白くない。“丸ごと偽装だった”ってのをやり過ぎるとこうなる、と私は思う。
 第二の目標は友人経由で選ばれたのに、それが黒幕にとって都合の良い人物であるのはおかしい。彼女は相手に協力しているわけで、心情的に一貫していない、もしくは記述不足。暗闇の中で手に触れただけで性別を確信出来る……のはまぁ、ミステリと言うファンタジー世界ゆえだと大目に見てもいいか。


No.941 6点 妃は船を沈める
有栖川有栖
(2021/04/04 11:49登録)
 良く出来たパズラーだとは思うが、「猿の手」を引用する必要がどれだけあるのか。こういう使い方は好きではない。
 催眠術云々が本格的に絡んで来ないのは残念。この作者は某長編(1995年)でアレを使った前科があるので期待(心配)したんだけど。
 “催眠術で自殺はさせられない”説に私は懐疑的。試したんですか? と突っ込んでしまう。


No.940 4点 涼宮ハルヒの消失
谷川流
(2021/04/04 11:45登録)
 始まりがこうなら、どうなって終わるかは概ね決まっているわけで、そこに至るまでのジタバタの描き方として、物凄く面白いと言うわけでは、まぁない。一応“犯人”に関する手掛かりは提示されていて、それはなかなかの盲点だったかも。


No.939 7点 殺意の構図 探偵の依頼人
深木章子
(2021/04/03 13:05登録)
 最後に出て来る“現場にあるべき物が無い”のロジックは浮いている気がする。探偵の推理の為には犯人のこういう行動が必要、と逆算して付け加えたような。そして、榊原の意図した落としどころは少々不安定では(しかしダディよく我慢した)。
 元弁護士の経歴のおかげで法律関係について安心して読めるのはこの作者の強みだな~。


No.938 4点 奇憶
小林泰三
(2021/04/03 12:59登録)
 作者の持ちネタを組み合わせただけ。お約束の面白さみたいなものはあるが、強い核が欠けており残念。


No.937 5点 バビロニア・ウェーブ
堀晃
(2021/04/03 12:55登録)
 星雲賞受賞作。あっ、この人も小林泰三のように“物理計算しながら書く人”だ。J・P・ホーガンばりの宇宙規模の謎。基地内での秘密めかした展開。
 素材としては充分。ただ、なんかどうも、どんくさい。
 ハードSFとしての誠実な書き方が、しかし作品の足許に絡みついて、スピード感を殺いでしまった部分がある。同系統でグイグイ読める作品もあるのだから、私のおつむのせいではないぞと自己弁護。


No.936 8点 謀殺のチェス・ゲーム
山田正紀
(2021/04/01 10:46登録)
 若人2人の逃避行が、物語中盤の“ゲーム”とあまり有機的に結び付いていない。
 勝敗の基準が今一つ解りづらい。
 両陣営とも似たようなキャラクターが多く紛らわしい。
 題名に“謀殺”は変じゃない?

 しかしグッジョブ。息を詰めて一気に読みました。


No.935 4点 大富豪殺人事件
エラリイ・クイーン
(2021/04/01 10:42登録)
 表題作。犯人は、忘れ物を回収しようとして、却ってソレが手掛かりだと教えてしまった。
 「ペントハウスの謎」。中国人が登場するのは、ノックスの十戒に対する諧謔?
 文庫版解説は面白かった。

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