| まさむねさんの登録情報 | |
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| 平均点:5.89点 | 書評数:1306件 |
| No.466 | 5点 | 世界で一つだけの殺し方 深水黎一郎 |
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(2014/06/06 20:29登録) 中編2本で構成。どちらの作品も,お馴染み「神泉寺瞬一郎」が探偵役を務めますが,作品自体の雰囲気は対照的と言えます。(時間軸として両作品に繋がりを持たせてはいますが) 1 不可能アイランドの殺人 確かに「舞田ひとみが探偵ガリレオしている」との書評のとおりです。本筋の殺人事件に無理やり「奇妙な出来事」をくっつけた…という印象もありますが,モモちゃんのキャラも良く,サラサラ読む分には楽しめると思います。ちなみに「神泉寺瞬一郎」の出番は少ないです。 2 インペリアルと象 「芸術探偵」の特長が色濃く反映されている作品。音楽に無縁な私にはちょっとピンとこない面も正直ありましたが,クラシック好きの方には楽しめるでしょう。冒頭とラストの内容は,「いかにも」と思いつつ,やっぱり良いですね。 |
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| No.465 | 6点 | 祈りの幕が下りる時 東野圭吾 |
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(2014/06/01 18:39登録) ページをめくらせる力はさすがです。終盤前に真相の大枠(あくまでも「大枠」ですよ)を予測できてしまう方も多いと思いますが,既にそういう方向では読ませていないのですよねぇ。登場人物たちの人生の見せ方が何とも心憎く,巧いです。 これまでの加賀シリーズの設定に加え,「白夜行」の雰囲気,「容疑者X~」の切なさ,「天空の蜂」から続く作者の主張などなど,目一杯に盛り込まれています。(だからこそ東野ファンには真相の「大枠」が見えやすいかもしれませんね。) 加賀恭一郎の家族の過去が描かれていますし,今後の展開が楽しみな締めにもなっているので,加賀シリーズファンには必読と言えましょう。 |
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| No.464 | 4点 | 波形の声 長岡弘樹 |
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(2014/05/29 21:03登録) 7編からなる短編集。 登場人物の心情の動きと終盤の反転が読みどころ,のはず。この点は氏の出世作「傍聞き」と同じ方向性なのですが,比べれば相当に小粒だし,こじつけ感も気になります。 横山秀夫氏の作風ともダブるのですが,本作品のみで比較するとすれば差は明確。読みやすい作品ではあるのですが…。辛口かもしれませんが,この点数で。 |
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| No.463 | 7点 | 首折り男のための協奏曲 伊坂幸太郎 |
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(2014/05/24 10:15登録) 7話から成る連作短編集。とはいえ,各話の繋がりは緩やかです。 個人的なベストは第5話の「月曜日から逃げろ」。ミステリ的にも,これまで読んだ伊坂短編の中でもベストに位置付けたい。敢えて多くは書きませんが,様々な面で綺麗に纏めた秀作です。伊坂作品でお馴染み「黒澤」ファンの方にはさらに楽しめるのではないでしょうか。 他の短編は,いつもの伊坂ワールドは勿論,恋愛モノやホラー風味の作品もあり,さらには作者の主張や遊び心も加わっていて,氏の短編集としては比較的バラエティに富んでいると言えましょう。(ミステリとしては弱いですが。)何を期待して読むかで評価は大きく変わると思いますが,純粋な読書としては十分に楽しめましたね。 |
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| No.462 | 6点 | 風ヶ丘五十円玉祭りの謎 青崎有吾 |
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(2014/05/17 21:18登録) 裏染シリーズ初の短編集。 ちょっと恣意的な設定も見受けられるし,ロジック展開としてもこれまでの長編に及ばないのですが,ユーモアミステリ的な側面も増していて,サラッと読む分には楽しめると思います。よくよく考えてみれば短編集にマッチする舞台構成ですしねぇ。個人的なベストは「もう一色選べる丼」かな? ちなみに,「体育館の殺人」の次は「図書館」と想像しつつ,「水族館」に持っていかれた者としては,とうとう「図書館」が読めそうなのが嬉しいです(苦笑)。 |
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| No.461 | 6点 | 三度目ならばABC 岡嶋二人 |
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(2014/05/11 22:18登録) 増補版で読了。 ベストは,本格短編として良質な「十番館の殺人」。事件の再現ドラマの撮影中(正確にはリハーサル中か)に,役者やスタッフが事件を検証していく設定も楽しい。 他の短編は水準級かな…といった印象ですが,山本山コンビの雰囲気も相まって,気軽に読むのにちょうど良い感じですね。 |
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| No.460 | 8点 | 天空の蜂 東野圭吾 |
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(2014/05/05 23:01登録) 東日本大震災後だからこそ,広く読んでいただきたい作品。 震災前に読んだのであれば,自分ならおそらく「薀蓄が多い…」とか「とは言っても…」などと感じてしまったと思うのです。 しかし,今となっては,一つ一つの言葉がズシリと心にのしかかってきます。「沈黙する群衆に,原子炉のことを忘れさせてはならない」,「子供は刺されて初めて蜂の恐ろしさを知る」…。クライシス・サスペンスとしても秀逸ですが,作者の言わんとしているコトが突き刺さってきて,非常に読みごたえがあります。 今一度申し上げます。今こそ広く読んでいただきたい作品です。 |
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| No.459 | 6点 | ビブリア古書堂の事件手帖5 三上延 |
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(2014/04/28 21:39登録) 人気シリーズ第5弾。 ラブストーリーとしての割合が高くなってきていますが,スキを突くような第1話の反転や,各短編におけるトリビア的知識などなど,楽しめると思います。 ちなみに,個人的には「篠川智恵子さんみたいな母親ってあり得る?」とか「いや,そもそも栞子さん的な人って実在しないよね~」とか,気にならないでもないです。この辺の設定をちょっと薄めるのは難しいのかなぁ。 |
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| No.458 | 5点 | シュークリーム・パニック Wクリーム 倉知淳 |
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(2014/04/19 23:10登録) あまり考えずに気軽に楽しむのが一番!って感じの短編集。 1 限定販売特製濃厚プレミアムシュークリーム事件 非常に馬鹿らしい結末だけれども,途中のロジック展開も含めて,嫌いではないタイプ。 2 通い猫ぐるぐる この作者さんはホントに猫が好きなんだなぁ…という以上の感想はないですね。 3 名探偵南郷九条の失策 読中に感じた違和感がそのまま伏線でしたか…。確かに作者らしい作品ではあります。 |
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| No.457 | 6点 | 鏡の花 道尾秀介 |
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(2014/04/13 23:34登録) 不思議な世界観の連作短編集です。 第2章に入って驚きました。なぜなら,第1章で亡くなっていた設定の人間が生きていて,生きている設定の人間が亡くなっているから。 つまりは,限られた登場人物の中で「この人が亡くなっている」という様々な設定で各短編が描かれているわけでして,何とも不思議な余韻を残します。 ミステリ的な側面は極めて弱いのですが,着目点や作者の表現手法(コレは好き嫌いがあると思いますが…)には一目置きます。 |
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| No.456 | 7点 | 江神二郎の洞察 有栖川有栖 |
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(2014/04/06 23:13登録) アリスの大学入学からマリアの推理小説研究会入部までの1年間を舞台にした,このシリーズ初の短編集。 一言でいえば,とても気持ちよく読めました。何とも心地よい。 舞台が昭和から平成に移るとき…というのも,自分が四半世紀前に還ったようで,不思議な気分でしたねぇ。 ベストは「四分間では短すぎる」。「二十世紀的誘拐」も好きなタイプ。「除夜を歩く」と「蕩尽に関する一考察」もファンとしては楽しい。 |
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| No.455 | 7点 | 遠海事件: 佐藤誠はなぜ首を切断したのか? 詠坂雄二 |
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(2014/04/01 21:36登録) 正直,既読の「電氣人閒の虞」に良い印象はなかったのですが,皆様の評価の高さに刺激を受けて,恐るおそる(?)手にした次第です。 結論としては,恐れる必要など全くなく,相当に楽しめました。「佐藤誠はなぜ首を切断したのか」とうサブタイトルどおり,ホワイダニットがメインですが,それを取り巻く物語全体の構成も非常に趣深いですね。 |
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| No.454 | 4点 | 今夜はパラシュート博物館へ 森博嗣 |
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(2014/03/29 09:55登録) 作者の第3短編集。 第2短編集「地球儀のスライス」は個人的に好印象だったのですが,正直,こちらの短編集はそれほどでもないなぁ。 というのも,既存キャラに頼りすぎた展開が多すぎる。ファンとしては「へぇー」的な話題も確かにあるのだけれども,それだけではねぇ。 |
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| No.453 | 6点 | セシューズ・ハイ 天祢涼 |
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(2014/03/23 23:35登録) 前作「葬式組曲」といい,舞台設定が達者な作者さんですね。 ミステリ度合いは決して高いとは言えないものの,政治エンタメ小説とでも言うべき軽快な展開&語り口で,印象は悪くないです。 |
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| No.452 | 6点 | 致死量未満の殺人 三沢陽一 |
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(2014/03/21 18:31登録) 第3回アガサ・クリスティー賞受賞作品。 賞の名にふさわしい,しっかりとしたプロットの端正な本格作品。派手さはないものの,楽しめました。 しかし,文章力・表現力という観点では「まだまだこれから」といった印象。特に,被害者・弥生の描き方が物足りないので,動機に結構な違和感が残ります。 |
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| No.451 | 5点 | 彼女はたぶん魔法を使う 樋口有介 |
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(2014/03/01 21:21登録) 元刑事のフリーライター・袖木草平シリーズの第1弾。 袖木と女性たち(小学校4年生の娘・加奈子も含む。)との会話シーンは面白かったのですが,事件の構図や展開はいたって平凡な印象。 ちなみに,「洗濯が趣味」という主人公の気持ちは,個人的によく分かります。 |
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| No.450 | 6点 | 真相 横山秀夫 |
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(2014/02/16 19:54登録) 人間の弱さや哀しさを突いた作品が揃った短編集。まぁ,氏の作品はたいていはそうなのですが,この作品は特に弱さや哀しさが強く出ている気がします。 捻りも加え,相変わらずの安定感なのですが,個人的には以下のとおり「哀しい」という感情が強く残りすぎまして,もっと精神的に元気な時に読めばよかったなぁ…という印象。 ①「真相」:哀しく,深い作品。 ②「18番ホール」:主人公の落ちていく様が哀しい。とある登場人物の顛末はさらに哀しい。内容としては,個人的にこの短編集中ベスト。 ③「不眠」:ひたすらに哀しい。泣けてくる。 ④「花輪の海」:主人公たちの悲哀よりも,先輩達に無性に腹が立つ。どこからどう見ても犯罪ですわな。何故許しておいたのか。ラストは結構好き。 ⑤「他人の家」:これも哀しい話だが,多少は救われるか。 |
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| No.449 | 6点 | 地球儀のスライス 森博嗣 |
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(2014/02/15 21:49登録) 森氏の第2短編集です。 詩的な作品から馴染みのシリーズキャラが登場する作品まで,それなりにバラエティに富んだ作品集と言えましょう。どうもしっくりこなかった短編も無い訳ではないのですが,全体的には十分に楽しめました。前短編集よりも好印象。 特に良かったのは, 「小鳥の恩返し」,「片方のピアス」,S&Mシリーズの2作品(「石塔の屋根飾り」,「マン島の蒸気鉄道」)あたりか。 それと,「僕に似た人」は,読後“そのこと”に全く気付かず,次の「石塔の屋根飾り」の読中に「もしや?」となりました(最終的にはネタバレサイトで確認…)。こういう作品も悪くないですね。 |
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| No.448 | 5点 | 上石神井さよならレボリューション 長沢樹 |
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(2014/02/08 21:25登録) 都立高校写真部の設楽洋輔は,天才かつ変態の岡江和馬の学習指導と引き換えに,生物部・川野愛香の盗撮(しかもフェティシズムな写真)を請け負う…という設定で始まる連作短編(全5編)。 すべて「消失」がテーマになっているのですが,トリック自体はさもない感じで,正直脱力レベルのモノもあります。 中盤までは,単にキャラクターに頼ったミステリなのかな…という印象でしたが,後半の4作品目と5作品目(表題作)でやや盛り返してくれました。 高校1年生の後半から高校2年生の終業時までを描いているので,続編も作者の念頭にあるのかもしれませんね。強烈な妄想癖のある「国府田彩夏」のキャラが結構楽しかったので,続編があるのなら,読んでみようかな。 |
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| No.447 | 7点 | 十二人の手紙 井上ひさし |
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(2014/02/01 22:36登録) 手紙のみ(公文書もあったりしますが)で構成される短編集。 短編自体の仕掛けは勿論ですが,人間に対する哀しさと愛おしさが,決して説教臭くなく,じんわりと伝わってきました。この微妙なさじ加減は難しいと思う。さすがは井上ひさし先生だと感じ入った次第です。 |
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