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ミステリの祭典

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まさむねさんの登録情報
平均点:5.88点 書評数:1269件

プロフィール| 書評

No.429 6点 ダチョウは軽車両に該当します
似鳥鶏
(2013/11/16 07:43登録)
 「午後からはワニ日和」に続く,動物園ミステリー第2弾。
 密室殺人の真相にはやや脱力感を抱いたものの,まぁ,動物園ミステリーなだけに,良しとしましょう。
 ストレスを感じさせることの無いスラスラ読みやすい展開でしたし,動物園職員のキャラも立っているので,読書自体は楽しめましたよ。


No.428 6点 六つの手掛り
乾くるみ
(2013/11/10 20:48登録)
 文庫版で読了。
 これまでの林兄弟シリーズ短編集の中で,ロジックへの拘りという点では,確実にベストワン。キャラ的にも,この作品集の探偵役・林茶父が抜きん出ていると思いますね。
 個人的には,「三通の手紙」の綺麗な纏め方に感心。一方で,「二枚舌の掛け軸」は,問題の掛け軸がいま一つイメージしにくく,どうも自分の中で処理し切れなかった…。
 全体的には,作者の遊び心も楽しく,好きなタイプの短編集でしたね。


No.427 7点 切り裂きジャックの告白
中山七里
(2013/11/09 22:51登録)
 パズラーとしての楽しみはないですが,臓器移植のあり方など,かなり考えさせられる作品であります。
 臓器移植の背景としての,登場人物各々の「家族」の挟み込ませた方もニクイです。
 真相にはちょっと微妙な印象もありますが,ラストに泣かされそうになったので,良しとしましょう。


No.426 6点 46番目の密室
有栖川有栖
(2013/11/02 20:26登録)
 火村シリーズの第一作品。
 地味という印象もあり得ましょうが,伏線を含めてきっちりとした構成で,個人的には好きなタイプの作品。非常に纏まっています。


No.425 6点 夢・出逢い・魔性
森博嗣
(2013/10/27 18:09登録)
 ××トリックについては,片方は序盤から気付いていたのですが,もう一方は…まったくのノーマークでしたね。
 タイトルを含めて綺麗な仕上がりだとは思いますが,かなり「技巧」に特化している印象。好き嫌いは分かれそうですね。


No.424 7点 いつか、ふたりは二匹
西澤保彦
(2013/10/20 22:53登録)
 ミステリーランド作品としてのバランスが絶妙。
 西澤カラーも十分に反映されていますし,子どもから大人まで楽しめるのではないでしょうか。
 単なるハッピーエンドにさせなかった点も,ジュブナイルとしてむしろ評価できると思います。


No.423 7点 第三の時効
横山秀夫
(2013/10/19 22:14登録)
 評判どおりの高水準短編集。一気読みでした。
 個人的ベストは,やはり表題作。タイトルが直接的に示す事項についても「へぇ~」的な驚きがあったのですが,これはまだまだ序の口。その後の重層的反転が実にお見事。事件関係者の心理描写がこれまた見事で,短編とは思えない厚みを感じます。
 一方で,最終話は(あくまでも他の収録作品に比してですが)ちょっと落ちるかな…との印象もあり,総合的にこの点数とします。


No.422 6点 完全犯罪に猫は何匹必要か?
東川篤哉
(2013/10/18 22:38登録)
 そういえば,この作品だけ未読だったなぁ…と手にした次第です。烏賊川市シリーズの長編です。
 厚さの割にはスラスラと読了。とあるトリックは結構分かりやすかったのですが,味噌汁の謎をはじめ,ニヤリとさせられるモノも多く用意されていて,それなりに楽しめました。
 最近,作者は新たなシリーズキャラを模索中(と個人的には感じているの)ですが,やはり,烏賊川市シリーズがベストだと思いますね。(初期作品にこのシリーズが多い=初期作品に良作が多いという,単にその理由によるものだとの説もありますが…)作者には,是非,初心(?)に帰っていただきたい。烏賊川市シリーズの新作はいつになることやら…。


No.421 4点 教場
長岡弘樹
(2013/10/18 20:46登録)
 個人的には,「短編の新名手」と評価している作家の連作短編集。舞台は警察学校です。
 個々の話には確かに巧さも見えるのですが,全体としては,現実感が希薄すぎるからなのか,何ともぼやけた印象。特に心にも響かず。警察学校内でこんな問題ばかり起きるってどうよ?あり得ないよね…と思いつつ,心の片隅で不安を感じながら読了した次第です。
 ちょっとハードルを上げすぎて読んじゃったのかなぁ?私としては,この作者の純粋な短編の方が好みですね。結構辛目かもしれませんが,この点数で。


No.420 4点 あるキング
伊坂幸太郎
(2013/10/13 20:03登録)
 超要約すれば「天才野球少年の生涯」。このサイトに書き込んでおいてアレですが,ミステリではないです。
 では,単なる野球小説なの?と問われれば,それも違う。いつもの「伊坂ワールド」とはまた違った世界観で描かれています。
 しかし何とも評価しにくいのですよねぇ。「入り込んじゃってる」感じがなぁ…。深読みせずに,サラサラ読むべきなのかもしれませんね。

 ちなみに,東北楽天イーグルスがリーグ制覇した今が読みドキかもしれません。読後の責任は取れませんけれども(笑)。


No.419 5点 死亡フラグが立ちました!
七尾与史
(2013/10/13 19:44登録)
 中盤まで(複数のストーリが集約されていくまで)は,B級感が何とも心地よく,一定楽しく読めていたのですが,終盤&ラストはかなり残念。
 ちなみに,ピタゴラ装置的なトラップは,ちょっと無理過ぎかなぁ…と。登場人物たちの,あり得ないほどの無防備さも,何だかなぁ…。犯人の手口は分かっているのだろうに…。
 その手口とか犯人が誰かを含めて,「志村!後ろ!」って感覚を楽しめってことなのかなぁ?
 まぁ,読みやすいし,それなりには楽しめたので,この点数としましょうか。


No.418 4点 月は幽咽のデバイス
森博嗣
(2013/10/09 23:54登録)
 謎自体はなかなかに魅力的です。スムーズな進行で,読中ストレスを感じることもありませんでした。
 しかしながら,真相の評価は相当に微妙。すべてを台無しにしているという印象すら受けます。
 ミステリ読みに対する鋭い問題提起なのだという解釈も成り立ちえると思いますが,読後の素直な印象から,この位の点数にしておきましょう。


No.417 5点 カラット探偵事務所の事件簿2
乾くるみ
(2013/10/05 21:26登録)
 シリーズ第2弾も連作短編形式です。
 いきなりの脱力系ネタ2連発の時点で,このまま読み進めるべきなのか,ちょっと迷ってしまいました(笑)。
 でも,その後,小粒ながら「なるほどねぇ」的な短編もありましたので,多少は救われたかな。
 いかにもこの作者らしい,最終話のラスト2行も好みですねぇ。シリーズ前作を読んでから,この短編集を手にすることをオススメします。


No.416 6点 長い廊下がある家
有栖川有栖
(2013/09/29 22:01登録)
 ロジカル・デスゲームが面白かった(火村准教授が10秒間で採った行動は想像しやすかったけどね)のですが,その他の短編もまずまず楽しめましたね。表題作も,あまり評価は高くないようですが,私は好きなタイプ。
 火村シリーズらしい,安心して読める短編集と言えるのではないでしょうか。


No.415 6点 凍った太陽
高城高
(2013/09/24 23:24登録)
 国内ハードボイルド作品の黎明期を支えた作家の短編集。
 個人的には,作者が弱冠20歳の時(昭和30年)に新人懸賞で一席を獲得したデビュー作「X橋付近」を目当てに手に本書を手にしたのですが,その他の作品も十分に楽しめました。 特に,氏が東北大学を卒業し,北海道の地方紙記者となってから江戸川乱歩の奨めで書いたという,「賭ける」「淋しい草原に」「ラ・クカラチャ」「黒いエース」には,氏の力量を再確認させられる思いでした。(ミステリ的な側面は弱いかもしれませんが・・・)
 また,「賭ける」から始まる一連の由利シリーズ(表題作もこのシリーズ)や付属されているエッセイも興味深かったですね。
 ちなみに,舞台は一貫して仙台か北海道。この舞台がまたしっくりくるんですよねぇ。


No.414 6点 退職刑事2
都筑道夫
(2013/09/22 23:28登録)
 シリーズ第2弾も魅力的な謎に囲まれた安楽椅子モノ。
 ロジックというよりも想像に頼った部分が多いような…との印象もあって,正直第1集の方が好印象ではありますが,それはそれとして,やっぱり楽しめましたよ。


No.413 5点 人形式モナリザ
森博嗣
(2013/09/18 23:32登録)
 WHOを中心とするメイン(と言ってよいのか判断は迷うが)のトリックについては,標準レベルに達するのか微妙なところ。でも,終盤の“裏真相”やモナリザの謎,ラスト1行を加味すれば,一定楽しめたと言えるのかな。特に,“裏真相”については,前作の件もあっただけに,巧いことしてやられた感じです。
 しかし,色々と詰め込まれていて実際に驚きもあった割りに,読後にそれほど満足感を得られなかったのはなぜなのだろう。動機が,分かったようでイマイチ腑に落ちないからなのかなぁ。


No.412 6点 終末のフール
伊坂幸太郎
(2013/09/12 23:12登録)
 3年後に小惑星が地球に衝突し、人類は息絶えるだろう…という設定での連作短編。
 この事実が判明したのが5年前で,パニックによる殺人や強奪,はたまた自殺者続出という騒乱期を経たうえでの,小康状態とも言える時期を舞台としたところに,作者のセンスを感じました。確かに,一旦は自棄になりそうだけど,5年経ってしまえば,残りの3年間は逆に落ち着いて淡々とした生活を送るような気もしますね。妙なリアル感があって,実際に自分がこの状況に置かれたらどうなのだろうと考えさせられます。
 そもそも表題作が「ミステリーじゃないものを」との編集者の依頼に基づいて書かれたものだそうで,他の短編も含めてミステリーとは言いがたいのですが,伊坂さんらしい軽妙なタッチに中で,何気に自分の生と死を見つめ直せるような作品です。


No.411 6点 黒猫の三角
森博嗣
(2013/09/02 22:47登録)
 見事に,作者の罠にかかりました。出版順に手を出して正解でした。なんて素直な読者なのだろう(笑)。
 確かに,犯人はあの方しかあり得ないだろうと,頭の片隅では思っていたのですがねぇ…。見事にやられました。そういう驚きはウェルカムなのです。
 でもなぁ,どうしてもアンフェア感が払拭できないなぁ…。最初の密室もちょっと強引,というか無理筋じゃないかなぁ…。
 とはいえ,総合的には,S&Mシリーズとはまた違った雰囲気で,嫌いではないタイプ。シリーズ続編も早速読んでみます。


No.410 6点 よもつひらさか
今邑彩
(2013/09/01 00:06登録)
 12編からなる短編集。今邑さんの短編集の中でも,ホラー色がより強く出ている短編集かもしれませんね。
 結末が想像しやすい作品も正直あるのですが,総じて展開が巧く,終盤の捻りが効いています。読みやすい文章も良です。

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