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ミステリの祭典

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長い廊下がある家
作家アリス&火村シリーズ

作家 有栖川有栖
出版日2010年11月
平均点6.14点
書評数14人

No.14 7点 虫暮部
(2021/03/17 12:49登録)
 表題作。小川が“天然の水洗トイレ”って……建築時期が古い建物ならアリ?
 「雪と金婚式」。“証人が黙っていた理由”は味わい深い。
 「天空の眼」。ここまで間接的な誘導は“殺人”とは言い難いのでは。
 「ロジカル・デスゲーム」。元ネタの“問題”を知っていると興醒めなので、読者としての運が問われる。私はコレがミステリで使われたのを読むのは少なくとも三冊目。

No.13 6点 mediocrity
(2021/01/31 03:12登録)
後半の2作は異色作。『ロジカル・デスゲーム』における火村の咄嗟の機転が最も印象に残った。表題作は、あんなにうまくいくものなのか若干疑問。

No.12 6点 ボナンザ
(2020/02/25 20:38登録)
これは結構考えられた短編集だと思う。表題作から作者の意気込みが感じられる。
火村はよく殺されかけますね・・・。

No.11 6点 makomako
(2019/05/27 21:26登録)
 表題作は中編。後の3つは長めの短編です。
 表題の長い廊下がある家が一番好き。似たようなトリックは何度か読んだような気もしますが、これはこれでかなり大胆で斬新なトリックと思います。
 実は長編と思って読んでいたので、途中で急に解決してしまったように感じました。お話も面白く登場人物も興味深いので、もっと膨らませて長編としてみてもよかったような気がします。
 そんなことはせずに切れよく中編とした作者の志に拍手を起こりましょう。
 ほかの3作はちょっと落ちるかなあ。
 2作目の雪と金婚式はかなりロマンチックで嫌いではないのですが、切れ味は今一つでしょう。
 3作目の天空の目はアリスは一人で解決したお話。ちょっと意外な展開ではありますが、推理小説としてのおさまりはいまいちな感じがしました。
 最後のロジカルデスゲームはあまり好みではないですね。

No.10 7点 青い車
(2016/07/10 22:05登録)
以下、各話の感想です。
①『長い廊下がある家』 不可解な謎と論理的な推理がしっかり両立しています。特殊な構造の建物ではまず疑われるカラクリによるトリックを否定し、少々古典的ながらもうまくこちらの盲点を突いてくる真相がうまいです。
②『雪と金婚式』 こちらも個人的にツボでした。第三者の何の関係もない行為が予想外に事件を狂わせる、というあまり見たことがない話。心温まる結末もいいです。
③『天空の眼』 作者としてはかなりの異色作。この時代ならではのツールを本格ミステリーに組み込んでくる発想が面白いです。悪く言ってしまえばヘンテコなトリックが奇妙な後味を残します。
④『ロジカル・デスゲーム』 数学の世界ではわりと知られたネタだと後で知りました。しかし、この短篇で見るべきなのは火村の生き残るための決死の戦略にあると思います。

 全体的によくまとまった好篇が揃っています。個人的ベストは地味ですが②かもしれません。

No.9 7点 ボンボン
(2016/06/23 23:45登録)
4編の作品いずれも題名がとても巧く付けられているなと思った。
「長い廊下がある家」は、最も魅力的な題だ。内容も興味をひかれる設定や運びで読ませてくれるが、肝心のトリックがあまりに簡単で気持ちがしぼむ。トータルでは嫌いではないけれど。
「雪と金婚式」は、地味な題で、なぜそんなにこれに拘るのか読みながら気になったが、納得の結末だった。高齢の登場人物の心情がたっぷりと語られている良いお話だ。
「天空の眼」は、180度違う方向から持ってきた2つの天空の眼が目新しい。アリスが単独で活躍する大変珍しいパターン。でも、何かちょっと寂しくて、読後、アリスにつられて変にしょんぼりしてしまった。
「ロジカル・デスゲーム」、これは噂どおりすごい。肝の数学も勿論だが、不確実な賭けの部分も、犯人の狂気も、隙を窺うドキドキも、一瞬の判断も、ガタガタしたアクションも、全部いい。おまけに本筋に関係ないアリスまでいい。大満足。一瞬、あれ?『SHERLOCK』(英ドラマ)?と思ったが、こちらの方が先だったし、元ネタも全然違ったようだ。

No.8 7点 公アキ
(2015/05/05 16:01登録)
 軽妙な佳作の揃った短編集です。
 表題作でもある1作目「長い廊下がある家」と2作目「雪と金婚式」はどちらも「死体が発見された場所には、容疑者の誰もが殺害推定時刻には行けなかったはず」という不可能殺人が演出されています。1作目では鍵のかかった地下通路の扉の向こう側に死体が、2作目では2人の容疑者にはそれぞれアリバイが、というふうに不可能状況も比較的わかりやすく、ミステリ初心者にもアクセシブルな印象です。
 4作目「ロジカル・デスゲーム」は、窮地の状況に追い込まれた探偵が生き延びたすべが肝の、一風変わったハウダニット。これもまた不可能状況と言えば、一種の不可能状況です。
 いずれもコンパクトな佳作で、またトリックもわかりやすいものでした。

(以下、ネタばらし有り)
 というのも、スノーマシンを使った夫のせいで足跡に関する死亡推定時刻がズレこんだり、3人掛かりで1人に嘘をつく協力プレイで東西のよく似た二つの家を逆に認識させたり、自分から当てにいくとなると模範解答を作るのは難しくとも、読み物としては理解しやすく充分に楽しめるものでした。3作目「天空の眼」も、状況証拠からの有栖川のひらめき一発で成り立つ、相当にシンプルな構造をしています。このようにライトであり、かつ安心感のある筆致は、作家有栖川有栖をしてこそ実現できる絶妙な味の短編集だと思いました。

No.7 5点 E-BANKER
(2013/12/29 21:45登録)
2010年光文社より発表された作品集。
もうお馴染み、“火村准教授&作家アリス”コンビが活躍する作者の看板シリーズ。

①「長い廊下がある家」=タイトルどおり、長~い地下廊下のある廃屋という特殊設定下で起こった殺人事件がテーマ。廊下の真ん中にドアがあり、死体はアリバイに守られた密室状況にある・・・っていうといかにもミステリーっぽくてワクワクするが、真相は十分に予想の範囲内に収まる。
②「雪と金婚式」=これもタイトルから想起されるとおり、ある種の「雪密室」に関わる事件。これも密室+アリバイがプロットとなっているが、仕掛けはかなり陳腐ではないか? 要は思い付きっていう気がした。
③「天空の眼」=これはシリーズとしては非常に珍しい作品。何が珍しいかというと、火村の手を借りず、アリスが事件を解くという点・・・。ただそれに尽きるのだが。
④「ロジカル・デス・ゲーム」=これはミステリー作家・有栖川有栖の面目躍如というべき一篇かな。文庫版の巻末解説で杉江松恋氏が「スイス時計の謎」に匹敵する名作と褒めているが、それは言い過ぎとしても、プロットとしては面白い。

以上4編。
本シリーズについては、前々から個人的には評価していないと書いてきたが、
本作に関しても、良く言えば「安定感たっぷりの人気シリーズ」ということになるが、悪く言えば「そこそこの水準」ということになる。

まぁでも、この安定感こそが作者のストロングポイントなのだろう。
編集側も依頼すればそこそこのレベルの作品を書いてくれる・・・っていう安心感があるのかも。
そんなことを感じさせられた。
ということで「水準級」という評価に落ち着く。
(ベストは間違いなく④だろう。あとは・・・そこそこ)

No.6 6点 まさむね
(2013/09/29 22:01登録)
 ロジカル・デスゲームが面白かった(火村准教授が10秒間で採った行動は想像しやすかったけどね)のですが,その他の短編もまずまず楽しめましたね。表題作も,あまり評価は高くないようですが,私は好きなタイプ。
 火村シリーズらしい,安心して読める短編集と言えるのではないでしょうか。

No.5 6点 黒い夢
(2012/09/26 08:05登録)
それぞれの短編が趣向を変えて作られており、最後まで楽しく読めました。
他の皆様もおっしゃってるように、「ロジカルデスゲーム」がその中でも異色でよかったと思います。

No.4 6点 HORNET
(2012/03/25 06:35登録)
表題作のトリックは読めた。雰囲気のある作品で,中篇程度の長さもちょうどよい。「ロジカル・デスゲーム」が,偶然にも読む前日にその類のパズルをやっていて,「こんな偶然もあるんだな」と読みながら笑ってしまった。そのことを差し引いても面白い短編だった。
 全体的に氏の作品としては水準作。

No.3 5点 こう
(2012/01/30 00:32登録)
 まあ無難な火村シリーズ短編集だと思います。本格というか数学だと思いますがロジカル・デスゲームが一番楽しめました。表題作は中編の趣きですが個人的にはイマイチでした。
あとシリーズが進むごとにアリスと火村は年をとっていると思っていたので勝手に40代をイメージして読んでいたのでまだ34歳だったのに驚きました。いつの間にか自分が年を追い抜いてしまっていたことが少しショックでした。

No.2 6点 白い風
(2011/03/19 15:39登録)
4編の火村シリーズの短編集ですね。
「ロジカル・・・」が面白かったかな。
途中で自分ならどう回避するかを考えましたね。
最後に火村が”青”のグラスに変えた意図までは分らなかったけどね。

No.1 6点
(2010/11/24 22:09登録)
長い廊下がある家:似たような家が並んでいれば、その可能性を考えますよね。長さが(ページ数)ある割りには、ちょっと拍子抜けするトリックでした。

雪と金婚式:いつもの短編のパターンにのっとった作品でした。

天空の眼:私の読み方が悪かったのか、肝心のトリックがイマイチはっきりしないように思えました。

ロジカル・デスゲーム:これは、確かにイレギュラーな形をしたミステリです。しかし、これはこれで面白かったです。火村先生がどんな風にピンチを切り抜けるのか、ハラハラしながら読めました。

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