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ミステリの祭典

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わたしたちが少女と呼ばれていた頃
碓氷優佳シリーズ

作家 石持浅海
出版日2013年05月
平均点5.20点
書評数5人

No.5 5点 メルカトル
(2020/10/26 22:45登録)
横浜にある女子高に通うわたし、上杉小春には碓氷優佳という自慢の親友がいる。美しく聡明な彼女はいつも、日常の謎に隠された真実を見出し、そっと教えてくれた。赤信号のジンクス、危険な初恋、委員長の飲酒癖、跡継ぎ娘の禁じられた夢、受験直前の怪我、密かな失恋…。教室では少女たちの秘密が生まれては消えてゆく。名探偵誕生の瞬間を描く青春ミステリーの傑作。
『BOOK』データベースより。

良くも悪くも安定している石持浅海。これもまあまあでした。イラストも良い意味でデフォルメされることなく、等身大の女子高生の姿を写し取っている感じがします。
しかしこれだけ女子高生を登場させながら、誰一人として可愛げがあるのがいないのが何とも言えません。実際JKと言えば我々が美化する傾向にある為なのかも知れませんが、現実はこんなものという事でしょうかね。日常の謎を扱った連作短編集です。しかしこれって名探偵じゃなくてもほとんどの謎が解けるのではないかと思いますよ。まあ確かに碓氷優佳の観察力は並の人間とは違うかも知れません。が、明かされる謎は他愛のないものばかりで、かなり肩透かしを喰らいますし穴も多いです。
碓氷優佳はあくまでクールで、最終話では・・・。


【ネタバレ】


『優佳と、私の未来』

最終話。碓氷優佳のブラックさが明らかになります。結局彼女の謎解きは誰の為でもなく、誰も救わないという結論。結果オーライではあるけれど。

『彼女の朝』 

アルコール中毒のクラス一の優等生。しかし、二日酔いなら匂いで誰でも分かるはずだけど。優佳が指摘するまで誰も気づかなかったのは、どう考えてもおかしい。

『握られた手』

百合疑惑のあるいつも仲良く手を繋いでいる二人のクラスメイト。しかし、日常生活に支障が出るほど視力が衰えているのなら、誰でもそれと分かるのではないか。優佳が指摘するまでもない。

No.4 7点
(2018/11/02 18:58登録)
「解いたら、それでおしまい」の碓氷優佳が女子高生の時の話。
実に冷たい。

現実性のある日常の謎。推理だけの“安楽椅子探偵”。
『扉は閉ざされたまま』を先に読むほうがオススメ。

No.3 4点 E-BANKER
(2016/05/15 16:34登録)
「扉は閉ざされたまま」「君が望む死に方」そして「彼女が追ってくる」に続く“碓水優佳シリーズ”四作目。
いずれも長編だった前三作と違い、本作は連作短篇となっているところがミソ。
そして、時代も遡って彼女が女子高生だった頃が舞台。

①「赤信号」=名門女子高・碩徳横浜高校に広がるジンクス。『あの交差点で赤信号で止まると、受験に失敗する』・・・。そんな根も葉もない(?)ジンクスに立ち向かう優佳なのであった・・・
②「夏休み」=高校三年の夏休み。受験勉強も大事だが、やっぱりコッチの方にも力はいるよなぁー、普通。
③「彼女の朝」=特進クラスの中でもトップの成績を独占する「デキル女子」。しかし彼女の秘密は深夜の深酒なのか・・・? ただし、優佳の視線は冷静そのもの。
④「握られた手」=クラスの中で異様に仲の良い女子二名。彼女たちの関係はやっぱり○○なのか? 「百合」って今でも使う言葉なのか? かなり違和感・・・
⑤「夢に向かって」=受験勉強そっちのけで漫画家への道をひた走る女子高生。でも代々医者の家系の宿命で医学部を受験しなければならないのだが・・・
⑥「災い転じて」=合格祈願で訪れた元旦の初詣。そこでの不慮の事故で大事な右腕を骨折してしまう女子。本番を一週間先に控えて落ち込んでいたはずの彼女が、なぜか急に元気になったのは?
⑦「優佳と、わたしの未来」=連作のオチとなる本編。単なるオチっていうか、①~⑥までの各編は⑦のためにあったというべきプロット。本作を通じての語り手であった上杉小春が優佳という人間の本性に気付くとき・・・

以上7編。
これ、気持ち悪くないか??
別にミステリーとして気持ち悪いって言ってるわけではなくて、いい年こいたおっさんが、女子高生どおしの会話を考えながら書いている姿を想像すると・・・
しかも、なんか出てくるキャラすべてがどうにも作り物っぽくて(当たり前なのだが・・・)、どうにも居心地悪い気分にさせられた。

プロットとしてもどうかなぁー
連作としてはよく練られているのかもしれないけど、短篇のひとつひとつは相当ユルイし薄味。
手頃な分量なのだが、どうにも手が進まなかった感じ。
このシリーズはやっぱり捻りの効いた倒叙の長編でこそ、ということなんだろう。
(⑦は「扉は閉ざされたまま」につながっていくという設定はなかなかニクイのだが・・・)

No.2 5点 まさむね
(2013/08/02 23:23登録)
 碓氷優佳シリーズ第4弾。
 長編の前三作とは異なり連作短編形式。しかも,彼女の女子高時代を扱っているので前三作とは趣が違うなぁ~と思っていたら,最終的にはやっぱり碓氷優佳は碓氷優佳。どうしても彼女は好きになれない…。
 日常の謎系学園ミステリとしては,可もなく不可もなくといったところかな。

No.1 5点 kanamori
(2013/06/29 14:09登録)
横浜の名門女子高を舞台に、あの碓氷優佳の女子高校生時代を描いた連作ミステリ。

「扉は閉ざされたまま」などの殺人を主題にした倒叙形式の長編3作とは趣が違って、級友たちのちょっとした秘密や”日常の謎”を優佳が鋭い洞察力で謎解いていく構成で、気付きの着眼点やロジック展開に”らしさ”はあるものの、全体的に薄味感は否めないかな-------と思っていたら、最終話で作者らしさ炸裂の暗転ぶり。
このラストは、逆にシリーズの前3作を読んでいない読者のほうがインパクトがあるかもしれません。

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