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ミステリの祭典

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ZAtoさんの登録情報
平均点:6.55点 書評数:109件

プロフィール| 書評

No.49 7点 そのケータイはXXで
上甲宣之
(2009/10/21 01:18登録)
一番呆れ返りつつも妙に納得されられたのは、クライマックスの危機的状況の中で、
しよりの想像していたイメージと違っていたという理由で物部君を裏切ってしまう場面の馬鹿馬鹿しさだったりもするのだが…。


No.48 9点 屍蘭 新宿鮫III
大沢在昌
(2009/10/21 01:16登録)
面白かった。もっとも『屍蘭』を一、二作よりも面白いとする読者は、
全国二十六万警察職員のうち五百人にも満たないキャリア組ほどに希少品種なのかもしれないが…。


No.47 7点 津和野殺人事件
内田康夫
(2009/10/21 01:14登録)
母が遠い日に脳裏に焼き付けたという津和野の赤いトンネルの風景。
そこを発端に旅情ミステリーの幕が開くという展開はすごく映像的であり、内田康夫の真骨頂なのだという気がする。


No.46 3点 神戸殺人事件
内田康夫
(2009/10/21 01:12登録)
鵯越えの薀蓄話などは非常に面白く、それが芦屋の資産家に尾形光琳の屏風絵を売りに来た画廊の失踪事件とどう結びつくのか期待を持って読んでいただけに・・・
神戸だからやくざが出てくるというのではあまりに短絡。


No.45 9点 毒猿 新宿鮫II
大沢在昌
(2009/10/21 01:09登録)
大沢アクションの魅力は見せ場のアクションになだれ込むまで次第にボルテージを加速していく呼吸のテンポにあり、背景にそれを効果的に演出する人物造形の巧さがある。
見た目だけの派手さでは決して読者を活字に釘付けにすることできないということだ。


No.44 8点 新宿鮫
大沢在昌
(2009/10/21 01:07登録)
鮫島が晶に上司の桃井のことをぼそっと語るラストの小粋なセリフまで一気に読み終えて思ったこと。
かつての“衝撃的警察小説”も早くも王道の色合いに染まっていたというか、妙な気分だがクラシックに触れたような読後感だった。
もちろんよく出来た物語は十分に再読に堪えるものだ。


No.43 6点 江田島殺人事件
内田康夫
(2009/10/21 01:05登録)
作家が自身の著作にイデオロギーを持ち込むのはまったく自由だと思っているので、
内田康夫の熱意が伝わってくる作品として『江田島殺人事件』は特筆してもいいような気はした。


No.42 4点 軽井沢殺人事件
内田康夫
(2009/10/21 01:04登録)
せっかくの共演ものであるにもかかわらず、不可思議で中途半端なラストも含めて残念な作品だった。


No.41 5点 後鳥羽伝説殺人事件
内田康夫
(2009/10/21 01:02登録)
足どり捜査で得られた証言が何故か捜査に反映されていなかったり、本格推理ものというには要領の得ない部分があったり、伝説ものとしても『戸隠殺人事件』と比べると匂いが薄く、全国の浅見光彦ファンが推すほどには読後の充実感に乏しい印象が残ってしまった。


No.40 6点 北国街道殺人事件
内田康夫
(2009/10/21 00:59登録)
発見される前提の死体遺棄というのは、時間経過によるアリバイ作りと、死体発見による保険金支払いの成立を目的としたものであることは常道みたいなものなのだろうが、願わくはせっかく良寛、一茶と出してきたのだから、『死者の木霊』で紹介された竹村岩男の俳句好きという趣味は生かすべきだったのではないかと惜しまれる。
また、シリーズものの宿命なのかもしれないが、第一作が竹村の執念と人間性で読ませた作品だっただけに、信濃のコロンボが何やら捜査マシーンと化しているのも残念だ。
まぁシリーズの蓄積からくる主人公の成長といってしまえばそれまでだが。


No.39 7点 「信濃の国」殺人事件
内田康夫
(2009/10/21 00:57登録)
殺人の動機が南北を分断された信州独特の地域性にあったなど「事件」としての必然性には首を傾げてしまうものの、長野県人ならば誰もが口ずさむという「信濃の歌」という県歌としての特殊性と、それにまつわる史実に目をつけたのは内田康夫のヒットかも知れない。


No.38 6点 戸隠伝説殺人事件
内田康夫
(2009/10/21 00:56登録)
「見立て殺人」というのは現実ではあまりお目にかかれないということで、小説世界の専売特許なのだろうが、
山々に囲まれた信州の土着性に題材が符合してリアルではないがファンタジー小説として読ませるものはある。


No.37 6点 死者の木霊
内田康夫
(2009/10/21 00:54登録)
冒頭こそいきなりの濡れ場に驚かされたが、処女作にありがちな文章の硬質感や妙な気負いがないのも実年デビューであるためかもしれない。私は面白かったです。


No.36 7点 狼花 新宿鮫IX
大沢在昌
(2009/10/19 00:03登録)
レギュラーである上司の桃井、鑑識の藪が健在だっただけに、
このシリーズの魅力の一翼を担っていた晶の存在が意図的に消されていくのは寂しい限りだ。
帯のコピーにある“シリーズの分岐点”という文字がややもすると“曲がり角”と読めるのではないかと杞憂しつつも
何年先になるのかわからない次回作を静かに待ちたい。


No.35 5点 宿命
東野圭吾
(2009/10/19 00:00登録)
ボウガンによる殺人や電脳式心動操作への関心はさほど湧かなかったのは、
読み手である私に和倉勇作と瓜生晃彦という男二人のライバル関係というものがストーリーを超えた核として存在したからか。


No.34 6点 夜のピクニック
恩田陸
(2009/10/18 23:57登録)
特別な夜だからこそ芽生える特別な感情。
彼と彼女たちの一歩一歩に蓄積される疲労感と刻一刻と消化していく時間がリアルであればあるほど読む側のノスタルジーが加速されていくという実感。


No.33 7点 ドミノ
恩田陸
(2009/10/18 12:48登録)
ドミノ倒しはピースが並んでいる姿が絵になっていなければ倒れていくカタルシスは得られないはずで、
その倒れ方の面白さは十分に伝わって来たのだが、
しかしピースが全部倒れた後の形までにもこだわるとするならば、その点でどうだったのだろうか。
才気が溢れ過ぎて、筆が走り過ぎていた恨みが残った。


No.32 7点 分身
東野圭吾
(2009/10/18 12:47登録)
別々の話が次第に接点へと加速度をあげてていくサスペンスに読者を乗せ、カタルシスへと運び込んでいく作劇が巧く計算されていると思った。


No.31 6点 寝台特急「はやぶさ」1/60秒の壁
島田荘司
(2009/10/18 12:45登録)
事件は解決して大団円と見せかけておいての最後の第六章。ここで多くの島田マニアたちは溜飲を下げたのではないだろうか。


No.30 8点 異邦の騎士
島田荘司
(2009/10/18 12:43登録)
ラスト近くに御手洗が主人公に向かって語りかける一言には不覚にも鳥肌を立ててしまった。好きですねぇこれ。

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