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ミステリの祭典

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「信濃の国」殺人事件
信濃のコロンボ

作家 内田康夫
出版日1985年07月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 5点 E-BANKER
(2011/05/15 21:25登録)
別名「信濃のコロンボ」、長野県警の竹村警部が活躍するシリーズ。
舞台は作者お得意の長野県です。
~信州毎朝新聞の編集者の絞殺死体が長野・水内ダムで発見され、部下である1人の記者が疑われた。しかし、恵那山トンネル・長楽寺・寝覚の床でも次々と絞殺死体が発見され、それが長野県歌「信濃の国」に歌われる名勝であることに記者の妻は気付いたが・・・~

内田氏の父親が長野県出身であり、氏自身も軽井沢在住ということで、信濃・長野県に対する「愛情」が窺われる作品になってます。
北信(長野市周辺)と中・南信(松本市や飯田市など)がいろいろな面で対抗しているという話は確かに耳にする機会はありましたが、歴史上こんな事件があったわけなんですねぇ・・・
本作の肝は、トリック云々ではなく、大きすぎるくらい大きい「事件の背景」と「動機」にあります。
ですから、読者が竹村警部に対抗して推理していこうなんて全く無理。事件の構図は途中で明らかになりますが、「誰が」という点はもはやどうでもいいという気さえします。
個人的に、浅見光彦シリーズにはTVドラマを始め食傷気味のため、本シリーズか岡部警部の登場作品だけ読んでるような状況。
量産作家としての作者を毛嫌いする方も多いでしょうが、「旅のお供」には一番なんですよ!これが。
(別に縁もゆかりもありませんが、長野県、特に松本周辺は好きなんですよねぇー。神々しい山々に囲まれながら暮らす生活に憧れさえ持ってます。)

No.1 7点 ZAto
(2009/10/21 00:57登録)
殺人の動機が南北を分断された信州独特の地域性にあったなど「事件」としての必然性には首を傾げてしまうものの、長野県人ならば誰もが口ずさむという「信濃の歌」という県歌としての特殊性と、それにまつわる史実に目をつけたのは内田康夫のヒットかも知れない。

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