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ミステリの祭典

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simo10さんの登録情報
平均点:5.69点 書評数:193件

プロフィール| 書評

No.33 5点 灰の迷宮
島田荘司
(2009/09/12 01:40登録)
色んな出来事が複雑にからみ合っているんですが、どの事件がメインだったのかはっきりしないため、かなり印象に残りづらい作品かも。自分の記憶の中で迷宮入りしてしまいそう。

--以下ネタばれ--

「灰」も直接は関係なかったことと、佐々木の息子があんな状態で受験に受かっているのが吉敷の推理と矛盾していることが残念。
茂野恵美の存在は確かに「異邦の騎士」の石川良子に通ずるものを感じました。胸を打たれてしまった。


No.32 7点 私が彼を殺した
東野圭吾
(2009/09/10 22:24登録)
犯人当て推理小説第二弾。
三人の容疑者の視点が入れ替わりながらストーリーが進んで行き、それぞれに殺意があり、自分が実行したと思い込んでいるところが何とも面白かったです。
また、容疑者のキャラクタがいい味を出おり、特に、雪笹香織が「それを買いなさい」と念波を送ったシーンが笑えました。
まるで東野氏の念波が込められているような一文です。
結局自分では犯人が分からずにさっさと袋とじ解説を見てしまったのですが、なるほど、今回は第一弾よりはずっと納得の行くヒントが提示されており、よく考えれば分かるようにできておりました。
第三弾が出ればぜひ見たいです。


No.31 5点 どちらかが彼女を殺した
東野圭吾
(2009/09/09 21:53登録)
犯人が明かされないということを知らず読んでしまった。
物語の終盤に差し掛かっている時にはもうかなり眠たい時刻。
一気に読了してから寝ようと思ったのですが、
何だか覆りに覆る展開となり、回らない頭では結局訳が分からずに読了してしまい、袋とじにも気付かず眠りにつきました。
翌朝起きたら「結局どちらが彼女を殺したんだ?」と思い、ラストを読み返してみるとやっぱり犯人が明記されていない。
「別にどちらでもいいや」と思ってしまった。
後でネットで調べたら犯人当て小説だと知りました。
面白い試みだけど証拠がちまちまして面倒臭いと思う気持ちのほうが強く出てしまった。


No.30 6点 パラレルワールド・ラブストーリー
東野圭吾
(2009/09/09 21:27登録)
タイトルからしてミステリではなさそうだと思ったんですが、
やっぱ気になって読んでみたらストーリー自体が謎掛けのようになっていたんですね。
片一方の世界では親友の三輪智彦が一向に姿を現さず、
重苦しくて謎めいていて、悲しげな雰囲気が演出されており、序盤からすごく引き込まれました。
真相に関してはヒントが十分に与えられており、特にミスリードもなかったので意外性には欠ける感じがしました。
この作品に関してはラストは東野風にちょっとダークな結末でも良かったかなと思ってしまった。


No.29 5点 秘密
東野圭吾
(2009/09/08 22:18登録)
題名からしてミステリだと思ったんですが、違ったんですね。
面白かったけどラストが嫌だ。幻夜に通ずるものを感じる。
頼りない旦那が哀愁を誘い過ぎる。
下ネタ系、特に「快楽星団」がウケました。


No.28 7点 狐闇
北森鴻
(2009/09/07 23:37登録)
冬孤堂シリーズ第一策「狐罠」ではかなり読み辛い文章だったのですが、
この第二策では非常に読み易くなっておりました。
下手に細々としたトリックに手を出さずに、歴史上のミステリを扱うこと一本に集中しているために非常に壮大な作品に仕上がっていると思います。
この作家にはこういう作品を書いて欲しいなと思っていたのですが、バッチリ嵌まっていると思います。
しかしやっぱり話が難しい。


No.27 4点 Yの構図
島田荘司
(2009/09/07 23:12登録)
--ネタばれ含みます--

いじめ問題を取り上げた社会派小説。
いじめの首謀者、いじめに加担する先生に対する地元の評判が悪くないという意外な展開。
ひょっとしてこれは東野圭吾の「悪意」系の作品か?と期待したのですが‥
真相はまあ意表をつかれたと言えばつかれたけど。
「あの名作」との引き合いで題名から犯人が予想つく人もいるかも知れないけど、それを隠すための列車トリックなんですかねぇ、と不必要にケチをつけたくなってしまう。
「展望塔の殺人」に似ています。


No.26 6点 狐罠
北森鴻
(2009/06/11 12:36登録)
古美術を題材とした作品を初めて読みました。
私には全く未知の領域の話でしたが、結構興味を持てました。
結構薀蓄を語るので苦痛な人も多いかも知れません。
初期の頃の作品のせいか、場面転換が分かり辛い表現が多かったです。
事件の面白さはイマイチですが話の流れは面白かったと思います。
登場人物もみんな一癖あって面白い。


No.25 4点 確率2/2の死
島田荘司
(2009/06/06 10:39登録)
まず第一文の「吉敷竹史は走っていた。」から引き込まれます。
第一章「二つのストーリー」ではその名の通り2人の視点から並列に物語が進んでいきます。
吉敷側では「誘拐犯の身代金放棄」、甲斐婦人側では「同じ箇所を回り続ける白いライトバン」と2つの謎が興味を引きます。

--以下ネタばれ--

第二章「二つの死」では流産もあったんだから「三つの死」だろ!と言いたくなる。
終章「二つの賭け」では一方はただの玉砕で賭けとは呼ばないだろ、と思った。
読み易かったけれどもトリックものでもないし、長編ものとしては真相はあまりにも小粒でつまらないです。


No.24 6点 黒猫館の殺人
綾辻行人
(2009/06/05 23:39登録)
--ネタばれ含みます--

かなり地味な作風で、少々退屈な展開が続きますが「あっ!」と驚く仕掛けは十数年経った今も忘れません。
綾辻作品らしく「違和感」を基にしたヒントがあちこちに散らばっており、これまたフェアな一作です。
つーか目次でいきなり仕掛けが一つ解ってしまい楽しみが減ってしまったので、そこはもう少し解り辛くして欲しかった…


No.23 10点 時計館の殺人
綾辻行人
(2009/06/05 23:24登録)
閉ざされた空間での連続殺人、犠牲者の視点から語られる迫りくる恐怖、壮大なトリック装置とその理由付け等々、素晴らしい出来だと思います。
ヒントもかなり初期の段階から頻繁に与えられており、解決編では「なるほど!」の連続です。逆にきちんと推理すれば解けるように出来ている非常にフェアな作品でもあります。
難点を言えば、犠牲者が多過ぎて犯人が絞られ過ぎてしまうことと、犯人自体も地味で意外性に欠ける人物だったことかな。
その他、細かく突っ込みたい点はいくらかあるけれど、これだけ完成度が高ければ10点です!(でも意外とみんな評価低いのね)


No.22 8点 十角館の殺人
綾辻行人
(2009/06/05 23:18登録)
十数年前に初めて読んだ時は、「十角館」という名称の割にちんけなコテージでがっかりしたこと、「エラリィ」や「アガサ」など読むだけで恥ずかしくなるようなあだ名の呼び合い等で気分が萎えたせいか、あの一行を見ても「ふうん」と思っただけで、評価は低かったです。
十角館の名称や構造を全く活かしてない点が一番がっかりでした。
しかし先入観もなく、「あだ名」の免疫もできている状態で久しぶりに見てみると、とても良く出来ている作品だと関心しました。
二回目とか久しぶりに読むと面白い作品なのかもしれません。


No.21 7点 迷路館の殺人
綾辻行人
(2009/06/05 21:07登録)
名称通りの迷路状の館に閉じ込められた中で発生する連続殺人モノです。
十数年前に読んだ時はその形状の特徴を活かしたトリックのインパクトが強かったの覚えています。
ミスリードも上手いです。犯人を当てたつもりでいい気になっていました。
ギリシャ神話にまつわる話も面白かったです。
後書きで述べられている、綾辻氏の構想にある「1.5倍~2倍くらいの長さの完全改訂版」というものを是非見たいです。


No.20 6点 水車館の殺人
綾辻行人
(2009/06/04 21:09登録)
ミステリ3~4冊目くらいの初心者時に読みましたが、当時は「人里離れた館に閉じ込められ、次々と殺人が起きる」という設定に感動しました。
叙述にもどれだけ気持ち良く引っ掛かったことか…
久々に読んでみたらそれほどインパクトはありませんでした。
しかし、トリックは良く出来ているしヒントは十分過ぎるほど与えられているので、フェアな作品だと思います。
初心者の方にオススメかも知れないです。


No.19 4点 消える「水晶特急」
島田荘司
(2009/06/04 20:37登録)
2人の美人女性記者の視点(三人称だけど)で進んでいく話なのですが、その設定の意図が分からない。
終始淡々としたペースで話が進行するため盛り上がりに欠けるし、解決編もこれまた吉敷刑事が淡々と説明するので犯人の心理も分かりづらかったです。
せめて解決編だけでも犯人側の視点からの解説でもあれば良かったのに、思ってしまう。


No.18 6点 リベルタスの寓話
島田荘司
(2009/06/02 21:48登録)
御手洗シリーズ。2つの中編モノで構成されています。
どちらもセルビアとクロアチアの因縁を題材にした話です。

①「リベルタスの寓話」:ハインリヒの語り。物語の途中で語られる「寓話」に見立てられた殺人事件。その真相は… む、難しい。オンラインゲームに関する話が良くわからないっス。
②「クロアチア人の手」:石岡君の語り。密室トリックもの。真相は格闘漫画級にありえないものだが、石岡君の語りによって、何故かコミカルな仕上がりになっているので妙にマッチしているとも感じられる。クロアチアでは俳句が親しまれていたというのでビックリ。

どちらも楽しめました。ハインリヒはやはり好きになれず。ハードカバーは一見の価値あり。


No.17 6点 摩天楼の怪人
島田荘司
(2009/06/01 21:30登録)
島田荘司らしい壮大な謎かけでその部分は楽しめました。
しかし、トリックの舞台装置そのものは感動するくらい素晴らしいのに、その活かし方が非常にちまちましており「もったいない!どうして?」と首を捻ってしまうものとなっております。
細かい事件はまだしも、最大の謎のジーグフリード殺害の真相はコレかよ…といった感じです。
島田流のウルトラCを期待していたのですが…

登場人物も若い頃の刑事を除いて全く感情移入できない。
石岡君の存在は大きいと思いました。

また、「若い頃の御手洗」+「大女優」⇒「大バトル」を期待したのですが全く期待通りの展開とはなりませんでした。
刑事とのバトルもなかったし、御手洗が大人し過ぎです。
個人的にはその点が一番痛かったかな。

厳しく評価しましたが、全体的には面白いです。
ただ、期待し過ぎたのでちょっとがっかり。
まあでも、文庫本が出たし、また読もうかな。


No.16 7点 北の夕鶴2/3の殺人
島田荘司
(2009/06/01 21:00登録)
題名からしてトラベルものかと思って読んでみると、確かに一応トラベルものの体裁を取ってはいるのですが、バリバリの本格推理物なのでビックリしました。
不可能犯罪に義経伝説に超常現象、島田ワールドです。
この作品では吉敷刑事の弱い面、強い面、暴力的な面、暖かい面、熱い面等様々な人間性が描かれています。
つーか熱過ぎです。
トリックも大胆で豪快そのもの。
現実的な話をすれば突っ込み所満載ですが、この「どうだ!」と言わんばかりに堂々と見せつけられると文句も言えません。
心霊写真の真相も確率的に十分超常現象の範囲ですが、明快でスッキリしました。


No.15 5点 網走発遙かなり
島田荘司
(2009/05/30 12:36登録)
病院の待ち時間が長いのでその暇つぶしに買いました。
長編かと思いきや、4つの短編だった。と思いきや連作短編で1つのまとまったお話でした。

①「丘の上」:奇妙な行動を取る隣人の老人を観察する主婦視点のお話。次第に狂気に駆られていく様は「毒を売る女」に近い印象を受けました。
②「化石の街」:踊りながら都市を徘徊するピエロ。このリアルに不気味な設定はまさに島田荘司っぽい感じがしました。
③「乱歩の幻影」:乱歩を知らない私にとっては少々苦痛。一番ページ数多いし。
④「網走発遥かなり」:列車内で起きた殺人事件と死体消失トリック。種明かしを見ると「なあんだ」という感じ。

前半二作は楽しめたのですが、後半二作はイマイチでした。


No.14 5点 トキオ
東野圭吾
(2009/05/30 12:04登録)
まず、これはミステリではないです。
しかし、心の温まるいい良いお話です。
最後の一行で思わずホロリ…
久しぶりにバック・トゥ・ザ・フューチャーが見たくなりました。

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